機能美という表現がふさわしいLED卓上ライトが注目を集めています。開発したのは、サイクロン式掃除機で世界を席巻した、あのダイソンの子息。
ダイソン
CSYS desk
実売価格 6万9120円
587ルーメン(1㎡上)の電球色で光を放つ8つのLEDが、37年間変わらない明るさを提供し続ける卓上照明。ヒートパイプテクノロジー、3 Axis Glideモーションなど、革新的な技術を随所に搭載。デザイン性も高いです。
ダイソン
デザインエンジニア
ジェイク・ダイソンさん
大学でインダストリアルデザインを専攻。2004年に自身の工房を立ち上げ、『CSYS』などを開発。2015年からダイソン傘下へ。
父から受け継いだ、人々の生活を向上させる使命感
ダイソンは、言わずと知れたサイクロン式掃除機や羽根のない扇風機で家電市場を一変させたメーカー。その創業者、ジェームズ・ダイソン氏は、67歳となったいまでも現役のデザインエンジニアとして、革新的な製品開発を続けています。
ですが、彼が生み出した“最も革新的”な産物は、息子であるジェイク・ダイソン氏かもしれません。ジェイク氏は父親同様、ある革新的な製品で世界の潮流を変えようとしています。「ヒートパイプテクノロジー」という効率的に熱を放出する技術を搭載し、寿命37年という“ほぼ一生もの”のLED照明「CSYS」を生み出したのです。
「父が昔の紙パック式掃除機に感じていたように、私はずっと照明器具に、大きなフラストレーションを感じていました。素敵なデザイン照明はたくさんありますが技術面にまったく敬意を払っていないものばかりで……。特にLEDが一般的になったいま、熱処理さえすれば使用寿命は飛躍的にアップするにもかかわらず、誰もそれをやろうとしない。だから私がそれにトライしたのです」
ジェイク氏は今年の4月からダイソン社に合流。掃除機、空調家電、ハンドドライヤーに続き、第4の武器として照明を誕生させました。彼は父同様、デザインエンジニアという肩書きで、人々の生活を向上させる技術があってこそ、その価値を表現するデザインが生きると考えています。
長寿命の理由はヒートパイプにあり
「CSYS」の長寿命を実現するために、最も大切な要素がLEDモジュールの熱処理にあります。「常時約120〜140°Cまで熱くなることで、市販されているほとんどLEDは半年で30%も光量が落ちたり、色が変わったりします。それに対し、LEDモジュール自体を55°Cで維持するのが『ヒートパイプテクノロジー』なのです」
ヒートパイプ自体は銅管であり、真空に近い状態。中には少量の水が入っていて、煙突効果が生じて熱が拡散します。
「22.5mm径の銅パイプは、内側が繊維のようなメッシュ状に、直接ヒートシンクとなるアルミニウムと繋げています。LEDモジュールが発した熱が銅管に伝わると、水が熱を奪って蒸発します。水蒸気は上側へ移動してアルミニウムに熱を伝え、水蒸気は冷えて水となり、銅管の内側を伝って再びLEDモジュールに戻っていくのです」
また、スリムな本体は「Axis Glideモーション」という、滑車の原理と減摩軸受を用い、“指で触れるだけ”で高さや回転を調整できる仕組みを備えました「技術力やデザイン性の高さだけではなく、軽やかな操作性やトレンドに左右されない普遍性など、長寿命だからこそ多くのものが問われます。それらが全て備わっているのが『CSYS』なのです」
アームを兼ねたアルミニウム製のヒートシンクを通して熱を放散する「ヒートパイクテクノロジー」を導入。
建設用のクレーンやエレベーターにヒントを得たという「3 Axis Glideモーション」3つの滑車が支えるこの上下左右の動きはスムースそのもの。
タッチスイッチ式の調光システムも、一般的な照明器具とは一線を画しています。直近で使用した時の明るさの設定が記憶されています。
先端に搭載された8つのLEDモジュールからは約587ルーメン、また1㎡当たり587ルクスの照度が得られます。
SPEC
●LED電力:8.8W/12W
●色温度:2700K
●演色評価数:82(CRI)
●テクノロジー:ヒートパイプテクノロジー
●カラーバリエーション:シルバー、ブラック
●サイズ/重量:W(アームの長さ)527×H650×D(ベースの直径)177mm/4.4kg