これから3月にかけての年度末は、年始の挨拶回りから決算&予算業務まで何かと忙しい時期。バタバタしていて、うっかり終電を逃してしまうこともあるのでは? タクシーで帰るのはお金もかかるし、何より少しでも睡眠時間をとりたい! そんなときに利用したいのが、いま急速に進化を遂げている「カプセルホテル」です。
女性でも安心して、快適に利用できるようになった進化系カプセルホテルの魅力を探るべく、その先駆けとも言える「ファーストキャビン」の執行役員であり経営戦略本部長の和久田朝子さんにお話を聞きました。
実用性とホスピタリティを兼備
「以前は、低価格帯の宿泊施設というと、ビジネスホテルに代表されるバジェットホテルか、従来型のカプセルホテルやネットカフェしかありませんでした。そこで、ちょうどその間の位置付けとなる、低価格でいて実用性もホスピタリティも兼ね備えた唯一無二のカプセルホテルをつくろうと、2008年にスタートしたんです」(ファーストキャビン・和久田朝子さん 以下同)
そして、2009年に第1号店となる「ファーストキャビン御堂筋難波」がオープン。その後、2016年までは1年に1~2施設程度のペースで増え続けていたところ、2017年では一気に拡大し、なんと1年間で9施設がオープンしたとか。その大ヒットの理由のひとつとして、今までカプセルホテルを敬遠しがちだった女性客の利用が増加したことが挙げられるといいます。
「『ファーストキャビン』は、飛行機のファーストクラスをイメージした“コンパクト&ラグジュアリー”がコンセプト。高級感やホスピタリティに加えて、男女でエリアが分かれている安心感もあり、女性のお客様にも多数ご利用いただいております」
客室は主に「ファーストクラス」(4.4㎡)と「ビジネスクラス」(2.5㎡)の2タイプがあり、いずれもベッドのほかにテレビや鍵付き収納、ヘッドフォン、館内着、歯ブラシ、タオルなどがセットになっています。もちろんコンセントやWi-Fiも完備。ファーストクラスにはサイドテーブルもあります。
さらに、友達やカップルで利用可能な「プレミアムクラス」(約20㎡)や、天井高を抑えてより一層リーズナブルな価格設定がなされた「プレミアムエコノミークラス」(2.5㎡)を用意した施設もあるとのこと。シーンや予算に合わせて選べるのも、うれしいポイントです。
また、手足を伸ばしてゆったりとくつろげる大浴場も人気の理由。シャワー室もあるので、体調により大浴場が入りにくいときや、手早く入浴を済ませたいときにも便利です。パウダールームには、メイク落としや洗顔料、化粧水のほか、綿棒からコットン、ドライヤー、アイロンまでが揃っているので、手ぶらで宿泊してもまったく問題なし。
「特に週末は、女性のお客様のご利用が増えます。グループでのご旅行も目立ちますね。女性同士とはいえ、同室だと電気を点けたりトイレを使ったりするのに気を遣うこともあるので、プライバシーが守られた個室を求められるお客様が多いのだと思います。
また、宿泊以外には、2時間からのショートステイでも多数ご利用いただいております。営業のアポイントの合間にご利用になって、汗を流してから仮眠をとられたり、お仕事のあとに大浴場でリフレッシュされてから、化粧直しをして、お食事に出かけられたり。ご利用の目的はさまざまですね。
これからもカプセルホテルは進化していくはずですし、進化していかなければならないと思っています。そのターゲットとして、女性のお客様はとても大切です。ただ安いだけでなく、女性に喜んでいただけるホスピタリティがなくては」
リーズナブルに宿泊場所を確保できるだけではなく、スキマ時間の有効活用にも最適なカプセルホテル。「ファーストキャビン」では、2018年春に女性客メインの新施設が京都嵐山にオープンするほか、海外展開も予定しているとのことです。
ファーストキャビン京橋
住所:東京都中央区京橋2-7-8
電話:03-5159-4126
一泊4400円~、デイユース1600円~
https://first-cabin.jp
続いて、そのほかにも注目したい、進化系カプセルホテルをご紹介しましょう。
個性際立つ進化系カプセルホテルいろいろ
まずは、女性オンリーのカプセルホテル「秋葉原ベイホテル」。ピンクと白を基調とした内装がかわいらしくて、館内に入った途端にテンションが上がります。客室は、2ユニットが上下に配置されたコンパクトで清潔なユニットルーム。幅1m×高さ1m×奥行き2mのスペースはほどよい“囲まれ感”があり、リラックスして過ごせます。
食事やパソコンを使うときにはラウンジで。ゆったりしたソファに座って、くつろいで作業できます。もちろん、シャワールームやパウダールームも申し分なし。基礎化粧品やドライヤーなどが揃うほか、スタッフ厳選のアイテムから3種選べるアメニティーバイキングプランや美容マスクがセットになったプランがあるのも、女性だけのホテルならでは。
秋葉原ベイホテル
住所:東京都千代田区神田練塀町44-4
電話:03-5256-0015
一泊3800円~
https://www.bay-hotel.jp/akihabara/
次にご紹介するのは、全室にデスク付きのプライベートスペースを備えた「グローバルキャビン水道橋」。男女でフロアが分かれており、女性専用フロアには、リストバンドキーでしか行き来できない仕組みとなっているので安心です。
ナノケアのドライヤーや一流コスメブランドのシャンプー、基礎化粧品などのアメニティもさることながら、もっとも注目したいのは、インターネット予約の女性限定朝食無料プラン。館内2階にあるレストランでは、“野菜で元気に”をコンセプトに「チョップドサラダ」をメインとした、健康と美を意識した料理をいただけます。
グローバルキャビン水道橋
住所:東京都文京区後楽1-2-2
電話:03-3816-5489
一泊4980円~
https://www.hotespa.net/hotels/gc_suidobashi/
そして最後は、サウナと睡眠に特化した「ドシー恵比寿」。既存のカプセルホテルをリノベーションし、2017年12月にオープンした施設ですが、都心にあって、宿泊だけでなく仮眠やサウナのみの利用もOKな点で、注目度が高まっています。サウナでは本場フィンランドにならった独自のサウナ体験が可能。熱したサウナストーンにミント水をかけてじんわりと蒸気浴を楽しむロウリュは、爽快なリフレッシュ感が得られます。
サウナ+カプセルホテルというと男性向けのイメージが強いですが、男女でフロアが分かれているので、女性も心置きなくサウナを堪能できます。さらには、柔らかく吸水性の高いロングパイルタオルや、ここだけで復刻しているTAMANOHADAのシャンプー類など、アメニティにもこだわりが。2018年春には五反田に2号店のオープンを予定しています。
ドシー恵比寿
住所:渋谷区恵比寿1-8-1
電話:03-3449-5255
一泊4900円~、仮眠1500円~、サウナ1000円~
https://do-c.jp
ホスピタリティ最高の客室でリラックスしたい、女性オンリーの空間で気兼ねなく過ごしたい、健康と美を意識した朝食で体の中からきれいになりたい、サウナですっきりとリフレッシュしたい。それでいて、リーズナブルじゃなきゃだめ。
そんな欲張りな女性のニーズに応えるべく、カプセルホテルは今後もさらなる進化を遂げそうです。
取材・文=吉田 桂
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