学生の街で35年以上営業を続ける老舗!
今回は、学生街で長年営業を続ける立ち食いそば店を紹介します。新宿区・早稲田にある「はせ川」です。
早稲田大学の正門から早大通りを鶴巻町方向に歩いて2分ほどの場所にあるこの店は、エンジ色の看板が目印。立ち食いそば店でエンジの看板は珍しい気がしますが、よく考えるとこの色、早稲田カラーなんですね。
でも、大学生は立ち食いそばをよく食べるのだろうか? 僕が学生だった遠い昔を振り返ると、立ち食いそばって「オヤジメシ」のイメージで、ほとんど食べてなかったなあ。なのに、いまではそんなオヤジメシ(立ち食いそば)が大好きになり、機会を見つけてはいそいそと食べ歩いてる。自分で自説を実証してしまってるよ!……と感慨に浸りながら入店。
店内には、ほぼL字型(奥がちょっとだけ「コの字」になりかけてる)カウンターがあって、14~15人くらいは立てるかな。いまも完全立ち食い制&現金払いスタイルを守る、昭和44年開業の老舗です。カウンターと壁との距離が広めで、立ち食いでもゆったり食べられます。
しょう油を下味にしたあじ天が口の中でとろける!
今回は、あるとついつい頼んでしまう大好物の「あじ天そば」(400円)を注文しました。つゆは甘さが立ちつつ、しょうゆの辛さとうまみもしっかり利いた力強い甘辛つゆ。だしに宗田節やさば節を使っているそうです。そばはゆで麺で、やや黒めで柔らかい食感なのですが、こういうそばと甘辛つゆの相性は抜群ですね。ねぎがたっぷりのせられているのも、うれしいサービスです。
注目のあじ天は、下味にしょうがが使われているようで、そのほのかな風味が口の中に広がり、あじのうまみをより引き立てています。揚げ置きながら、コロモがつゆをしっかり吸って、あじも食べると口の中で身がホロホロと崩れるのが、うま~い!
ちなみに、この店ではあじ天そばを注文すると小皿がひとつ付いてきます。実はこれ、残したあじの尻尾を置くためのもの。確かに、食べているそばの丼のなかにいつまでも残っている尻尾って何気に邪魔なんですが、そのためだけに小皿を出してくれる心遣いがうれしいじゃないですか。
客層は、40~50代のオジサンを中心にかなり幅広いようです。この日は学生と思しき若者も訪れていました。そばがやや多めなのは食べ盛りの学生への配慮か。そばのメニューも豊富で、刻みのりがたっぷりかかった「花巻そば」(410円)や、納豆とわかめ、揚げ玉が入ってボリューム満点の「いなかそば」(500円)も店の名物です。
店主や若旦那の接客が物腰柔らかなのも好印象。立ち食いそばというとせわしなく食事するイメージですが、「はせ川」は短い食事時間のなかでもホッとひと息つける、そんな雰囲気を醸し出しています。昔ながらの味はもちろん、この癒される空気も、「はせ川」の魅力ですね。
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