覗けば深い女のトンネルとは? 第38回「BBQでは男の“女子力”が見られている」
夏ももうすぐ終わりですね。いまになって夏っぽいコトしたい病になり、海だなんだと騒いでいます。そのひとつにBBQが挙がりました。
BBQはだんぜん男女混合が楽しいです。なぜなら男性の“女子力”がわかるから!
前に「マッチョバスツアー」というおかしな企画に参加したことがあります。8人のマッチョ、つまり8マッチョが引率するバスツアーで、いちご狩りやBBQをして帰ってくるんです。移動は全部お姫様だっこでした。
キラキラ少女漫画脳の和久井は、普段まったくマッチョに興味がないんですが、彼らの女子力の高さにすっかり脳みそやられてしまいました。マッチョ最高!
彼らはBBQ会場では、せっせと肉を焼き、盛りつけてお皿を配ってくれました。最後は定番の焼きそば。これも手際よくちゃっちゃか作ってくれました。ついでに彼らの持つ筋肉増強のための知識はそのまま美容に転換できるので、美肌トークなんかも可能なんです。「気は優しくて力持ち」を体現しているマッチョたち。そのポテンシャルの高さにひたすら感動です。
ところで、BBQって、お外でご飯を食べる非日常感がいいですよね。
以前、キャンプに行ったときのことです。当時付き合っていた男性が、みんなでご飯を食べたあと、自分が使ったお皿をシンクに置いてそのまま放置してました。おいちょっと待て。自分で使ったものくらい自分で洗おうか! 家族でキャンプに行って、お父さんと子どもたちが手伝いもせず川遊びしていて、お母さんがブチキレたなんて話を耳にするけど、これか!
最近は、行って焼いて食べて帰るだけの便利BBQ場も多いですが、移動先で食事して帰るのだから、それなりに仕事がたくさんあります。もしこれらの作業を全部1人でやらされたら、非日常どころか「家のほうが楽だった」ってことになりそう。この彼とはそのままお別れしましたが、後悔はしてません。
こんなふうにキャンプやBBQで働かないのは論外だけど、その逆で大仰に「できる」アピールするのもちょっと面倒くさいかも。
点火だの焼き加減だのにものすごいウンチクをたれたりして「俺、物知りなんでーす!」みたいにされると、「そうですか、私よりもBBQのほうが好きそうですね」って気持ちになります。「かっこいいとこ見せたい」のは、相手に対する思いやりや気遣いではなく単なる自己主張なので、そこにキュンとする女子はあんまり多くないかと思われます。
人に対するアピールって、地味な方が効くんですよね。
ガンガン火種を投下して肉を焼いてその場をリードする人よりも、地味に野菜を切ったりお皿洗ったり、飲み物を持ってきてくれたりっていう、ささやかなサポートしてくれる人をいいなと思います。「ちゃんと食べてる?」なんて心配になるくらい仕事してる男性のことは、めちゃめちゃ気になります。
先日、男友達からBBQに誘われました。知り合いのいない会だったので「構ってね」と言ったら、ちゃんと隣に座ってアテンドしてくれました。お皿を出してタレを注いでくれ、肉を焼いて皿に乗っけてくれました。ハンカチを忘れたと言ったら手持ちのを貸してくれました。お姫様にでもなった気分です。BBQ食うお姫様。天国かってくらい楽しかったです。
また、BBQって、切って焼くだけの最上級にカンタンな料理ですが、料理の基礎能力は測れます。
そう、「作って食べる」日常がちょっぴり融合したBBQは、男性の気遣いや家事能力といった、いわゆる「女子力」をチェックするのに最適なんですよね。女子力高い男性はかっこいいです。「ハンカチも持ってないお前の女子力の低さはどうなんだ」って話ですが、まあいいか。
BBQで付け焼き刃のかっこつけは、すぐにボロが出ます。家事能力を上げるのが一番ですね。つまりひとり暮らしして、ご飯を作るのにどんな作業が必要なのかを頭にたたき込むことだと思うんです。
ちなみに、ドラマだったか原作コミックだったか、「きみはペット」(小川彌生)に「BBQで地味な作業をせっせとこなす女性は損な役回りだけど、実は評価が高い」というような話がありました。コミックでBBQシーンを探したのだけど見つからなかったので、ドラマだったのかな。「見てる人は見てる」「わかる人はわかる」って勇気が出ますよね。