G-SHOCKは「落としても壊れない腕時計」として1983年に発売されました。耐衝撃性能+20気圧防水というスペックで腕時計の常識を変えた“革命児”も、2018年で誕生35周年。この大きな節目を記念して行われるグローバルイベント「SHOCK THE WORLD」の第1回、ニューヨークでの「G-SHOCK 35th Anniversary World Premier in NY SHOCK THE WORLD」を、現地取材してきました。前編はコチラ
記者発表会ではもう一つのサプライズ”G”が登場
18時半からの記者発表を前に、徐々に人が増えてきます。当日のマディソンスクエアガーデンに入場できるのは、世界中のディストリビューターやリテーラー、メディア関係者、招待を受けた一般ユーザーに限定。イベントの最後には、A$AP FERGO + A$AP MOBのライブパフォーマンスも控えています。
記者発表のMCは、Casio America inc.副社長、David Johnson。彼に呼び込まれて、日本本社社長、樫尾和宏氏をはじめ、カシオがサポートしているプロスノーボーダーのLouie Vito、時計愛好家のMatthew HranekとAdam Craniotes、KITH創立者のRonnie Fiegら、様々な人が登壇します。
そんな中、筆者が注目したのは、やはりG-SHOCKの生みの親である伊部菊雄氏。
アメリカへの感謝とG-SHOCK35周年の歩みを、明瞭な英語でユーモアも交えながら会場の人々へ伝えていきます。そして、スピーチの終盤に差し掛かると、いよいよ話題は展示されていなかったG-SHOCKに。
「私は、1983年にG-SHOCKを作り、1996年にフルメタル化を実現しました。この前は、時計の素材として究極の価値を持つゴールドをケースとバンドの素材にしたG-SHOCKも作ることができました。
ゴールドでできたG-SHOCKは、35年目の開発に向けて私に重要なヒントをくれたのです。それは、『最も壊れやすい素材でG-SHOCKは作れるのか』ということ。最も壊れやすい素材といえば、ガラス……。
そして完成したのが、このサファイアガラス製G-SHOCKです!」
この発声と共に伊部氏が高々と上げた左腕には、透明なルビー色に輝くG-SHOCK!
実は、筆者は夏頃に35周年に向けて秘策を考えていると、本人から直接聞いていたんです。ですが、その時は「早くても来年になるだろう」とかわされてしまい……。
まさかNYイベントに間に合わせてくるとは思わなかったので、鳥肌が立つほどの大興奮!!
そんな重大発表後には、これからリリースされる新作についての説明や、NHL選手による伝説のテレビCMの再現が行われて記者発表は終了。
ライブパフォーマンス用の会場設営のため、一度、ロビーへと戻ります。
待機時間のロビーは世代も国境も越えた人たちで大混雑
イベント開始までの待機時間ですでに大混雑。すでに収集がつかない熱気を感じます。
待機時間の私の目当ては、もちろん先ほどは展示されていなかったサファイアガラス製G-SHOCK。
金はレアメタルで、サファイアガラスは人工物。素材としては、金の方が希少価値は高いのですが、サファイアガラスはビッカース硬度でダイヤモンドに次ぐ硬さがあるため、加工には尋常じゃない手間がかかります。
このG-SHOCKは「フルガード構造」という新開発の構造で作られていて、ひとつ作るために外装だけで1か月以上を要するとか。スイスブランドが作ったら数百万はくだらないサファイアガラスケースの時計。G-SHOCKだといくらになるのか、現段階では想像もつきません。
さて、SHOCK THE WORLD ワールドプレミアの最後を飾るのは人気ラッパー&ヒップホップ集団のA$AP FERGO + A$AP MOB。
筆者はあまり詳しくないジャンルですが、本場の盛り上がりに圧倒されっぱなし。あっという間に大盛況のイベントは終了を迎えたのでありました。
G-SHOCKの世界レベルの人気を再認識
世界各地の人々が「G-SHOCK」の名の下にマディソンスクエアガーデンへと集結した一夜を過ごしながら思ったのは、「Sushi、Fujisan、Kawaii、Mangaなど、世界で通用する日本語は色々あるけれど、G-SHOCKも同じだな」ということ。これから世界各地で開催されるSHOCK THE WORLDで、G-SHOCKの名前はもっと広く、深く、浸透していくことでしょうね。
ちなみに、今回のニューヨーク出張中は、カシオのカメラG’z EYEを使ってみました(超広角の写真です)。街中で撮影していると、「何これ!?」と聞かれることもしばしば。「G-SHOCKのカメラだよ」と返すと、それだけで多くのことを理解してもらえたのも、さきほどの感想の一要因になっています。そのレポートはまたどこかで。