ペンタブで絵を描いたり、文字を書いたりしてもなんだか思い通りにならず、「やっぱり紙がいいな」とガッカリした経験はありませんか?
特に絵の書きやすさは紙の質に左右されがち。電子ペーパーでは、なかなかうまくいかないですよね。実はいま、そんな苦い経験を覆すかのように、技術がどんどん進化しています。
まるで本物の紙に書いているみたいな電子ペーパー端末が話題
開発中から話題を集めていたノルウェー発の電子ペーパー端末「reMarkable」が間もなく発売されるということで、大きな話題となっています。ノルウェーのスタートアップ企業reMarkable社が開発したものですが、その書きやすさや機能が着目され、様々な海外メディアが特集を組んでいるのです。
4年間とことん試行錯誤を重ねて発売に至ったreMarkableが普通のタブレット端末と異なるポイントは、まるで本物の紙に書いているような感覚。
専用スタイラス(ペン先)の反応速度が速く、ツルツルと滑らずにお気に入りのボールペンや鉛筆を用いたようにサラサラと書くことができるといいます。
さらに、バックライトがなく液晶がギラギラしていないので、長時間見ていても眼が疲れず、数日~数週間充電いらずという点も魅力です。
スタイラス1本で太さや濃さも自由に変えることができますが、ペン先の太さを変え、精巧な絵も自由自在に描くことも可能です。
プリオーダーの限定価格は479ドル(約5万3170円)と決して安くありませんが、8月発売分はすでに品切れ。現在は、秋発売分のオーダーを受け付けている状態なので、人気の高さがうかがえますね。
ただの電子ペーパーではなく紙にこだわる人がつくったもの
ちなみにreMarkable社のCEOであるMagnus Wanberg氏は、もともとは大量のノートや紙を持ち歩いていた紙派。
公式サイト上で「紙は、考えるための最適のツールだ。だれにも邪魔されることなく、制限なしに頭をフル稼働させることができる場所である」と述べており、大の紙好きだからこそ、アイディアやイメージを殴り書きしたり、保管することに最適化された場所をユーザーに提供したいという強い思いがにじんでいます。
電子ペーパーが普及すれば、社内会議で大量の会議資料を印刷する必要も、念のためファイリングして保管しておく必要もなくなりますし、アイディアやデザイン、イラストを書き留めるのも、営業先で顧客のリクエストをメモするのも、これ1台で済ませられるようになりますね。
待ち望まれたreMarkableがとうとう発売というニュースを受けて、海外ユーザーのリアクションは上々。
たとえば、「早く使ってみたいよ!」「欲しいけど、まだちょっと値段が高い」「プリオーダーしちゃった。楽しみだわ」「Sonyの電子ペーパーもいいよな~」と、実際に試す日を待ち望む声が多く集まっています。
6月5日には、競合となる日本のソニーも電子ペーパー端末を発売し話題になっていますが、オープン価格7万9800 円(税抜)と、reMarkableよりも高価。reMarkable社は、野心的に世界でもシェア拡大を狙う可能性が高いのですが、まだ日本での発売は未定です。
メモやスケッチをどんどんしたくなるような画期的なガジェットを店頭で試せる日が待ち遠しいですね。