おじいちゃんのフィルムカメラがきっかけで、フィルムカメラが好きになった筆者。以来、何台かフィルムカメラを所有してきました。そんな中、PENTAXから新たにフィルムカメラが発売されると知り「これはもう買うしかない!」と思い、迷わず購入しました。
令和のフィルムカメラ
「PENTAX 17」
8万8000円(税込)
まさか新品のフィルムカメラを手にできるなんて、思ってもいませんでした……。そのカメラというのが、「PENTAX 17」です(17はイチナナと読むそう)。機能面も含めて、まさに令和のフィルムカメラと呼ぶにふさわしい一台です。なかでも一番の特徴は、デフォルトで縦型の写真が撮れるという点。かなりめずらしいですよね。なぜ縦型なのかというと、現代のSNSなどでの共有を想定して設計されているからだそう。
そのため、ファインダーもそれに合わせて縦型。クラシカルな見た目はそのままに、時代に寄り添って進化したフィルムカメラになっています。
あえての手間が心地いい
なんでもラクで便利になってきているこの時代。正直、フィルムカメラは、そんな時代の流れに逆行している存在だと思います。しかし、「撮影」という体験の面では、そのひとつひとつの手間がとても楽しく感じられます。フィルムを手動で巻いて、ファインダーを覗き、ピントを合わせて、シャッターを切る。すべての工程がフィルムカメラでしか味わえない唯一無二の体験だと思います。こうした時代だからこそ、その価値は一層高まっているのではないでしょうか。それが、筆者が「PENTAX 17」を好きな理由のひとつでもあります。
何気ない風景も特別なものに
筆者の場合は、日常の何気ない瞬間や、街のスナップ写真を主に撮影しています。このカメラで撮るとどんな風景や被写体でも絵になるんですよね~。普段は気に留めないようなものでも撮影することが増えました。また、片手で持てるくらいコンパクトなので、どこかへ行くときには必ず持って出るようになりました。
ちなみに「PENTAX 17」はハーフサイズフォーマットのカメラなので、普通のフィルムを入れても「倍」の枚数を撮影することができます。最近フィルムも高騰していますからね……、助かります。ハーフサイズで撮影したフィルムを現像に出すと、「1コマスキャン」か「2コマスキャン」を選ぶことができます。1コマスキャンは、1枚の写真として個別に仕上がりますが、2コマスキャンでは、2枚の写真が横に並んだ状態で1枚の画像として出てくるんです。なので、2枚を横並びで見るという新たな楽しみ方もできますし、撮影順によっては思いがけない組み合わせになって、意外性があって面白いですよ。以下の写真は2コマスキャンで現像したものです。




「瞬間」を閉じ込める
筆者は、フィルムでしか出せないあの感じが大好きです。フィルムで撮った写真を見ると、撮影したときの情景や気持ちが、鮮明によみがえってきます。まさに、瞬間を閉じ込めることができる。そんな気がしますね。「PENTAX 17」はどこへでも連れて行きたくなるようなコンパクトさと、クラシカルな見た目、そして本格的な表現力をあわせ持ったカメラ。筆者では、私のお気に入りの一台になりました。