うちの近所の某大型ショッピングセンターでは、よく抽選会をやっています。2週間ほどの期間で、1等・温泉旅行、2等・1万円分の商品券などなど、結構豪華だったりします。
抽選に参加するには補助券が必要なので、買い物のたびについつい集めてしまいます。
何度挑戦しても1等は簡単に出ない
満を持して補助券が3枚たまっていざ抽選! ガラガラを回しますが、結果はきまって末等。ポケットティッシュ1個。
1等なんて当たったためしがありません。というか、末等以外出たためしがないんですけど。本当に当たりが入っているのかと疑いたくなりますが、そういうときに限って、自分の後の人が当たりを引いていたりするのです。悔しい!
いつも思うのですが、こういったくじ引きって、どのタイミングで行けば大当たりが出やすいのでしょうか。初日に行けば、まだ1等が出ていない可能性が高いですよね。その一方で、残り物には福があるという言葉もあります。
実際のところ、当たる確率が高いのはいつなのでしょう。
時期によって確率は変わるのか?
『図解 確率がわかる本』(山本誠志・著/学研プラス・刊)には、こういった確率にまつわる話題がまとめられています。
くじ引きの件ですが、確率的な結論から言えば、いつ行っても当たる確率は同じです。つまり、最初に引こうが後に引こうが、結局は“運”によって左右されるというわけです。
ただ、筆者はこうも付け加えています。
最初からすべてのくじが入っているわけではなく、主催者側が、当たりくじの本数を日によって操作している可能性があります。
『図解 確率がわかる本』より引用
確かに、これはあり得る話です。だって、いきなり初日に1等が出てしまったら、残りの期間はお客さんの反応が微妙になるでしょう。わざわざ補助券を集めようという気持ちが失せてしまうかもしれません。
これでは抽選会をやる意味がありませんよね。
1等がどのタイミングで出るかが大事
「くじの箱の中に本当に1等が入っているのか?」ということを、お客さんが確かめる術はありません。
Youtuberのヒカルが実証したように、屋台のくじであれば1等がまったく入っていないというインチキをしている可能性はありそうですが、さすがに大型スーパーでは信用問題にかかわるので、当たりを入れないというズルはないでしょう。
とはいえ、筆者が指摘しているように、日によって1等を入れたり入れなかったりという操作をしている可能性はありそうです。本書ではそういった主催者の心理を分析し、こう解説されています。
イベント期間が2週間として、もしあなたが「1等のよい賞品を狙い撃ちにしたい」と考えるなら、少なくとも最初の1週間は、抽選しないほうがよいかもしれません。(中略)主催者としては、「よい賞品は後半戦まで引っ張りたい」というのが本音でしょう。
『図解 確率がわかる本』より引用
1等よりも、2~3等を狙いたいなら
別に1等の温泉旅行が当たっても行くのがめんどくさい、2等の商品券や3等のサラダ油詰め合わせセットのほうがいいという人もいるでしょう。そんな人にはこうアドバイスされています。
「そこそこの賞品を数多くもらったほうが嬉しい」というのであれば、できるだけ早い時期に抽選したほうがよいかもしれません。前半戦に景気よくたくさん当たりが出せれば、「あのデパートの抽選はよく当たる」という口コミ効果を狙うことができます。
『図解 確率がわかる本』より引用
繰り返しますが、くじの出方が操作されていない場合は、最初に引こうが後に引こうがくじが出る確率は平等です。しかし、世の中そううまくできていないもの。集客が目的のイベントには、主催者の思惑が絡んでいるものなのです。
くじ引きは数学的な確率以上に、主催者の気持ちを読み取る心理戦といえるかもしれませんね。
(文:元城健)
【文献紹介】
図解 確率がわかる本
著者:山本誠志
出版社:学研プラス
ギャンブルに限らず、我々の世界は偶然の数学「確率」に支配されている。本書は、具体的な事例にそいながら、期待値、順列組み合わせ、統計のウソなど、あらゆる話題を総解説。基礎から応用まで確率を学び、「偶然」に対処する方法を身につけよう!
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