まだ世の中にないものやストーリーあふれるチャレンジが集まる 応援購入サービス「Makuake」から注目のプロダクトをピックアップ。 デザイナー、経営者、テレビ番組のコメンテーターなど、 多岐にわたる活動を展開するアートディレクターの山㟢晴太郎さんに、 開発担当者との対談を通じて製品の魅力を深掘りしていただきます!
【Makuake×GetNavi】山崎晴太郎のNEXT CREATORS「旅行ジャパン『Magne Suitacase』」
旅行ジャパン
Magne Suitacase
一般販売予定価格9万9800円
Makuake応援購入実施期間7月1日〜8月15日
ボディ全面に世界で初めて(※2)マグネシウム合金を採用し、金属系素材でありながら重量2.9kgを実現したスーツケース。金属系のスーツケースでは最軽量(※1)ながら、高い強度も両立。片開き構造で、荷物を片面ですべて完結できる設計だ。機内持ち込みも可能なコンパクト仕様で、余計な装飾を排除したミニマルなデザインも魅力。
マグネシウムってBtoB向けの高価な素材。それを一般商材に採用するのは挑戦的!
デザイナー・山崎晴太郎さん
企業のデザイン戦略とブランディングを軸に、グラフィックからプロダクトまで幅広いディレクションを展開。デザインで社会を変えるという信念のもと、省庁や企業と連携し課題解決に取り組む。セイタロウデザイン代表。TV番組コメンテーターとしても活躍中。
※山崎晴太郎さんの「崎」の字は、正しくは「大」の部分が「立」になります。
旅行ジャパン株式会社
モバイルバッテリーやUSB充電器、ロボット掃除機などで有名なアンカー・ジャパンの代表取締役CEO・猿渡 歩氏が手掛ける「旅と人生の、質を高める」をミッションに掲げた新会社。マグネシウム合金素材を採用したブランド「Magne」のファーストプロダクトが、スーツケースとなる。
旅行ジャパン株式会社
代表取締役CEO
猿渡 歩さん
現アンカー・ジャパン代表取締役CEOを務めるほか、他EC関連企業の社外取締役や顧問も務める。旅行という誰もが触れ合うカテゴリにおいて、「本質的な価値に向き合ったブランドを作りたい」という想いから、旅行ジャパン株式会社を創業。
軽さと頑丈さはスーツケースの本質的価値
山崎さん(以下敬称略)僕、製造の会社の取締役もやっていて、アルミ鋳造なのですが、たまに特殊合金でマグネシウム(以下、Mg)も扱っています。Mgって、とにかく軽い! そのときの感じを思い出しました。見た目は金属だからアルミ製の質量感を無意識に想定して持つと、軽すぎて驚きます。なぜMg合金でスーツケースを作ろうと思ったんですか?
猿渡さん(以下敬称略) スーツケースのマーケットは非常に大きいのですが、例えば“スマホといえばApple”“イヤホンといえばソニー”というように、純粋想起するブランドって意外と少ないと思ったんです。品質と利便性が良く、かつ所有欲をそそるものを適正な価格でご提供することで、移動そのものを楽しみ、旅をもっと自由にしてくれる存在を目指したいと考えました。ユーザーはどんな点に着目してスーツケースを選んでいるのか調査をしたところ、1位は軽さで2位は頑丈さでした。この2点を両立しているスーツケースは、じつはあまりないんです。アルミ製は丈夫ですが、どうしても重たくなるので。金属製で軽量を実現できるのが、Mg合金だったんです。Mgはアルミの約3分の2の重さで、元素の結合的にも頑丈な素材。ただし、高額で加工が困難なんですよね。探してみたら、Mg製は国内外で作られたことがありません(※2)でした。
山崎 Mgって高いですもんね。うちはおもに車部品の鋳造を手掛けているのですが、量産車にMgは使えないです。レース用など、特殊なケースで使われる高価な素材というイメージがあります。BtoBメインではなく一般商材に採用したというのは、けっこうチャレンジング。製造のラインを作るのが大変だったんじゃないかなぁ……と。
猿渡 製造コストがかかることも、これまで作られてこなかった理由のひとつだと思います。実際この商品もけっこうコストがかかっていますから(笑)。仰る通り、製造工場を見つけるのも大変でしたね。というのも、Mgを取り扱えてスーツケースも作れるという工場がほとんどないんです。Mgは加工時に取り扱いを間違えると爆発してしまうなど、管理をしっかりする必要があり、Mgを扱える会社もあまり多くありません。
山崎 なるほど。軽いだけでなく、キャスターの動きが本当にスムーズでかなり取り回しがいいですよね。シンプルながら機能面にはかなりこだわって作られていると純粋に思いました。僕の場合、スーツケースを選ぶときに最も重視するのはエモさ。もちろん軽くて丈夫であってほしいんだけど、使っていくうちにキズが付いたり歪んできたりして、“こいつと一緒に生きてきたなあ”という相棒感が欲しいんです。これはいままでになかった領域のスーツケースですけど、使い続けていくうちにどう人間の旅と寄り添っていくか気になります。
猿渡 全面フラットで縦リブが入っていないのも特長で、良くも悪くもキズが反映されやすい部分はあるかもしれません。ただそれも旅の“味”が残り、スーツケースならではのエモさは出てくるものかなと。余計なものはすべて削ぎ落としたシンプルな外観なので、自分好みにデザインしていく楽しみもあると思います。今回は機内持ち込みサイズですが、今後はユーザーのフィードバックを反映しつつ、大きいタイプや色違いも展開していけたらいいなと考えています。
山崎 個人的には新幹線持ち込みに最適な仕様のスーツケースがほしいです! 持ち込み用って飛行機ベースで作られているものがほとんどだから、新幹線に乗るときいつも置き場所に迷うんですよね。荷棚に上げるほどでもないときは特に。脚元に置いてるときも、なんか大きすぎて窮屈だし(笑)。
※1…TFCO社調べ(2025年5月時点、金属製スーツケースにおける比較) ※2…TFCO社調べ(2025年5月時点、ボディ全面にマグネシウム合金を採用したスーツケースとして)




※こちらは「GetNavi」2025年8月号に掲載された記事を再編集したものです。
構成/ゲットナビ編集部 文/えんどうまい