任天堂にとって2012年発売の「Wii U」以来、久々の新型ハードの登場ということで大いに賑わった「Nintendo Switch」。3月3日の発売日には即完売し、23日に追加販売されるもそれもすぐに完売となってしまったことからも、その人気の高さがうかがい知れます。
筆者も1月の発表会の5日後に店頭に並んで予約を行い、なんとか発売日に購入することができました。あれから約1か月、Nintendo Switchを遊び尽くした上で感じたことなどをレビューしたいと思います。
初期設定はやや面倒に
こちらがNintendo Switchの本体です。画面サイズは6.2インチと、いわゆるファブレットサイズ。携帯することもできますが、ニンテンドー3DSなどの携帯機と比べるとかなり大きく感じます。
購入してまずセットアップをしてみましたが、従来の任天堂ハードと比べるとやや面倒に感じました。まず、本体にユーザー登録をしなくてはならないのですが、これまで使っていたMiiに紐付いたものだったり、ニンテンドーアカウントを使用したものではなく、Nintendo Switch用に新たに登録しなくてはならなくなっています。
しかも、せっかく新規に登録を行っても、最終的にはニンテンドーアカウントと紐付けすることになるので、それまでのユーザー登録はなんだったんだと疑問に思ってしまいました。最初に、アカウントを新しく作るか、ニンテンドーアカウントを利用するかの選択肢があれば、ちゃっちゃと登録を済ませることができるのに……と思った次第です。
また、任天堂のゲームではおなじみのアバター“Mii”の作成も行えるのですが、これも従来とは異なり、ニンテンドーアカウントに紐付いて引き継ぐことができなくなっています。つまり、ニンテンドー3DSやWiiU、もしくはスマホのMiitomoで使っていたMiiを使うことが基本的にできません。アミーボを使えば可能ではあるのですが、ユーザーが全員アミーボを持っていたり、NFCに対応したNewニンテンドー3DSを持っているわけではないので、この仕様はやや残念。
インターネット接続も、ニンテンドー3DSやWiiUでは対応していた「AOSS」や「らくらく無線スタート」などの簡単接続機能に対応しておらず、一般的なデバイスのようにSSIDを選択してパスワードを入力する方式のみになっています。驚くほど難しくなったわけではないですが、子どもやネットの設定に不慣れな人のためにも、そういう機能を残しておいてもよかったような気がします。
これまでのように、任天堂ならではの非常にわかりやすく親切な初期設定から少し方向性が変わったように感じ、同社のファンとしてはやや違和感を覚えました。
ゲーム機としての完成度はさすがのクオリティ
出だしでややネガティブな感想を書いてしまいましたが、実際に遊んでみた印象は“さすが任天堂機”というべき素晴らしさ。 本体の液晶画面の解像度は1280×720ドットのHD画質で、同サイズのファブレットならフルHDは標準的に搭載されていることを考えると解像感が劣るのかなと思っていましたが、見た目には解像感が高く発色も良いので、スペック以上の高画質に感じました。
Joy-Conを使ったミニゲームを多数収録した「1-2-Switch」では、ゲームの解説で実写のチュートリアルが表示されるのですが、とてもHD画質とは思えないほどキレイに見えました。3月25日~26日に行われた「スプラトゥーン2」の先行試射会をプレイしたのですが、本体のディスプレイでも十分に遊べ、外出先でプレイするのも十分だと感じました。
Nintendo Switchが発売されてからネット上で話題となったのが、「左のJoy-ConのBluetoothが途切れてしまう問題」と、「Joy-Conとストラップを逆につけてしまう問題」でした。筆者が遊んだ限りでは Joy-ConのBluetooth接続が切れてしまうことはほとんどなかったので、個体差があるのかもしれません。不具合がある場合は修理をしてくれるとのことなので、頻繁に切れてしまう人は修理に出しましょう。
Joy-Conのストラップ問題は、逆向きでも装着できてしまうのは構造上の問題のため解決はできていないようで、間違って装着した場合は力任せに取り外すしかないようです。
↑ストラップを装着し、Joy-Conひとつずつをひとり用のコントローラーとして使用できます
Joy-Conでの操作は概ね良好ですが、Joy-Conをひとつをひとりでプレイする場合(ストラップを付けての操作)はよっては操作しにくいこともあります。コントローラー自体の大きさ自体はそれほど気にならない感じです。
ソフトラインナップ的には「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」の評価が高く、ゼルダ史上最高作との呼び声もあるほど。もちろん、すべての人がゼルダ好きではないかも知れませんし、Switchらしいソフトかというと、そこはちょっと違うかなとも思います。やはり、Nintendo Switchのポテンシャルを理解するには「1-2-Switch」がいいかと。ただし、ひとりで遊ぶには寂しすぎるゲームではありますので、大人数が集まるシーンでみんなでワイワイいいながら遊ぶのがオススメです。
大人数プレイがオススメ
そこで、大人数プレイの楽しさを体験すべく、飲み会にNintendo Switchを持っていって「1-2-Switch」で遊んでみました。
Nintendo SwitchのオリジナリティのひとつであるJoy-Conは、初めてプレイする人、酔っ払っている人にもわかりやすいのが魅力。特にHD振動とIRカメラには、「本当にボールが入っているみたいだった」とか「うわー、食べてる、食べてる!」と、お酒の席で盛り上がります。人気のミニゲームはなぜか、乳搾りを体験する「ミルク」。プレイしている本人も、周りで観ているギャラリーも大盛り上がりでした。
初期設定が多少面倒になっていましたが、最初のハードルさえクリアしてしまえば、あとは問題ありません。店頭やネットショップなどで追加販売されているのを見つけたら、衝動買いしても後悔することはないゲーム機といえるでしょう。これからの行楽シーズンに、Nintendo Switchを持っていってみてはいかがでしょうか?