繊細な精密機器である腕時計は、日常シーンでも配慮が必要です。しかし、セルフケアをしようにもどこまで自分でやっていいのか分からない…という方も多いはず。そこで今回は、腕時計ユーザーならば誰でも経験する「時計のキズ」をピックアップ。大事な時計のためにも、間違ったケアをしないよう気をつけましょう。
自己流は絶対NG!
腕時計を長く使用していると避けて通れないのが、日常生活で付いてしまうキズ。「味わいのひとつ」だとしてキズを好む方も多いですが、修復できるのであればキレイに復元したいですよね。
例えばガラスのキズの修復に歯磨き粉を使ったセルフケアなども見かけますが、万が一失敗したときはガラスが曇るだけでなく、さらなるアクシデントを生む可能性も! 自己流ケアには注意が必要です。
【ガラスに小さなキズが付いてしまったら…】
ガラスのキズを修理する場合、サファイアクリスタルとアンティークモデルに多いプラ風防で対応も異なります。プラ風防の場合は、薄いキズであれば研磨でキズ落としが可能。しかしサファイアクリスタルの場合は研磨が不可能なので、ガラスごとの交換になります。
費用の目安としては、1万円前後(プラ風防研磨)~2万円前後(サファイアクリスタル交換)程度でしょう。
【知らないうちにケースにキズがついていた!】
ステンレススティール製のポリッシュタイプなら市販の研磨剤などを用いて丹念に磨けば、ある程度はキズを落とすことは可能。ですが磨き方が難しく、光沢にムラが出たりするので初心者は実践しないほうが無難でしょう。
またサテン仕上げの場合も、サンドペーパーなどを目に沿って丁寧にかければ、薄いキズなら修復可能。ただ、紋様を美しく仕上げるには熟練の技と勘を要するので、初心者には困難だと考えた方が良さそうです。ちなみに、研磨の費用目安は2万円前後。
キズ付きを未然に防ぎたいという方は、購入時にショップで相談してみましょう。同じステンレススティールでも316L鋼やチタンなど、キズの付きにくい耐傷性に優れた素材の時計をチョイスするという選択肢もあります。
手軽に安く修復したい!という気持ちは誰しもあると思いますが、研磨を専門的に学んだ方や熟練者以外の研磨作業は危険。プロへ依頼した方が安全かつ確実なので、キズが気になっている方は一度相談してみましょう。
取材・撮影協力/共栄産業
【URL】
共栄産業 http://www.kyoeico.com/