先日、勇気を出して美顔鍼に挑戦した。
私の周囲の美魔女さんたちは、ほうれい線などにコラーゲンやボトックスを注射して、シワを目立たなくさせている。そして「あなたもそろそろやりなさいよ」とアドバイスしてくる。しかし、私はお注射は怖い。体に何かを注入されるよりはまだハリを打たれるほうがいい、と向かったのだった。
こめかみでわかる
少しでも若返りたいと願う私を迎え入れた先生は、こめかみに触れるなり「左に歪みが出ていますね」と即断した。いつも左でばかり食べ物を噛んでいるでしょうと言うのだ。言われてみれば確かにそうかもしれないし、笑う時に僅かに口が左に動くのも自分の特徴である。こめかみに触るだけでそんなことがわかってしまうのかと驚いたが、顔は普段の習慣による歪みが現れるところなのだという。
美顔鍼というのは、髪の毛のように細いハリを顔の頬や額に20本以上打ち、そこに電気を流すという、なかなか勇気がいるものだ。
ただ、私は普段から腱鞘炎予防にハリを打っているので怖いのは電気だけ。それも流してしまえば顔がちょっとピクピクするかも、という程度で、なんてことはなかった。しかし左だけが強くピクピクする。先生が「左がコっているから強く反応が出ているのですよ」と説明してくれた。私は普段から顔の左側だけを使い、負担をかけていたらしい。
左と右の違い
左だけシワが深いことは私も前から気づいていた。薬局で売っている自分で貼ることができるシール鍼を以前試した時、右側のほうれい線は明らかに薄くなったのに、左側はあまり変化が見られなかった。それに左目のほうが目尻のシワも深い。左に窓がある環境にいて、日光により当たっていたのならまだ納得できるけれど、窓は常に右にあるので不思議だったのだが、そちら側だけ使っていたからだったのだ。
そして今回の美顔鍼でも私のほうれい線は右だけが薄くなった。先生が言うのは、何度か打つうちに左も良くなっていくだろうとのことだった。そのためにも右側の歯でものを噛むように気をつけてやってみてくださいと言う。そういえば美容外科でも注入するコラーゲンの量は左と右で違う場合があるという(量が多いほうがお値段が高いそうだ)。根が深そうな左側のシワと、私はしばらく付き合う必要がありそうだ。
肌トラブルを防ぐヨガ
ほうれい線を薄くしたい一心でハリに行った私だけど、見た目からして明らかに好転したのは、むしろ額のほうだった。頭皮まで入念にマッサージしていただいたおかげか、はっきりとピンと張っていて驚いた。私は目がとても疲れていて、そのせいで額もコり固まっていたらしい。普段デスクワークして目を使ってますねと先生は何でもお見通しなのだった。
ハリのおかげで肌がツヤツヤになり、顔色もワントーン明るくなった。このままキレイをキープしたいとヨガの本を見たら、ヨガでも、美容効果が期待できるポーズがあるという。『マンガでわかる悩み解決!満点ヨガ』(都あきこ・著/アットマーククリエイト・刊)によると、それは卵巣ホルモンの分泌を促すといわれている合せきのポーズと、小顔効果があるとされるライオンのポーズだ。
美容に良いポーズ
合せきのポーズは、まず床に座り、両足の裏をくっつけ、背筋を伸ばし、膝を床に近づける。そのまま両手を前に倒して伸びるというものだ(自分が痛くない程度に。無理すると逆効果らしい。心地良いと感じる長さも人それぞれ違うようだ)。このポーズでの歪みが調整されるという。
次いでライオンのポーズは、正座をし、やや前傾姿勢となり、足のつま先を床に立て、背筋を伸ばす。そして目線をできる限り上に向け、同時に口を大きく開け、舌を顎のほうへ思い切り長く伸ばす。これを1回5秒間、3回繰り返すといいらしい。やってみると、かなり顔の筋肉を使うので、確かに小顔になりそうだ。そしてこのポーズは顔の緊張も取れるらしい。
私はひとりで机に長時間向かうので、顔の表情も固まり、筋肉がコってしまうらしい。なので、気が向いた時にしばしばライオンのポーズで、顔のコりや緊張をほぐし、若さを保つよう努力していったほうが良いのかもしれない。世の女は、男性が見ていないところで、舌をべえーっと長く伸ばしてまで、必死に若さを保とうとしているのだから、本当に大変なのである。
(文・内藤みか)
【参考文献】
マンガでわかる悩み解決!満点ヨガ
著者:都あきこ
出版社:アットマーククリエイト
症状別なので簡単に始められる、マンガだからわかりやすく楽しいヨガの本。本書は中央公論新社発行『婦人公論』に連載された『悩み解決!満点ヨガ」に加筆し、カラーもつけて電子書籍として生まれ変わりました。
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