セキュリティソフト大手のトレンドマイクロは、世界中で多発するランサムウェアへの防御機能を強化した「ウイルスバスター」の最新版を発売しました。同社のウイルスバスターシリーズは、コンピューターウイルスの検出や駆除、不正侵入を監視するなどのセキュリティソフトでトップシェアの一角をなす製品。今回のバージョンアップでは、先日も全世界で甚大な被害をもたらした「ランサムウェア」への対策強化や、モバイルへの対応、最近話題の「サポート詐欺」に対する機能を向上させて、約1年ぶりの刷新となります。
記憶に新しいランサムウェアの恐怖
ランサムウェアの知名度を世に知らしめたのが、今年の5月に世界規模で猛威を振るった「WannaCry(ワナクライ)」というウイルスです。この許すまじランサムウェアは世界的に被害が拡大し、約150か国、23万台以上のコンピューターが感染したといいます。
トレンドマイクロによると、2016年には全世界で約10億もの攻撃がランサムウェアによって行われているとして、防止策が急務とされています。
また、スマートフォンやスマートテレビもランサムウェアの攻撃対象になっており、特にスマホは年々被害が増加しています。その背景には、プログラムを少しだけ変更してウイルス検知を逃れる「亜種」と呼ばれるウイルスが横行していることが要因となっています。
「サポート詐欺」という脅威も身近に
また、最近では大手メーカーのサポートを騙るメールなどで詐欺サイトへ誘導したり、アカウントを乗っ取る「サポート詐欺」が猛威を振るっています。サポート詐欺は、メールに記載されたURLをクリックすると、メーカーの公式サイトにソックリなデザインの偽サイトが表示され、IDとパスワードが盗まれてしまう手口が用いられています。
新しいウイルスバスターはAIで脅威と戦う
今回発売された新しいウイルスバスターには「XGen(クロスジェネレーション)」と呼ばれるアプローチが採用され、AIによるウイルス検知を搭載しています。
これまでのウイルス検知は、パターンファイルと呼ばれる、ウイルスの特徴をデータ化したものと照らし合わせていましたが、XGenのAI技術ではウイルスのパターンを学習。そのうえで、怪しい動作をしそうなファイルをひとまずウイルスではないか? と判断することで多様化する亜種に対抗できる機能を備えています。
また、XGenでは「ネットワークからの不正侵入」「ウイルスの感染」「ファイルの保護」の3層構造で脅威からデバイスを保護します。
スマホ用ランサムウェア対策を搭載したウイルスバスターモバイル
同時に発売されたウイルスバスターモバイルの新バージョンでは、モバイル向けセキュリティソフトとしては初めて、ランサムウェア専用の対策機能を搭載。ランサムウェアを強制停止したり、端末のパスワードをリセットするなどの機能を備えました。さらに、詐欺サイトへアクセスをブロックするなど、脅威に対する防御力が強化されています。
LINEのチャットでサポートを受けられるサービスも
トレンドマイクロのユーザーサポートサービスとして提供されていた「デジタルライフサポート プレミアム」は、これまでの24時間サポートに加え、スマート家電もサポート対象に。さらに、LINEによる問い合わせやセキュリティ情報の配信の機能が追加されました。
パソコンの使用には、かなり以前からセキュリティソフトの必要性が問われてきましたが、モバイル機器やスマート家電の増加にあたって、攻撃者の標的も多様化しています。こうした被害をくいとめるには、ウイルスバスターのようなセキュリティ対策を講じておくことで、万全とはいかずともリスクを大幅に低減できることを周知することが重要ではないでしょうか。
【製品ラインナップ】※価格はすべて税込
●ウイルスバスター クラウド
1年版 5380円
2年版 9680円
3年版 1万2780円
●ウイルスバスター クラウド+デジタルライフサポートプレミアム
1年版 7980円
2年版 1万3800円
3年版 1万8500円
●ウイルスバスター モバイル
1年版 3063円
2年版 5630円
●ウイルスバスター モバイル+おまかせ!スマホお探しサポート
1年版 4093円
2年版 7180円