ものづくりの楽しさを体験できる「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」が開催中!
突然ですが、みなさんはこの円のような物体、なんだかわかりますか?
コレを組み立てると、こうなって、こうなって……こうなる!
そう、実はコレ、私たちが普段身につけている“服”だったんです。こんな、ビックリするような服が一堂に会する展覧会「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」が、六本木の国立新美術館で開催されています。オープン前日の3/15(火)に開催されたプレス向け内覧会で、その様子をひと足はやくのぞいてきました。
↑エントランスでは、デザイナー三宅一生氏(77)の作品「フライング・ソーサー」(1994年)を模したモニュメントがお出迎え
開会式では、三宅氏に仏「レジオン・ドヌール勲章」をサプライズ授与!
当日開催された開会式には、三宅一生氏のほか、建築家の安藤忠雄氏らも出席しました。
↑写真左から、三宅デザイン事務所代表取締役社長の北村みどり氏、国立新美術館館長の青木保氏、三宅氏 、安藤氏、ジャック・ラング元仏文化大臣
ジャック・ラング元仏文化大臣はスピーチの終盤、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の句を引用。三宅氏の謙虚な姿勢と、文化・科学・産業・商業・創作活動などにおける「卓越した功績」を称え、レジオン・ドヌール勲章のコマンドゥール(勲三等)授与を発表しました。サプライズ受勲となった三宅氏は直後に、フランス語を交えながらスピーチ。「これ以上の喜びはない」と、喜びを語りました。
↑受勲後、スピーチする三宅氏(写真左)
100点を超えるISSEY MIYAKEのウェアと映像作品が一堂に!
“一枚の布”というコンセプトのもと、伝統の技と最先端の技術を応用した服づくりで多くのファンを持つファッションブランド「ISSEY MIYAKE」。今回の展覧会では、1970年以来、三宅氏が世に送り出してきたデザインを通じ、同氏の服作りの思想をたどることができます。
会場はA、B、Cの3室で構成され、初期~中期の仕事を振り返るセクションA/Bは、デザイナー吉岡徳仁氏が空間デザインを担当しています。
↑セクションAの様子。パリコレのランウェイに迷い込んだような不思議な感覚が味わえます
↑ルームBでは、80年代前半に展開した「ボディ」シリーズを展示
圧巻なのが、グラフィックデザイナー佐藤卓氏が空間デザインを手がけたセクションC。縫製後の衣服にひだ加工を施すことで機能性と美しさを兼ね備えた「プリーツ」や、和紙など素材を使い、これまでにない着心地と質感を生み出した「素材」など、三宅氏の現在に至る数々の試みを5つのテーマ別に展示しています。
セクションCには、小さなトルソーに服を着付けできるなど、体験型のコーナーも
↑フラットな素材から立体的な衣服が展開される「132 5. ISSEY MIYAKE」
↑「プリーツ」の作品群。近づいて見てみると、ひだの細かさに圧倒されます
また、ぜひチェックしたいのが今回初めて展示される「製品プリーツ」の制作過程。
横長の布をスタッフが機械に通すと……
ひだ加工が施され、今年1月に発表された新シリーズ「IKKO TANAKA ISSEY MIYAKE」の写楽の浮世絵が現れました。なお、プリーツマシーンの実演は、開館日の毎朝11~12時(金曜日は11~12時と18~19時の2回)に開催されます。
ISSEY MIYAKEの作品群を通して、子どもから大人までものづくりの楽しさに触れられるまたとない機会。ぜひ、会場に足を運んで、服づくりの現場に触れてみてくださいね。
↑出口付近では、吉岡徳仁がデザインしたISSEY MIYAKE WATCH最新作「O(オー)」など、ISSEY MIYAKEの商品も販売
MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事
- 会期:3/16(水)~6/13(月)
- 開館時間:10~18時(金曜日は~20時)
- 観覧料(一般):当日1300円、前売1100円
- 会場:国立新美術館