新小川町は飯田橋駅に近く、出版関係の会社が集まる地区。2012年、昔ながらの立ち食い店として開業したのが「稲浪(いなみ)」だ。
立ち食いの王道を守りつつ、つゆも天ぷらも独自に進化
ご主人は仕出しの商いもしているが、今後の人生も考え、立ち食いそば店を開業した。取引のある九段下の名店「むさしの」のご主人が立ち食いそばのノウハウを伝授。その後、つゆの味などさらに自身で研究を重ね、「稲浪」の味を確立した。
かつお節中心にさば節や宗田節からうまみたっぷりのだしを取る。そこに自家製かえしを合わせたつゆがしみじみうまい。ふわふわのゆで麺とも好相性だ。
また、同店は天ぷらの豊富さも魅力。パクチー天、桜えびと三つ葉の天ぷらなど、他店にはなかなかないものも多い。さらに、ご主人はオリジナル薬味も研究。ドライ紅しょうが唐辛子や明日葉の茎で作った〝にがみ〟など、そばの味を鮮やかに変える薬味がカウンターにズラリと並ぶ。
かくも多彩なそばの楽しみを提供する同店への、立ち食いそば好きの評価は極めて高い。飯田橋に行く際は少し足を伸ばし、ぜひ「稲浪」を訪ねてほしい。
【DATA】
稲浪
住所:東京都新宿区新小川町 5-8
営業時間:6:00〜16:00(月〜金)
定休日:土、日、祝日
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