文房具
2017/8/29 11:00

「無限押印」に注意! シヤチハタ印がメタリックとモフモフで手放せないアイテムに

普段から、「これ役に立つよ」とか「新製品が便利になりました」とか、そんな紹介記事ばかり書いているんだけど、でも、文房具ってそんな話ばかりじゃナイだろう。「特に役に立たないけど格好いい」とか「機能はないけどかわいい」とか、見た目優先文房具だって、当然アリなのだ。当たり前すぎる話なので、こうやって文章にするのも恥ずかしいくらいだけど、でも自分の持ち物は格好良かったりかわいかったりするほうがいいに決まってる。

 

ところで、お馴染みのネーム印(いわゆる“シヤチハタ印”だ)といえば、1968年に朱肉不要の浸透式「シヤチハタネーム」が発売されて以降、特に現行製品の「ネーム9」は印鑑の歴史を変えるレベルの便利アイテムとして、現在まで売れ続けている。

 

だがあまりに売れすぎたため、ネーム印といえば、シヤチハタ印のあのカタチ、というのが定番化しすぎている。正直、みんな同じものを持っていてつまらない。せっかくなら、特に役には立たないけど格好いいネーム印、とか、機能はないけどかわいいネーム印、とか、そういうのを持ってもいいんじゃないだろうか。

 

スタイリッシュなアルミ製ネーム印に変身するのだ

スマホ用のカバーパーツやオーディオ機器などを作っているDeff(ディーフ)から発売されているのが、ネーム9専用のアルミジャケット「WIZ Stamp Jacket for Name9 -Pentagon-」。いつものネーム9の中身を移植して使う、着せ替え外装パーツだ。

↑Deff「WIZ Stamp Jacket for Name9 -Pentagon-」5色各2700円
↑Deff「WIZ Stamp Jacket for Name9 -Pentagon-」5色各2700円

 

いつも使っているネーム9のキャップを外し、軸からまっすぐ引っこ抜いた印パーツを挿し直すだけ。この着せ替え作業は、やり方さえ分かれば1分もかからない簡単なものである。

↑装着は、元のネーム9から引き抜いた印パーツを挿し込むだけ。
↑装着は、元のネーム9から引き抜いた印パーツを挿し込むだけ

 

アルミを五角柱に削り出したボディは表面がアルマイト処理されており、サラッとした手触りが心地いい。なにより手に持った時のズシッとした重量感は、「高級なモノを持ってる」という実感に直結している。

↑重量は約48g。いつものネーム9の3倍以上のズッシリとした重さが指にかかる。
↑重量は約48g。いつものネーム9の、3倍以上のズッシリとした重さが指にかかる

 

キャップはハメ込みではなく、ネオジム磁石を内蔵したワンタッチ着脱。五角形のすべての頂点に小さなネオジムが入っているので、確実にボディとキャップのカドが合ってズレることもない。キャップをボディに近付けると「チャキッ」という音とともにピタリとハマって、これまた気持ちいいのだ。

↑キャップとボディには各頂点に磁石が埋め込まれている。
↑キャップとボディには、各頂点に磁石が埋め込まれている

 

五角柱ということで、製品名の刻まれた面に近い頂点が上になるようにあらかじめ印面をセットしておくと、捺印時の上下もわかりやすい。ただ、この形状のおかげで机から転がり落ちにくいんじゃないか……と期待していたのだが、意外と転がってしまう。各面がうっすら膨らんでいるのに加えて重量があるため、勢いがつくとなかなか止まらない。

 

そのあたりはもう、デザインと質感優先ということで、良しとしておこう。間違いなく格好いいし。

 

手触りが柔らかいモフモフなネーム印

この「モフラ」は、シヤチハタから発売された純正の着せ替えパーツ。なんと表面をフロッキーコーティング(植毛塗装)してあるため、ネーム9がモフモフ・ふかふかとした“毛の生えたネーム印”に変身するのである。(差し替え方法は、Stamp Jacket for Name9と同様だ)

↑シヤチハタ『モフラ』6色各864円
↑シヤチハタ「モフラ」6色各864円

 

ネーム9のいつものプラスチッキーな手触り(プラスチックなんだから当たり前だが)とはまったく違う、ふかっ……としたフロッキーの感触が、なんとも面白い。あくまでもウワサだが、シヤチハタ社内ではこの手触りを「シルバニアファミリーの手触り」と呼んでいるとかいないとか。言われてみれば確かに、あのぬいぐるみ人形の感触に近い。

見た目も艶のある毛並みで、まさに「ネーム印のぬいぐるみ」といった感じだ。

↑全身ふかふかの毛並みで柔らかい手触り。
↑全身ふかふかの毛並みで、柔らかい手触り

 

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↑指当たりがいいので、つい意味もなく握ってしまう

 

カラーも、ネーム9と同じブラック以外にライトブラウン、ピンク、イエロー、グリーン、ブルーとかわいらしめの6色展開。さらに9月からはベージュやブルーグレーといった秋冬向けの渋色6色を追加するとのことで、モフッとした感触+自分好みの色でネーム印を作ることが可能となっている。

↑秋色っぽいカラーは大人にも使いやすい
↑秋色っぽいカラーは大人にも使いやすい

 

この毛足のおかげでちょっと便利なところもある。毛の抵抗で、見た目よりも転がりにくいのだ。五角柱のStamp Jacket for Name9よりも転がりにくいぐらいで、うっかり転がして机の下に落としてしまう、という面倒くさいトラブルは減るかもしれない。(ただし転がした分だけ、机の上の埃も拾ってしまうが……)

↑毛足の摩擦で転がりにくいというのもある意味メリット
↑毛足の摩擦で転がりにくいというのも、ある意味メリット

 

そう、難点としては、フロッキー全般がそうなのだが、汚れを吸い付けてしまうこと。オフィス机の引き出しに放り込んでおこうものなら、中の細かい埃がくっついて、なかなかつらいルックスになってしまう。汚れはエチケットブラシなどで取ることができるが、ちょっと面倒くさい。

 

もうひとつ、ネーム9は印面の上下が判断できるように「Shachihata」と入ったグレーのパーツが付いているが、モフラは全面に毛が生えているので分かりにくい。一応は手触りでわかるようにはなっているが、慣れないと素早く捺印するのは難しいと思う。

 

でも、個人的な感想としては、それぐらいは我慢してもいいと思う。手触りまでかわいいネーム印なんてほかに存在しない、というのは充分に選択の理由としてアリだ。