実りの秋ーー。コメをはじめさまざまな作物が収穫の時期を迎えており、来月にはワインのボジョレーヌーボーの解禁など、各種イベントも控えています。そのなかにあって、いまひそかに注目されている野菜があるのをご存知でしょうか。それはさつまいもです。今回はその盛り上がりを知らしめるイベントをレポートするとともに、人気の背景やさつまいものトリビアなどをお届けしたいと思います。
さつまいもを楽しみ尽くせる無料イベントに潜入!
イベントが開催された場所は六本木。じゃがいもだけでなくさつまいも商品を数多く発売するカルビーと、ポテトアップルパイなどさつまいもを専門とする「おいもやさんのお店らぽっぽ」や「らぽっぽファーム」を運営する白ハト食品工業がコラボした「おいしイモ!きれイモ!プロジェクト」の一貫です。
その名も「Oimo 美の収穫祭~さつまいもは女性のミカタ~」。2日間のみの開催でしたが、各日6回にわけて各回80名という希少性もあって大にぎわい。まずは、簡単にイベントの内容を紹介しましょう。
このほかにも、オリジナルのさつまいもスナックのプロデュースコーナーがあったり、さつまいもアイスのパフェづくり体験ができたり。なにより、入場はもちろんどのブースも無料というおトクさで、女性を熱狂の渦に!
ブームのきっかけは設備の進化にあった!
なかでも、筆者が感銘を受けたのが3種の焼きいも食べ比べコーナー。さつまいもには様々な品種があるのは知っていましたが、食べ比べてそれぞれの特徴を知ることができたのは大きな収穫でした。
食べ比べたのは、「いばらきゴールド」「霧島紅かぐら」「安納芋」。名前だけを挙げてもいまいちピンとこないと思いますので、各イモの特徴を解説しましょう。
いばらきゴールド/茨城県行方産
新品種ということで、話題沸騰中。さつまいも本来のうまみと甘味を味わえるうえ、しっとりとした食感が特徴です。
霧島紅かぐら/宮崎県都城産
甘さとしっとり度合いが抜群で、とろけるようななめらかな食感が魅力。また、コクのある味わいになっており、焼きいもに最適と言われています。
安納芋/鹿児島県種子島産
さつまいもブームの火付け役といえばこれ。糖度40度というブランド品種で、あふれ出す蜜の甘みとしっとりした食感はもはやスイーツです。
さらに取材を進めたところ、ブームの背景までもが明らかに。ひとつの要因は、2000年代前半に開発された遠赤外線利用(電気式)の「焼き芋オーブン」の誕生だそう。それまでの古典的な移動式の石焼いもに代わり、より手軽においしい焼きいもを提供できるようになったことが大きかったそうです。
また、設備の拡大を受けて大手スーパーの「マックスバリュ」が2003年に焼き芋オーブンによる販売をはじめたことで、さらなるチャネルの拡大に発展。やがて、その他のスーパーやコンビニへと普及し、近年の焼き芋専門店や焼きいもフェスなどにつながったそうです。
さらに、さつまいもは「食べるとおならがよく出る」として知られていますが、これはつまり整腸作用がいいということ。便秘の人にオススメということなのです。効能の秘密は、水溶性と不溶性の2つの食物繊維がバランスよく含まれており、さらには加熱すると食物繊維が約1.5倍に増加。そんなこともあって、焼きいもは便秘に最適なのです。
まさにいま、さつまいもはシーズンということもありますが、品種や効能に注目して食べてみるとよりおいしく感じられることでしょう。スーパーや近所で焼きいもを見つけたときには、どのさつまいもなのかチェックしてみてください!