一眼レフなどのレンズ交換式カメラの醍醐味は、使用レンズによって写真表現が大きく変わることだ。とはいえ、どんなレンズが最適かつ高性能なのかがカメラ本体に比べてわかりにくく、レンズ選びはなかなか難しい。もちろん、使用するカメラのマウントによって使えるレンズは限られるし、どんな種類(広角、望遠、マクロ、高倍率ズームなど)のレンズが必要かも、撮影する被写体や撮りたいイメージによって大きく変わってくる。
さらに、交換レンズにはカメラメーカー純正品だけでなく、レンズメーカーの製品も数多く存在している。そこで今回は、10万円以下のレンズに絞って、筆者が“優秀だけどお買い得”と感じている高コスパな10本をノミネート。特に優秀な5本については、実際に使用した感想をもとに順位付けした。今回は、いよいよ第1位のレンズを発表!
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【第1位】タムロン SP 90mm F2.8 Di マクロ VC USD
高い解像性能とボケの美しさで定評のあるSP90mmマクロ。その優れた光学性能を継承しつつ、手ブレ補正機構「VC」がシフトブレ対応に進化。花やポートレートなど、活用範囲も広い。
【機能・性能】シフトブレ対応の手ブレ補正を搭載
タムロンの高性能レンズ「SPシリーズ」の中望遠マクロレンズ。そのシャープでボケの美しい描写は、MFレンズの時代から定評があった。本製品では、特殊硝材LDレンズ1枚とXLDレンズ2枚を贅沢に使い、色収差を良好に補正。さらに、シフトブレにも対応可能になった手ブレ補正機構「VC」や超音波モーター「USD」も搭載された。加えて、eBANDとBBARの両コーティングを組み合わせ、反射防止性能も向上させている。特に手ブレ補正のシフトブレ対応は、マクロ撮影時に効果絶大。新SPシリーズの特徴である金属鏡筒の高い質感と滑らかな手触りも魅力的で、使い勝手のいい1本だ。
【実写】ボケ描写が美しく、質の高い描写力
マクロ域の撮影では、撮影面に対してカメラが平行に動いてしまう「シフトブレ」の影響を受ける。この種類のブレは、一般の手ブレ補正機構では対応しきれない(キヤノン EF 100mm F2.8L マクロ IS USMは対応)。それだけに、シフトブレを検知する加速度センサーを新搭載してシフトブレ対応になった本製品の存在意義は大きい。実際に撮影してみると、そのブレ防止効果と同時に、あらためて描写性能の優秀さも実感できる。ピントを合わせた部分のシャープ感、自然な印象のボケ部分など、光学性能が優秀な製品が多いマクロレンズのなかでも本製品の性能は光る。
(次回は、そのほかのノミネートレンズを紹介)