現在の日本はバレンタインデーやホワイトデーと、チョコやスイーツシーズンの真っ只中。百貨店では有名ショコラティエの高級チョコに人気が集まっていますが、そこで名を馳せているのが「ゴディバ」や「ピエール・マルコリーニ」といったベルギーブランド。そこで今回は、このチョコレート大国出身のゲーロムスさんにベルギーについて色々と聞いてみました。
マクスィム・ゲーロムス さん
ブリュッセル出身。好きな郷土食は野菜入りのマッシュポテト。
バレンタインはチョコの日ではない?
ベルギーにもバレンタインデーはあります。ただ、その概要はチョコレートを贈るイベントではないという、日本人からするとありえない文化の違いが判明。日本では一説に「製菓会社がチョコレートを売るために仕掛けた」と言われていることからも、世界的に見れば逆に日本が珍しいのかもしれません。
「ベルギーでもバレンタインデーは恋人の日だけど、女性から男性に、しかもチョコレートを贈るってのはないよ。しかもその1か月後がホワイトデー? なんですかそれって感じだね。そんな日はベルギーにはありませんよ!」(ゲーロムスさん)
チョコレート大国なだけに、ベルギーにもチョコを贈る文化はあるものの、決してバレンタインに限ったことではないそう。日本にはまだあまり根付いていませんが、ベルギーでチョコのイベントといえばまだ「イースター」のほうがメジャー。卵型のチョコレートを贈ったり食べたりという習慣が、古くから根付いているそうです。
ベルギーでは12月6日にサンニコラがお菓子を持ってやってくる!
そう聞くと、ほかの年間イベントも気になります。ということで、クリスマスについて聞いてみました。日本ではプレゼントを贈ったり、サンタクロースがやってきたりと年末の恒例行事として定着していますが、ベルギーではどうなのでしょうか? すると、またしても興味深い答えが返ってきました!
「ベルギーでは12月6日のサンニコラのお祭りのほうが大事! ベルギーの子どもはみんな、前日の寝る前に靴や靴下にサンニコラのロバが好きなニンジンを入れておくんだ。すると、翌朝そのなかにお菓子が入ってるんだよ。え、日本にはないの?」(ゲーロムスさん)
この話、多少は異なる点もありますが、日本におけるサンタクロース文化と似ています。なお、12月25日のクリスマスもベルギーにはあるものの、サンニコラの日ほど盛り上がらないそうです。
「クリスマスマーケットが開かれるし、家族そろって七面鳥やブッシュドノエル(木の形をしたケーキ)を食べるけど、どちらかというとクリスマスは大人のイベントだね。サンタクロースも知ってるけど、サンニコラほどの人気はないよ。特に子どもたちは、サンニコラは実在してるって信じてるけど、サンタクロースは架空の人だって思ってるよ」(ゲーロムスさん)
調べてみると、サンニコラはサンタクロースの原型とか。フランスやベルギーでの呼称はサンニコラですが、祭りの発祥とされるオランダでは「シンタクラース」と呼ばれており、やがてアメリカにこの文化が伝わるなかでキリストの降誕祭と結びつき、サンタクロースになったそうです。ベルギーにはクリスマス的なイベントが2回あり、家庭によっては12月6日にサンニコラからお菓子、25日にサンタクロースからプレゼントをもらえる子もいるとか。こうしてみると、ベルギーの子どもたちがちょっとうらやましいですね!
※この企画は、外国人留学生へのリサーチから得た知見をもとに、海外向けに日本企業のブランディングや商品PRのサポートを行う「LIFE PEPPER」とのコラボによるものです。