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2017/9/30 16:00

憧れの機械式腕時計を買う前に確認したい3つのポイント

一度は憧れる機械式腕時計。

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ボーナスが入った記念に、婚約や昇進などの人生の記念日に、いいものを1本買い求めたいと思っている人も多いはずだ。

 

最近はスマホがあるから腕時計なんていらない!という人もいる。しかし、よい腕時計を身につけることはモチベーションを高めてくれる効果がある。何より、男が身につけられる数少ないアクセサリーでもあるのだ。

 

クォーツ式と機械式の違い

さて、「そもそも機械式腕時計って何?」という人も多いはずだ。腕時計には大きく分けて、クォーツ式と機械式の2つがある。クォーツ式とは、いわゆる電池で動く腕時計のこと。

 

身の回りにある腕時計はもちろん、市販されている掛け時計や置時計もたいがいはクォーツ式だ。量産ができるので値段は安い。1~2万円台のファッションブランドの腕時計は、ほとんどがこれに当たる。

 

一方の機械式は、ぜんまいがほどける力で動く昔ながらの腕時計だ。こちらは職人の手作業が必要な場面が多く、量産が難しいので高価になってしまう。ロレックスなどの高級ブランドの腕時計はほとんどが機械式だ。

 

買う前に、ここをチェックしよう

機械式腕時計を購入する前に、気をつけておきたいポイントを紹介しよう。

 

1:ぜんまいを巻かないと止まる

機械式は、ぜんまいがほどけきってしまうと止まってしまう。常に身につけておけば、腕を振ることでぜんまいが巻き上がる自動巻きという機械式腕時計もある(ほとんどの機械式がこれだ)が、2日ほど身につけていないと止まってしまう。

 

一度止まると、もちろん時間を合わせなければいけないので面倒なのだ。

 

2:時間の正確さでクォーツ式に負ける

安いクォーツ式と、高価な機械式。時間が正確なのはどっちだろうか。

 

答えはクォーツ式だ。クォーツ式は1ヶ月に5秒ほどしか遅れないが、機械式は1日に5秒遅れてしまう。1分1秒、正確な時間を確認したいという人には不向きだ。

 

3:約4~5年に一度のオーバーホールが必要

クォーツ式は2年に一度は電池交換をする必要がある。一方の機械式は電池交換が不要だ。自動巻きであれば、毎日身につけていれば基本的に止まらない。

 

なんてエコなんだ! 機械式最高!!と思ったあなた。ちょっと待って欲しい。

 

機械式腕時計は4~5年に一度、オーバーホールが必要なのだ。時計のなかの歯車などを一度分解してクリーニングし、組み直す作業が必要になる。自動車で言う車検のようなものだ。メーカーによって料金は異なるが、5万円前後はかかる。買って終わりではないのだ。

 

どんなブランドを選べばいいの?

機械式はクォーツ式とはメカニズムがまったく別物で、似て非なるものだ。繊細な部品によってできているので、取り扱いも慎重にしなければいけない。それでも、機械式を所有してみたいと思った人におすすめなのは、セイコー5と、オリエントスターだ。ともに国産ブランドの機械式で、高級腕時計のコレクターも最初の1本として所有することが多い。セイコー5は1万円台で買えるし、オリエントスターは5万円あればかなり良いモデルが買える。

 

資金が30~50万円ほどあれば、海外ブランドの腕時計が射程圏内に入る。中古ならロレックスも購入できる。ロレックスのメリットは、防水性能に優れ、しかもタフな作りなので壊れにくい(さすがに落としたら壊れるが)。高級腕時計の1本目として、文句なしでおすすめできるブランドだ。

 

機械式は取扱いこそ大変だが、職人の手仕事によって作り上げられた逸品を所有する喜びは、何物にも替えがたいものだ。スマホが普及しても、機械式腕時計の愛好家が多い理由がそこにある。

 

腕時計を買いたいと思ったら

ネットでも腕時計は買えるが、時計店で現物を見て買い求めることをおすすめしたい。写真と現物では印象が異なるからだ。そして、時計店に行く前に“予習”ができる一冊が『保存版 腕時計パーフェクト入門』(WATCH NAVI編集部・編/学研プラス・刊)だ。国内外の代表的なブランドはほとんど紹介されているし、日頃のメンテナンスの仕方も詳しく載っている。これがあれば鬼に金棒だ。

 

一生の記念になる腕時計を、あなたも選んでみてはいかがだろうか。

 

(文:元城健)

 

【文献紹介】

20170929_suzuki_7

保存版 腕時計パーフェクト入門
編集:WATCH NAVI編集部
出版社:学研プラス

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