“水で焼く”ことでヘルシーな調理ができるウォーターオーブン「ヘルシオ」は、健康志向のこだわり派を中心に広く支持されている、シャープの人気調理家電。その最新フラッグシップモデルとして、「ヘルシオ AX-XW400」が発表されました。ポイントは、「あぶり焼き」機能を新搭載したことと、AIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」で音声対話がさらに進化したことの2点。興味深い機能ですが、実際のところどれほどの完成度なのでしょうか? 発表会で実際に試してきました。
過熱水蒸気調理だからこそ実現できた新機能「あぶり焼き」
「外はこんがり、中はレア」といえばステーキでおなじみの調理法ですが、意外と素人には難しく、プロの技が光る調理法と言えます。その絶妙な焼き加減を家庭でも簡単に再現できるよう開発されたのが、本機に新たに搭載された「あぶり焼き」機能。業界初というこの機能は、過熱水蒸気で調理するヘルシオだからこそ実現できたそう。その点について、健康・環境システム事業本部 スモールアプライアンス事業部 田村友樹氏は「過熱水蒸気は、オーブンのように加熱した空気と比較すると、熱量は8倍。高火力で表面を焼くことができるので、まるでバーナーで焼きつけたような仕上がりになります」と語りました。
外はこんがり、中はレアの「プロの技」を家庭で楽しめる!
実際、本機はハイパワーの過熱水蒸気エンジンを搭載しており、庫内上段に置いた食材に過熱水蒸気を集中的に噴射して、食材の表面に短時間で香ばしい焦げ目をつけます。そのため、家庭では調理が難しかった、かつおのたたきやあぶりサーモン、ミディアム・レアステーキなども調理可能。表面はこんがり香ばしく、中はレアに自動で仕上げることができといいます。
説明を聞いただけでは半信半疑でしたが、会場でこのあぶり焼き機能で調理したステーキを試食したところ、正直驚きました。表面に焦げ目がしっかりついているのに中はレア。その仕上がりはまさにプロの手によるもので、フライパンで調理したステーキとは別物でした。
続いて、同様に調理されたかつおのたたきも試食。本場の高知県土佐市では、藁の火の高火力でかつおのたたきを作っているそうですが、ヘルシオも同じように外はパリッとした状態に焼くことができるとのこと。
試食してみたところ、中もちゃんとレアの状態になっており、塩でさっぱりと美味しくいただくことができました。かつおのたたきといえばスーパーで買うことしかできなかったのですが、ヘルシオがあればいつでも手軽にできたてが食べられそうです。
発表会では、味を客観的に分析するべく、株式会社 味香り戦略研究所 研究開発部の矢嶌希望氏が登壇。味覚センサーを使用して、あぶり焼き機能で調理したかつおのたたきとバーナーで調理したかつおのたたきとを比較してみたところ、香ばしさ、持続する香ばしさ、うまみ、うまみの余韻、苦味、苦味の余韻などの点において「ほぼ同じ」と実証されたそうです。
面倒な設定も音声で伝えられるからカンタン
本機は、インターネット経由で利用する人工知能”AIoT”クラウドサービス「COCORO KITCHEN」に対応。新たに音声対話で献立相談ができるようになりました。例えば「とんかつをあたためたい」と話しかければ、加熱水蒸気による「サックリあたため」機能が画面に表示されるなど、音声ですぐに目的のメニューにたどりつけるようになっています。
また、よく使う電子レンジ機能でも、面倒な時間合わせなどを手動で設定しなくてもよくなりました。「レンジ600W、3分20秒」などとヘルシオに向かって話せば、その通りに調理してくれるので、操作がとても簡単。しかも言葉もどんどん覚えるので、使えば使うほど機能がアップします。音声操作でボキャブラリーが増え、成長していくのはAIoTならではと言えるでしょう。
冷凍、冷蔵、常温の異なる温度帯の食材も一緒に調理、ついでに生卵も!
独自の過熱水蒸気による「まかせて調理」機能では、同時に調理する複数の食材の温度帯、分量、種類に関係なく最適に自動調理ができるようになりました。冷凍、冷蔵、常温の異なる温度帯の食材も一緒に調理できるので、調理時間を短縮できます。
また、電子レンジではタブーとされている生卵の加熱が一緒にできるのも、ヘルシオならでは。一度にさまざまな食材を調理できるので、家族に栄養たっぷりのおかずを作ることができそうです。
過熱水蒸気で、お惣菜や冷凍食品が美味しく再加熱できるのもうれしいですね。フラッグシップモデルということで手軽な価格とは言えませんが、「忙しいけれどヘルシーに、短時間でプロっぽく調理したい」というニーズを的確に捉えてカタチにした、共働き世帯にぴったりの製品と言えます。