ライフスタイル
2017/11/4 13:00

都心近郊で“京の町家”に住まう 低層和モダン建築の賃貸住宅 恋する「京和風」

都心からおよそ1時間。千葉県中央部に位置する市原市に、入居希望者が肝心の部屋を内覧する以前に、エントランスに近づいただけで“恋に落ちる”(住みたくなる)魔法のような賃貸住宅があります。愛らしくも麗しい、その名は「月うさぎ」。竣工時満室であるにもかかわらず問い合わせが続くほどの人気、その秘密は何なのか、実際に現地を訪ねてみました。

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京町家を思わせる“和モダン”の空間

その物件は、最寄り駅から徒歩圏内で幹線道路からほど近いにも関わらず、とても静かな佇まい。一見して驚くのは、“賃貸住宅”のイメージを覆すような、重厚な瓦屋根に塗り壁調の外塀、ゆったりとした中庭を囲む3棟の2階建て……軒を連ねる京町家か温泉旅館を連想させます。

商品はダイワハウスの【セジュールウィット京和風】、3棟の配置。この地域のシンボル的存在です
商品はダイワハウスの【セジュールウィット京和風】、3棟の配置。この地域のシンボル的存在です

 

敷地の周囲に巡らされた土塀。瓦や月形に抜いて竹格子をはめ込んだ小窓や季節を彩る植栽が、そのコンセプトを伝えています
敷地の周囲に巡らされた土塀。瓦や月形に抜いて竹格子をはめ込んだ小窓や季節を彩る植栽が、そのコンセプトを伝えています

 

純和風というより、和の意匠を多く取り入れながらも、全体的に現代的な感性でアレンジされたデザイン、いわば“和モダン”という表現がぴったり。

それを象徴するのが、星空をイメージした9連続のアルミフレームです。贅沢にスペースを取ったアプローチにトンネルのように連ねて配置。夜になればセンサーで照明が灯り、居住者をあたたかく出迎えます。

トンネルか藤棚を想起させるような、エントランスのアルミフレーム。その下にはベンチが置かれ、居住者専用の憩いの場となっています
トンネルか藤棚を想起させるような、エントランスのアルミフレーム。その下にはベンチが置かれ、居住者専用の憩いの場となっています

 

日が落ちると敷地全体がライトアップされ、中庭を中心に幻想的な雰囲気を醸し出します。白い壁と黒い瓦屋根、黒いアルミフレームの内で白く光り輝くライトなど、コントラストに着目した演出が粋
日が落ちると敷地全体がライトアップされ、中庭を中心に幻想的な雰囲気を醸し出します。白い壁と黒い瓦屋根、黒いアルミフレームの内で白く光り輝くライトなど、コントラストに着目した演出が粋

 

地域のシンボルになる良質なものを

敷地面積は500坪という広さにもかかわらず、2階建て3棟のみで、入居できるのはたったの20世帯です。そんな贅沢な物件が生まれた経緯を、管理会社である大和リビング 南関東支店 千葉南営業所の金田宏徹さんと今井直也さんに聞きました。

 

「このあたりは駅から近いこともあり、以前から区画整理で宅地化が進んでいました。気がつけば、畑はオーナー様の土地だけになっていたそうです。畑仕事も体力的に厳しくなり、ご子息に譲渡されるタイミングで賃貸住宅の経営を検討されていました」(金田さん)

 

「そこへ、ダイワハウスから【セジュールウィット京和風】という和モダンテイストの提案があり、ご子息は今までの賃貸住宅にはない趣あるデザインにひと目惚れ。『これから長く賃貸住宅を経営していくのだから、地域のシンボルになるくらい良質なものを』というお考えから選んでいただいたのです」(今井さん)

物件名は、ご子息の奥様によって「月うさぎ」と名付けられました。そのサイネージにも格子をあしらったり、居住棟のナンバーを“壱”“弐”“参”と示したり、随所に和テイストを盛り込んでいます
物件名は、ご子息の奥様によって「月うさぎ」と名付けられました。そのサイネージにも格子をあしらったり、居住棟のナンバーを“壱”“弐”“参”と示したり、随所に和テイストを盛り込んでいます

 

オーナーファミリーの思いを形に

建物の基本プランが「セジュールウィット京和風」に決まると、設計担当者はオーナーファミリーの意見・要望をヒアリング。それを元に、間取りや世帯数などの基本事項はもちろん、植栽ひとつに至るまで、きめ細やかな提案を心掛けたそう。またそれを受けて、オーナーのご子息からも具体的なオーダーが提示されました。黒い瓦と白い敷石のコントラストや石灯籠のやわらかな明かりなど、随所までこだわることで調和のとれた上質な和モダン空間が出来上がったのです。

各棟をつなぐ前庭に置かれた灯籠が、夜には幽玄の世界を作り出します。信楽焼で、一点一点デザインも異なるもの
各棟をつなぐ前庭に置かれた灯籠が、夜には幽玄の世界を作り出します。信楽焼で、一点一点デザインも異なるもの

 

中庭から歩を進め、各居住棟へ。植栽と石造りの通路による奥まった雰囲気は、京都の路地をイメージした作り
中庭から歩を進め、各居住棟へ。植栽と石造りの通路による奥まった雰囲気は、京都の路地をイメージした作り

 

すみずみまで行き届いたこだわりは、内装にも見て取れます。例えば、壁紙には本物の和紙を使用。ドアや間仕切りにも和テイストが巧みに織り込まれています。

 

さらに、リビングの壁面に多目的で使用できるデスクスペースをしつらえたり間接照明を配置したりと、使い勝手も充分に配慮されています。特にここには、ご子息の奥様の、女性としての意見が反映されており、生活しやすい空間が実現しているのです。

 

「賃貸住宅も本物が求められる時代なのだと感じさせられますね」と金田さん。

現代的なデザインで彩られた、和紙が貼られた壁が印象的。また、収納を効率良く配置することで空間を確保しています。間取り構成は3LDKが6世帯、2LDKが14世帯
現代的なデザインで彩られた、和紙が貼られた壁が印象的。また、収納を効率良く配置することで空間を確保しています。間取り構成は3LDKが6世帯、2LDKが14世帯

 

本物が選ばれる時代に長く愛される

細部まで作り込まれているだけに、間取りが類似した近隣物件に比べて家賃は少々高いものの、満室が続いています。それだけ、“恋に落ちる”(ここに住みたい!)方が多いというわけです。

 

「おかげ様で、ご入居者をお探しするのに苦労することはまったくありません。またお住まいになってからも、みなさん大変満足されているようです。この『月うさぎ』での暮らしを大切にされているようで、マナーも非常によく管理会社としても安心しています」(金田さん)

 

「オーナー様が設備のひとつひとつに至るまでされた配慮が、節度のあるご入居者を招いたのだと思います。ご自身も、私がここに住みたいくらいだとおっしゃっているほどですから。

 

竣工時には、『京和風のカタログを見たときから素敵だなと思っていたけれど、期待をはるかに上回る完成度に感動しました。大好きなものができました』というお言葉を頂戴しました。末長くいいお付き合いができる物件になったと、私たちも喜んでいるんですよ」(金田さん)

 

中途半端にはせずこだわり抜いたことによって、オーナーからも入居者からも高い顧客満足が得られる“成功事例”になったといえるのではないでしょうか。

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なんと駐車場も、そのコンセプトにブレがありません。建物の色調や雰囲気に合わせ、漆のような塗装が施されています

 

「月うさぎ」の名にふさわしく、昔話の世界を覗いたような懐かしさと温かさ、そこへ現代の暮らしで求められる機能性とクオリティを融合した上質な空間。それが、居住者の心を捉えて離さない理由なのでしょう。

 

【プロフィール】

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大和リビング 南関東支店 千葉南営業所 / 今井直也さん ・ 金田宏徹さん

 

同営業所で、賃貸住宅経営を検討するオーナーとの折衝やニーズに合った物件づくりの提案、管理運営のアドバイスを担当するふたり。「『月うさぎ』は、オーナー様やご入居者、そして私ども管理会社にとっても、誇らしく、賃貸住宅の新しいベンチマークとなる物件だと思います」と胸を張る。

 

【セジュールウィット京和風】

http://www.daiwahouse.co.jp/tochikatsu/d-room/products/wit_k/index.html

 

取材・文=n.プロジェクト 撮影=熊谷義久

 

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