「週刊GetNavi」Vol.29-2
Vol.29-1で述べたように、現在、4K解像度に対応したブルーレイディスクの規格である「UHD Blu-ray」の規格策定が進められている。UHD BDもブルーレイであるから、使うディスクメディアはブルーレイディスクであることに違いはない。しかし、記録される映像がこれまでのブルーレイとは異なるため、ディスクそのものに互換性はない。UHD BD対応のプレーヤーではこれまでのブルーレイは再生できるものの、既存のブルーレイプレーヤーで、UHD BDを再生することはできない。
UHD BDは、これまでと同じ2層・50GBのディスクに加え、2層・66GB、3層・100GBのディクが用意される。既存のブルーレイは、記録型BDの場合3層・4層の「BDXL」という規格が用意されているのだが、映画やゲーム用のいわゆる「ROM」には、2層までのディスクしかなかった。UHD BDでは3層ディスクも用意されるため、ドライブ側も変わる必要があるわけだ。
UHD BDには、4Kだけでなく2Kの映像も収録できる。しかし、画質向上などを目的に、圧縮技術には新技術である「HEVC」が採用されること、ディスクからのデータ転送レートが上がることなどから、同じサイズと物理的性質の光ディスクを使いつつ、新しい別の規格のディスクになっている。
2層までを読み込むドライブに比べ、3層以上のディスクを読み込めるドライブの開発と製造はコストがかかる。日本にはブルーレイレコーダーのニーズがあるため、3層読み取りに対応したドライブが普及しているが、他国ではレコーダー用のディスクを読む必要がないため、3層ディスクが読めるドライブはほとんど普及していない。例えば、PlayStation 3やPlayStation 4のようなブルーレイドライブ搭載ゲーム機も、日本で売られているものであっても、3層ディスクのBDXLには非対応だ。
UHD BDプレーヤーが市場に出るということは、国外では普及していない3層対応BDドライブが普及していく、ということでもある。また、映像を伝送するために使うHDMIについても、4K・60pでの伝送に対応している「HDMI2.0」へのサポートが必要になる。そこでも、新たな技術への対応が必要だ。
そこまで高画質にこだわるということは、UHD BDプレーヤーは、まずハイエンドAVファン向けのものとして出てくるはず。一方、ゲーム機が小型化や低コスト化を目的に再設計されるなら、新しい技術を取り込み、UHD BDに対応する可能性があるだろう。
UHD BDは、4Kというデータ量面での変化に加え、「HDRの導入」という要素も重要なポイントになる。それがどういう意味を持つのか? その辺は次回Vol.29-3にて。
●「Vol.29-3」は4/7(火)ごろ更新予定です。
週刊GetNavi、バックナンバーはこちら!