アメリカからもたらされたBBQ文化は日本のアウトドア文化にも深く浸透しているが、日本ではもともとの焼肉文化とも融合し、アメリカのスタイルとはまた違う、独自の形態に変化をしている部分もある。そんな日本のBBQ市場に向け、世界No.1のシェアを誇るBBQメーカー「Weber(ウェーバー)」が、新たに開発したBBQグリル「キャンプQ」をリリース。これは日本のBBQ、アウトドアシーンにおける改めての黒船来航と言えるだろう。
「フタ」にこだわるBBQ哲学
野外で炭を使って肉を焼く。細部にこだわらなければ、これが一般的なBBQのイメージと言えるだろう。しかし、Weberの考えるBBQは異なる。その決定的な違いは「フタ」にある。
「If you’re looking,you ain’t cooking.=開けてしまったら、料理にならない」
これがWeberの哲学だという。
フタがグリル内の熱を対流させることで、食材の繊細な風味とジューシーさを保ったまま、焼きムラなく調理することが可能になる。また、対流した熱は分厚い肉の表面をしっとりと焼きつつ、中までしっかり熱を通すことができる。つまり、薄い肉をカリカリになるまで焼くような失敗とは無縁なのだ。同社の定番商品「チャコールグリル」はまさにこの哲学を体現したもの。
しかし、炭を扱うには火起こしはもちろん、炭の配置や温度調節など知識も必要だ。また、炭の後処理を億劫と感じる人もいるだろう。手間を少しでも省きたいのは誰しも同じ。そんなユーザーのニーズに応えつつ、同社の哲学を体現するグリルとして発表されたのが、今回紹介する「キャンプQ」だ。
「どこでもグリル」を実現する絶妙なサイズ感
高さ394mm、サイドテーブルを広げた横幅が1039mm、奥行419mmと、キャンプ用のテーブルにも置けるサイズ。コンセプトでもある「どこでもグリル」を実現した絶妙な大きさとなっている。また、鋳鉄アルミニウム製のボディは軽量ながら高い耐久性を確保。持ち運びにも適した構造となっている。
燃料は日本とアメリカとで共同開発した特別のガスを使用(別売り990円)。プロパンの比率が競合他社製品と比べて約5倍で、炭にも劣らないパワーを誇るという
煙が出にくいので自宅ベランダでもBBQが楽しめる
本製品の特徴の1つとして、煙が少ない点が挙げられる。これにより、使用シーンはキャンプなどの野外にとどまらず、自宅のベランダにまで及ぶ。
発表会では同社のマスターシェフ、Jamie Foy氏による試食メニューが実演調理され、また参加者による調理体験も行われた。
調理の基本はフタをして片面が焼き上がったら裏返し、再度フタをするだけ。実に簡単に、そして美味しく焼き上げることができた。これは失敗するほうが難しいかもしれない。大きな塊肉を調理できるので、それだけでも豪華だし、場が盛り上がること請け合いだ。
操作や後片付けも実に簡単
先ほども述べたとおり、炭を使ったBBQでは準備に時間がかかるし、火加減の調整にもコツがいる。その点、ガスを利用するキャンプQなら誰でも簡単に、手間なくBBQが楽しめるのだ。
もちろん、後片付けも簡単。使い終わった後の収納まで工夫が満載だ。
多くに人が1年のうちに最低1回くらいはBBQを楽しんでいることだろう。もしまだフタ付きのグリルでBBQをしたことがないのであれば、ぜひ一度試してWeber社の哲学をリアルに感じてもらいたい。本製品とは異なるが、炭を使用するタイプのフタ付きグリルなら比較的安価で手に入れることができるはずだ。
しかし、炭を扱うのを億劫と感じているのであれば、迷わずキャンプQをおすすめする。電気やガスなどを燃料とした同タイプのフタ付きグリルはほかにもあるが、コンパクトさと火力においてはこのキャンプQに軍配が上がるだろう。失敗しらずで豪華な野外料理ができるとなれば、ホストとしての株が上がるだろうし、参加メンバーみんなのSNSで「いいね!」が飛び交う写真が撮れるに違いない。