家電
調理家電
2017/11/16 19:00

「料理は修行中です」という人こそ使うべき! 時短電気鍋「クックフォーミー」の新作を使い倒してわかったこと

ティファールの電気圧力鍋「Cook4me Express(クックフォーミー エクスプレス)」が2017年10月に登場した。2015年6月発売の「Cook4me(クックフォーミー)」に続き第2世代目になる。Cook4meシリーズの大きな特徴は本体前面にディスプレイを内蔵しており、用意する食材や手順をディスプレイで確認しながら数多くの内蔵レシピを使って時短調理ができる点にある。

 

ここ数年、シャープの「ヘルシオ ホットクック」や象印マホービンの「煮込み自慢」、愛知ドビーの「バーミキュラ ライスポット」など、自動調理が可能な電気鍋が数多く登場しているが、これらに対してCook4meシリーズの強みはどこにあるのか。使い勝手はどうなのか。試してみることにした。

↑グループセブ ジャパンが2017年10月に発売したティファールの「Cook4me Express」
↑グループセブ ジャパンが2017年10月に発売したティファールの「Cook4me Express」

 

庫内容量が約6Lと大きく大家族でも安心して使える

まずはそのサイズ。幅38×奥行き35×高さ32.5cmで、重さは約6.5kgと、かなりのサイズと重量だ。丸みを帯びたフォルムとカラーリングはなかなかインパクトが強く、キッチンに置いたら目立つという印象を受ける。ただ、サイズが大きいだけに庫内容量も約6Lと大きく、6人ぶんのおかずまで作れるようになっている。

 

Cook4meシリーズの特徴は、圧力調理によって「時短調理」が可能な点と、用意する食材、調理手順を本体の画面で確認しながら調理を進められる点にある。内蔵レシピは150。そのうち、圧力調理が15分以内で終わる「時短レシピ」が136個も搭載されている。従来モデルは時短レシピが50個だったので、大幅に増えたことになる。

 

では、まずは圧力調理の定番である「豚肉の角煮」から作ってみることにしよう。前面の「OK」ボタンなどを押すと自動的に電源がオンになり、「材料」、「レシピ」、「マニュアル調理」、「お気に入り」というアイコンが並ぶ。

↑Cook4me Expressの操作部。画面の下に「OK」ボタンの付いたジョグダイヤルと「戻る」ボタンが配置されている
↑Cook4me Expressの操作部。画面の下に「OK」ボタンの付いたジョグダイヤルと「戻る」ボタンが配置されている

 

「レシピ」を選んで「OK」ボタンを押すと、「前菜」、「メインディッシュ」、「デザート」、「時短レシピ」という画面が出てくるので、「メインディッシュ」を選択し、ダイヤルを回して「豚肉の角煮」を選ぶ。すると作る量を2人分、4人分、6人分から選べるので選択し、準備時間、調理時間の目安が出たら確認して「OK」を押す。

↑「メインディッシュ」を選ぶと、対応するメニューが一覧表示される(左)、作る量(人数)を選択すると準備時間と調理時間の目安が表示される(右)
↑「メインディッシュ」を選ぶと、対応するメニューを一覧表示(左)。作る量(人数)を選択すると準備時間と調理時間の目安が表示される(右)

 

続いて、用意する食材が一覧表示される。これはもちろん先ほど選んだ分量によって変わってくるので、はかりや計量スプーンなどを使ってしっかりと準備しよう。「OK」を押したら「レシピを開始しますか?」と表示されるので、「はい」を選んだままにして「OK」を押して進む。

↑食材の一覧表示
↑食材の一覧表示

 

「豚肉の角煮」は工程がシンプルで簡単においしく仕上がった

豚肉の角煮の場合、ここで全部の材料を鍋に入れてフタをするように指示が出るので、その通りにして進めていく。そこからは放っておくだけで、約20分で調理が完了する。豚肉の角煮については、拍子抜けするほど簡単だ。

↑すべての食材を内鍋に入れ(左)、上部のフタを閉めて固定するよう指示がある(右)。あとは待つだけ
↑すべての食材を内鍋に入れ(左)、上部のフタを閉めて固定するよう指示がある(右)。指示に従ってあとは待つだけ

 

↑豚肉の角煮の食材を入れ(左)、20分経つと右の写真のように仕上がる
↑豚肉の角煮の食材を入れ(左)、20分経つと右の写真のように仕上がる

 

↑豚肉の角煮のできあがり
↑豚肉の角煮のできあがり

 

レシピによって調理の手順に注意しないと失敗する恐れあり

ただし、次に作った「メカジキのトマト煮込み」は失敗してしまった。これは熱した内鍋で玉ねぎやにんにくを炒め、メカジキに焼き色を付けてから煮込むという手順になっている。しかし表示されているレシピがシンプルな上に事前に手順も教えてくれないので、最初に何をしていいのかが分からないのだ。

 

筆者の場合、豚肉の角煮と同じように材料をすべて入れてしまったため、玉ねぎの甘さを引き出してにんにくの香りを引き立たせ、メカジキに焼き色を付けてから煮込む……といった本来の作り方ができなかった。できあがった料理はなかなかの味だったが、こういう勘違いによる失敗がないように「まずは内鍋を予熱してから野菜を炒めるので、何も入れずにおいてください」といったガイドが欲しいと感じた。材料を入れればいいのか、入れてはダメなのか。入れたあとはフタをすればいいのか、してはダメなのか。慣れると分かってくるのだが、そのあたりに最初は戸惑いを感じた。

↑最初からぐつぐつと煮込まれてしまった
↑「野菜を炒めてメカジキに焼き色を付ける」という本来の手順が踏めず、材料をすべて入れてしまったため、最初からぐつぐつと煮込まれてしまった

 

↑最終的に仕上がった「メカジキのトマト煮込み」。どうなることかと思ったものの、思いのほかおいしく仕上がった
↑最終的に仕上がった「メカジキのトマト煮込み」。どうなることかと思ったものの、思いのほかおいしく仕上がった

 

ツメの甘さはあるが、「万能さ」を活かして幅広いレシピが調理可能

メカジキのトマト煮込みではちょっと失敗したものの、それ以降はおおむねうまく作ることができた。

↑クラムチャウダーはバターとベーコン、野菜を炒めて小麦粉を振りかけてから、あさりや水を入れてかき混ぜる。材料に「温めた牛乳」とあったのだが、なぜか電子レンジで温めた牛乳を入れて混ぜればできあがりというスタイルだったのが不思議に感じた
↑クラムチャウダーはバターとベーコン、野菜を炒めて小麦粉を振りかけてから、あさりや水を入れてかき混ぜる。最後に温めた牛乳を入れて混ぜればできあがり

 

↑できあがったクラムチャウダー
↑できあがったクラムチャウダー

 

↑鯛めしは塩焼きした鯛の切り身と、洗ってから30分吸水させてからザルに上げたお米、水に浸けた昆布などを準備しておく(左)。右は完成した鯛めし
↑鯛めしは塩焼きした鯛の切り身と、洗ってから30分吸水させてからザルに上げたお米、水に浸けた昆布などを準備しておく(左)。右は完成した鯛めし

 

↑なかなかおいしく仕上がった
↑なかなかおいしく仕上がった

 

Cook4me Expressの特徴の1つとして「万能さ」が挙げられる。「圧力調理」、「蒸す」、「炒める」、「煮込む」という4つの調理法を組み合わせることができるのだ。そのためにレシピの幅も広いのだが、「放っておけないレシピ」というのも数多くあるように感じた。「放っておけない」というのは、食材をセットしたら途中の工程で調理がストップし、ユーザーが作業をしてからでないと次に進まないケースのこと。

 

例えばチャーシューの場合、かたまり肉を煮込むため、ある程度煮込んだらひっくり返して煮込まなければならない。そのため調理が一時ストップしてアラームのような音で呼び出されるのだが、キッチンにいないと気付かずに無駄な時間を過ごしてしまう。キッチンにいさえすれば問題ないのだが、「調理中に何か別の仕事をしたい」という人はせわしないので注意したい。その点、最初に準備時間と調理時間の目安が表示されるのはいいが、できれば簡単でいいので、全体的な調理の工程を確認できればいいと感じた。

↑チャーシュー(煮豚)に挑戦。豚肩ロースと豚バラ肉を使って作った
↑チャーシュー(煮豚)に挑戦。豚肩ロースと豚バラ肉を使って作った

 

↑チャーシュー(煮豚)は煮汁が少ないので、片方を煮込んだらひっくり返すという工程が途中に入る
↑チャーシュー(煮豚)は煮汁が少ないので、片方を煮込んだらひっくり返すという工程が途中に入る

 

↑完成したチャーシュー。煮汁に漬け込んでおくとさらにおいしくなる
↑完成したチャーシュー。煮汁に漬け込んでおくとさらにおいしくなる

 

また、食材を用意する際、例えば「ミートボールのトマト煮込み」の場合はミートボールの材料、ソースの材料、仕上げ用の材料といったように表示が分かれていたが、レシピによってはそれが分かれていない場合もあった。「1の工程で一緒に入れるもの」、「2の工程で一緒に入れるもの」というのが事前に分からないと、バットや計量カップなどを余計に用意しなければならない。レシピ自体はよくできていたので、若干の詰めの甘さが気になるところだ。

↑こちらは「ミートボールのトマト煮込み」。かなりおいしく仕上がった
↑こちらは「ミートボールのトマト煮込み」。かなりおいしく仕上がった

 

おいしい料理が時短で作れて料理が覚えらえるのも魅力

Cook4me Expressはマニュアル調理機能も搭載しているものの、料理の工程を経験則で覚えてしまっている人向け、というよりは、レシピを見ながら作れるため、「これから料理を覚えたい」という人に向いているように感じた。調理工程の表示にやや不親切な部分はあるが、慣れればすぐに問題なくなるだろう。本機は「食材をセットすれば放っておくだけ」というものではなく、キッチンから離れずに使うイメージではあるが、圧力調理で時短が可能なのはなかなかの魅力。作った料理はどれも非常においしかったので、料理を覚えたいという人には本当にオススメだ。