折り紙やコピー用紙、チラシなどで簡単にできる紙飛行機。みなさんも一度は折ったことがあるのではないだろうか。一口に紙飛行機と言っても、折り方や形はさまざま。折ってはみたものの、なかなかうまく飛ばないという経験は誰しもあるだろう。
よく飛ぶ紙飛行機の折り方は忘れてしまった
小学生のころに、とてもよく飛ぶ紙飛行機が流行って、熱心に折っていたことがある。その紙飛行機は、機首のほうに重心があり、翼は狭め。スピードが出て遠くまで飛ぶタイプだったような気がする。
しかし、その折り方もすっかり忘れてしまった。たまにその辺にある紙で紙飛行機を折ってみることがあるが、まったく前に飛ばない。急降下して地面に激突してしまう。これが本物の飛行機だったら問題だ。
超基本「空中での引き折り」とは?
『やさしい紙ヒコーキ』(いいじまみのる・著/いかだ社・刊)は、1日1機、7日間でよく飛ぶ紙飛行機が作れるという本だ。これを読むと、まず紙の折り方が今までやっていた方法とは異なることに気付いた。折り方の超基本は「空中での引き折り」ということだ。
紙を机に置かずに手に持ち、空中で半分に折ります。
両角を正確に合わせて、折り始めとなる出発点を決めます。そこを前として、前から後ろに向けて指を引いて折り線を伸ばしていきます。机の上できっちり折った時より、わずかに丸みの残る「やさしい折り線」になっていませんか。中心線に丸みを残すことで、まっすぐに飛ぶヒコーキになるのです。(『やさしい紙ヒコーキ』より引用)
紙を折るときは、きっちり折り目をつけたほうがよいと思っていたので、たいていは机の上に紙を置き、しっかり折り目をつけるようにしていた。
しかし、そもそもそれが間違いだったのだ。あとは、左右のバランスなどを意識して正確に折ることも重要。微妙なバランスがよく飛ぶ紙飛行機には重要なのだ。
飛ばす際の持ち方にもコツが
持ち方にもコツがある。投げるときに紙飛行機がゆがまないようにするのがポイント。そのためには、親指と人差し指で持つのではなく、中指と人差し指の間に挟む。そうすると紙がゆがまず、まっすぐ飛ぶようになるとのこと。
また、翼の面積が広いほどゆっくりと飛ぶようになるが、方向安定性が悪くなる。風の影響の少ない屋内では翼を広めに、屋外では翼を狭めにするといいようだ。
手先が不器用すぎて風車すらうまく折れない
ということで、まずは空中での引き折りを試してみた。これが意外と難しい。そもそも、僕は手先が不器用だ。普通に紙を折ることすらままならないことも多い。
この折り方をマスターしないことには、よく飛ぶ紙飛行機までは遠い。本書では、最初は紙飛行機ではなく風車からスタート。まずは折り方をきちんと覚えようという感じだ。
7日間、1つずつこなしていけば、すばらしい紙飛行機が作れる。そう思って、最初の風車にチャレンジしたものの、なぜか途中の段階で写真どおりにならず……。どうにかこうにか風車はできたものの、なんとなく先行きが思いやられる。
ゴールデンウィーク。特に予定もないので、紙飛行機をマスターしてみようかな。
(文:三浦一紀)
【参考文献】
やさしい紙ヒコーキ
著者:いいじまみのる
出版社:いかだ社
1949年東京都生まれ。高校卒業後、運輸省に新設された航空保安大学校(当時は航空保安職員研修所)の航空通信科一期生として採用された。その後33年あまり全国の空港などに勤務(松本、羽田、成田、種子島、伊丹、東京ヘリポートで航空管制通信官、東京航空局では調査官、航空保安大の教官、中標津空港、南紀白浜空港で出張所長、広島空港では先任航空管制通信官)。53歳で退官し、かつての勤務地である中標津への移住を決意。森の中の木造施設「野鳥観察館」で自然観察を行いながら、静寂な空気に包まれてオリジナルの「ふしぎヒコーキ」づくりに没頭する毎日を送った。