ライフスタイル
2017/5/26 16:00

【最も●●なSNS】1位:Instagram 2位:Snapchat 3位:Facebook ーーこれ何のランキングだと思いますか?

日常の一部を切り取って誰かとシェアすることで、自分がひとりではないことを実感できるSNS。いろんな人とつながることができる一方で、中毒性や、不安感が増すといったネガティブな面が指摘されることもありますよね。

 

最近でもイギリスの王立公衆衛生協会が、SNSが若者のメンタルヘルスに与える影響についてホームページ上で発表し、その意外な結果が英語圏で話題になっています。

 

Instagramのメンタルヘルスへの影響は最悪!?

現在、YouTube、Facebook、Snapchat、Instagram、TwitterといったSNSが世界中で利用されていますよね。まだまだFacebookの独走が続いている状態ですが、10~20代のユーザーの間ではFacebookよりInstagramのほうが好まれる傾向が強いです。

 

「実名登録が基本のFacebookは嫌」「仕事関係の人とつながりたくない」「Instagramの方がオシャレ」といった理由から、言葉よりもビジュアル重視のInstagramに若手ユーザーが流れている様子。ところが今回の調査結果によれば、シンプルに見えるInstagramが、若者のメンタルヘルスに最も深刻な影響を及ぼす可能性があるというのです!

 

イギリスの王立公衆衛生協会は、今年の2月中旬から5月初旬にかけ、英国の14歳から24歳の約1500名に対してYouTube、Facebook、Snapchat、Instagram、Twitterにまつわる14の項目について質問し、SNSがメンタルヘルスにどのような影響を及ぼしているかを調査を実施。

 

調査したのは、睡眠の質と量、いじめ、自分だけが取り残されているような孤独感、うつ、外見に対する劣等感、自己識別、コミュニティ構築、家族や友人との心の通い合い、自分以外の人と健康状態を理解し合うこと、専門家から適切な健康情報を得られること、といった項目。質問の回答を集計した結果、なんとInstagramがメンタルヘルスに最もネガティブな影響を与える傾向が高いSNSだということが明らかに。

 

今回の調査結果に対し、イギリスの王立公衆衛生協会チーフ・エグゼクティブであるShirley Cramer氏は、「ソーシャルメディアは、タバコやアルコールよりも中毒性があると言われていると同時に、若い世代の生活に深く根づいており、彼らのメンタルヘルスを語る際に無視できない問題となっている」と述べています。

 

ちなみに今回の調査対象となった5つのSNSで、若者のメンタルにマイナスの影響が見られたものをランキングしていくと、1位:Instagram、2位:Snapchat、3位:Facebook、4位:Twitter、5位:YouTubeとなりました。YouTubeが最も健全なSNSなんて、ちょっと意外な結果ですよね。

 

人気のInstagramはほかのSNSと何が違うのか

Instagramは、言ってみれば自分カタログであり、文章よりイメージが重視。ゆえに、投稿者は自分をいかによく見せるかのイメージ演出に躍起になる傾向があると推測されます。

 

投稿者は、限られた視覚情報の中で「いかに流行感度が高いか」「インスタ映えする写真が撮影できるか」「素晴らしい友人と充実した時間を送っているか」に苦心することもあるでしょう。

 

生活を充実させることよりも美しい写真を撮ることが目的化したり、元の画像をより美しく、時にはおもしろく加工したり、友人や有名人が投稿したとっておきの写真を見て劣等感や嫉妬心、対抗心を燃やしたり……。

 

その際に生じた小さな感情のささくれの積み重ねが、まだ未熟なティーンのメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼすことがあるようです。

 

長時間のSNS利用に警告文を出すべきではないか

SNSを通じて自分の外見に対する劣等感を膨らませるティーンは少なくないと思われますが、イギリスの王立公衆衛生協会では、SNSの運営会社などに対し、「加工された写真を投稿するときには、閲覧者にわかるようにすること」などを提案しています。

 

確かに、巧みな画像処理技術を用いてイメージアップをはかることは、フォロワー数の増加につながりますが、逆に閲覧者を圧倒し、自信を失わせてしまうこともあるのでしょう。

 

同協会は他にも「SNSを長時間使用しているときには、ポップアップ画面などで警告をすること」などを提言しています。ただ、ユーザー満足度を高めて広告収入を増やしたい運営会社にとっては悩ましい提案ですよね……。

 

今回の報道は、「Youtubeだけポジティブな要素が強かったみたいだけど、なぜだ?」「こんな調査で私たちをコントロールしようとしないで。好きなだけSNSをやればいいじゃない」「子どもだけじゃなくて親の影響もあるんじゃないかな。まずは、親自身が自分のスマホを置いてやめなさいと言わなきゃ」「法律でなんとかしよう」といったコメントで盛り上がっています。

 

イギリスの王立公衆衛生協会の調査は対象がイギリスの若者ですが、「他人事じゃない」と感じた方も多いのでは?

 

実際、日本の若手ロックバンド・キュウソネコカミは、「ファントムヴァイブレーション」という曲で、常にインターネット内でコミュニティを求めてスマホが日常生活を侵食していく様子を、まるで叫ぶように歌っており、Youtubeで535万回も再生されています。

 

イギリスの調査で見られた傾向は、若者に限らず、多くのインターネットユーザーに当てはまるものかもしれません。SNSは人脈を広げたり、セルフブランディングに一役買ってくれることもありますが、負の面にも目を向けて上手につきあっていきたいですね。