来年、韓国の平昌で開催される冬季五輪。その出場権を、日本の男子カーリングチームが獲得した。男子カーリングの五輪出場は、地元で開催された1998年の長野五輪以来となる。
カーリングといえば日本では女子のほうが知られているが、そもそも女子のカーリングは長野五輪で初めて採用された競技だ。一方の男子は、初めて五輪種目として実施されたのは1924年のシャモニー五輪。それ以降は公開競技が3度(32年、88年、92年)開催されただけで、本格化したのはやはり長野五輪からである。
カーリング男子の世界選手権、日本代表のSC軽井沢クラブが1次リーグ通算5勝4敗で8位以内が確定し、来年の平昌オリンピック出場を決めました。日本男子の出場は開催国枠だった1998年長野大会以来20年ぶりとなります。 https://t.co/hISQ44KMK4 #カーリング pic.twitter.com/9YFm1LQjsx
— 日本オリンピック委員会(JOC) (@Japan_Olympic) April 6, 2017
「氷上のチェス」とも呼ばれるカーリング。男子はさらに豪快なテイクアウト(ストーンをハウスからはじき出すこと)などパワフルな点が魅力だ。今回の世界選手権に出場していたのはSC軽井沢クラブ。カーリングはこのようにチーム単位で大会に出場することで知られており、昨年の世界選手権での4位、そして今年も7位に入ったことから、2大会合計の上位が獲得できる五輪への出場権を手にした。
カナダで行われた今大会、特に見事だったのは世界ランキング3位のノルウェーを破った一戦だろう。4人が相手と交互に8つのストーンを投げ合い、最終的にハウスと呼ばれる同心円に近い位置にストーンを残したほうがポイントを獲得。これを10回(10エンド)行って優劣を競うわけだが、ポイントを獲得した側は次のエンド、不利な先行で投げるなど駆け引きの要素が多い競技だ。
このノルウェー戦、3エンド終了時点で0-4と大きなリードを許していた日本。しかし徐々に差を詰めると、迎えた8エンド(動画2:04~)、相手のミスに乗じて4つのストーンを中心近くに残すビッグエンドを作り出し、大量4ポイントをゲット!
チームのエース・両角友佑のラストショットは、投げたストーンも中心近くに残したいため簡単ではなかったが、鮮やかに決めてみせた。これで逆転した日本が、最終的に9-7のスコアで金星を手にしている。
五輪への出場は20年ぶりとなる日本。ただ、SC軽井沢は近年世界大会で安定した成績を残しており、プレッシャーのかかる今大会でもしっかり結果を残した。今回手にした自信と課題を胸に、残り1年入念な準備を行い、平昌でのメダル獲得を狙う。