日本最大の「カメラと写真映像のワールドプレミアショー」を取材!主要メーカーを中心に、2025年のカメラトレンドを読み解いてみる。
CP+はどんなイベント?
年に一度開催されるカメラ関連の総合展示会「CP+」とは、カメラに関するすべてを扱う展示会。個人・企業どちらも対象になっている。2009年までは「フォトイメージングエキスポ(PIE)」として開催されていたが、2010年からは主催団体が変わり「CP+」として再出発した。
↑会場はパシフィコ横浜。今年のテーマは「Visualize Your Story」で、キービジュアルの撮影を写真家の横浪修氏が担当。モデルは桜子氏。
【キヤノン】目的の被写体を「つかみ続ける」強力なAF機能をバスケで体験!
「EOS R1」「EOS R5 Mark II」の展示では、「サッカー」「バスケットボール」「バレーボール」の競技で“シュートしている選手”、“スパイクしている選手”などに自動でピントを合わせる「アクション優先」機能を、実際のバスケット練習を撮影して体験できた。
映画のような雰囲気のVlogも、作り込む静止画もこれ一台で
PowerShot V1
実売予想価格:14万8500円(税込)
ハイエンドなコンデジ。光学/電子手ブレ補正を搭載。内蔵マイク用ウィンドスクリーンが付属し、強風によるノイズを低減してくれる。顔ではなく「モノ」のほうにピントを合わせてくれる「レビュー用動画」モードが便利。
SPEC●センサー:1.4型CMOS ●総画素数:約2390万画素 ●焦点距離:8.2~25.6mm(35mm判換算約16~50mm相当。静止画撮影時)●常用ISO感度 ISO100~ISO32000(静止画) ●液晶モニター:3.0型TFT式カラー液晶 ●サイズ/質量:約W118.3×H68×D52.5mm/約379g(本体のみ)



【ソニー】豊富なボディとレンズが用意され、スポーツからポートレートまで撮影を体験
ひときわ広かったソニーブース。12~24mmの超広角ズームレンズから400~800mmの超望遠ズームレンズまで試用でき、カメラボディも豊富。ボディやレンズそれぞれの特性をチェックできるスポーツの試技やモデル撮影などのコーナーも豊富に用意されていた。
大口径の明るいレンズながら小型軽量で携帯しやすい
大口径超広角単焦点Gレンズ
FE 16mm F1.8G
参考小売価格:13万6400円(税込)
非常に広い範囲を写し取ることができる超広角レンズ。最短0.15m(AF時)の近接撮影ができ、ボケを生かした撮影ができる。広角レンズだが周辺部まで高い解像性能を持ち、全体を高精細に描写できる。AFが高速で、動画撮影にも強い。
SPEC●マウント:ソニー Eマウント ●焦点距離:16mm ●レンズ構成:12群-15枚 ●開放絞り:F1.8 ●最小絞り:F22 ●フィルター径:67mm ●サイズ/質量:Φ73.8×D75mm/約304g
●絞り値F1.8

●絞り値F22



【ニコン】新製品と新たな機能で表現の幅を広げられる!
「Z6III」や「Z50II」に搭載された、写真の色味を多彩に調整できる「イメージングレシピ」機能。その機能を存分に試せるよう、カラフルな被写体の並ぶ撮影コーナーが用意されていた。クリエイターが作成したレシピでの作例も豊富に展示され、来場者から注目されていた。
望遠側3000mmまでカバー! 驚異の125倍ズーム
COOLPIX P1100
ニコンダイレクト参考価格:14万9600円
広角から超望遠まで対応するレンズを内蔵したカメラ。約1cmでもピントが合う「マクロAF」や、4K UHDでの動画撮影も可能。モードダイヤルに「鳥モード」「月モード」が用意されており、必要なときに素早く切り換えられる。
SPEC●センサー:1/2.3型原色CMOS ●総画素数:1679万画素 ●焦点距離:4.3~539mm(35mm判換算約24~3000mm相当) ●ISO感度 ISO100~ISO1600 ●液晶モニター:3.2型TFTカラー液晶 ●サイズ/質量:約W146.3×H118.8×D181.3mm/約1410g(電池・カード含む)




【パナソニック】高度な映像制作やスマホ連携などアプリも充実
2024年発売のフルサイズ機「LUMIX S9」や、発売前の「LUMIX S1R MarkII」が展示され、注目を集めていた。ドラマやドキュメンタリーのような映像の制作を支援するスマホアプリ「LUMIX Flow」の体験では、実際にアプリを使って映像制作の体験が可能だった。
被写体を逃さないAF性能と、超高解像度イメージセンサー
LUMIX S1R MarkⅡ
実売予想:47万5200円(ボディ)
4430万画素イメージセンサーと、ライカと共同開発の画像処理エンジンにより、緻密かつ自然な仕上がりを実現したデジタル一眼カメラ。手ブレ補正は8.0段ぶんの補正が可能で、望遠の手持ち撮影でも手ブレを抑えられる。
SPEC●センサー:35mmフルサイズCMOS ●総画素数:4590万画素 ●ISO感度 ISO80~ISO51200(通常) ●液晶モニター:3.0型TFTカラー液晶 ●サイズ/質量:約W134.3×H102.3×D91.8mm/約795g(電池・SDメモリーカード1枚含む)



【富士フイルム】ほとばしる「フィルム愛」とデジタル技術との融合を体感
デジタルカメラの「フィルムシミュレーション」による色再現力を体感できるコーナーや「instax WIDE Evo(TM)」の特徴である、100段階で調整できる10種類のレンズエフェクトと10種類のフィルムエフェクトの機能を試すコーナーを展開。様々なカメラと被写体で撮影を楽しめた。
「フィルム写真」を手軽に味わえるカメラ
“チェキ” instax WIDE Evo
実売価格:5万5000円
カメラ背面のモニターを見ながら撮影し、好きな画像を選んでプリントできるカメラ。横長の「ワイドフォーマットフィルム」に対応し、スマホやデジタルカメラで撮影した写真のプリントも可能となっている。
SPEC●センサー:1/3型CMOS原色 ●記録画素数:4608×3456ピクセル(広角スイッチONかつmicroSDカード使用時) ●焦点距離:16mm(35mm判換算) ●ISO感度:100~1600 ●液晶モニター:3.5型TFTカラー液晶 ●サイズ/質量:W138.7×H125×D62.8mm/約490g(本体のみ)



【OMシステム】常時開催の使いこなし講座で何度も立ち寄りたくなる
撮影体験ブースは中央部に「森」が作られ、中には何羽もの野鳥(模型)が。その光景を、周囲にぐるりと設置された何種類ものレンズ+ボディで撮影できた。プレゼンテーションコーナーでは、プロカメラマンによる製品機能の使いこなし解説が常に行われていた。
フラッグシップと同等の性能で500gを切る軽さを実現
OM SYSTEM OM-3
実売価格:26万4000円(ボディ)
往年のフィルム一眼レフカメラ「オリンパス OM-1」の設計思想を継承。撮影後の画像処理を、カメラ本体内でできる「コンピュテーショナル フォトグラフィ」機能や、複数枚の撮影を合成し高解像写真を生成する「ハイレゾショット」機能を搭載。
SPEC●センサー:4/3型 裏面照射積層型 Live MOS ●総画素数:約2293万画素 ●ISO感度: LOW(約80相当、100相当)、ISO200~ISO102400 ●液晶モニター:3.2型TFTカラー液晶 ●サイズ/質量:約W139.3×H88.9×D45.8mm/約413g(本体のみ)




【シグマ】シンプルなフルサイズ一眼と高コスパレンズに行列ができる
シグマのブースは、まるでモンゴルの住居「ゲル」のような巨大な円筒形のテント。そこに、初日の接待者やプレス限定の時間帯から長い列ができる人気ぶりだった。2月に発表されていたフルサイズデジタル一眼の「BF」を試すことが目当てだったと思われる。
シンプルさと高性能をともに極限まで追求
Sigma BF
参考小売価格:38万5000円(ボディ)
スイッチ類を最小限に抑え、シンプルなデザインを実現した。撮影設定値をサブモニターに表示することで、メインモニターには撮影プレビューだけを表示して撮影に集中できる。最大6Kでの動画撮影も可能。
SPEC●センサー:35mmフルサイズCMOS ●総画素数:2530万画素 ●ISO感度 ISO100~ISO102400 ●液晶モニター:3.15型TFTカラー液晶 ●サイズ/質量:約W130.1×H72.8×D36.8mm/約446g(電池含む)


