パナソニックはLEDシーリングライトの新製品「AIR PAMEL LED THE SOUND」の発売を発表しました。こちらはBluetooth対応のスピーカーを搭載しており、スマートフォンの音楽やテレビの音を天井から再生できるといいます。発表に先立って行われた本機のセミナーでは、さまざまな利用シーンが紹介されたほか、新機能の性能を体験するコーナーも設けられ、いち早くその性能を体験することができました。以下で詳しく見ていきましょう。
スマホでコントロールできる照明に、スピーカー機能をプラス
「AIR PAMEL LED THE SOUND」は、2017年9月に発売した「AIR PAMEL LED 角型タイプ」の形をベースに、高音質のスピーカーを搭載した製品です。創業100周年を記念した製品群、「Creative! セレクション」に新たに加わるモデルであり、同社LEDシーリングライト「AIR PAMEL LED」シリーズのフラッグシップモデルという位置づけでもあります。
パナソニックでは、「LINK STYLE LED」という照明器具のシリーズを2017年2月から発売しています。「あかリモ」と呼ばれるスマートフォンアプリを操作することで、複数の照明器具の一括操作や、個々の照明器具のカスタマイズが可能なため、非常に好評を得てるとのこと。今回のモデルはそんなスマートフォンで照明をコントロールできる機能に、さらにスピーカー機能をプラスしたというわけです。
「AIR PAMEL LED THE SOUND」には8畳用と12畳用があり、それぞれテレビやラジオと接続するためのワイヤレス送信機を同梱したものと、同梱しないものを用意しています。発売日は2018年2月21日。実売予想価格(すべて税抜)はワイヤレス送信機付きタイプの12畳用が7万5000円前後、8畳用が6万5000円前後、ワイヤレス送信機なしタイプの12畳用が7万円前後、8畳用が6万円前後となっています。また、同時に一緒に使えるアッパーライトが1万3000円前後で発売されます。
単なる明かりからユーザーのライフスタイルの提案へ
商品の詳細説明に先立って、パナソニック アプライアンス社の中島賢二氏が挨拶し、これまでのパナソニックにおける照明器具の進化の歴史や、「AIR PAMEL LED THE SOUND」の開発背景について説明しました。
中島氏によれば、パナソニックの照明器具の歴史は、昭和11年(1936年)のナショナル電球株式会社設立まで遡ります。家庭用照明器具第1号機が昭和27年(1952年)に生産がスタートしてから、今年で66年になるそうです。「より明るく、色鮮やかに」を目指した蛍光灯時代を経て、省エネ、長寿命を追求するLEDの時代に移行。2011年には家庭用LEDのシーリングライトを発売しました。現在はさらなる省エネ化に加え、空間演出へと進化を続けているそうです。
また、いまやスマートフォンで音楽を聴くことは当たり前になりました。中島氏も「スマートフォンの普及で音楽を聞く機会が非常に増えていると思う。何かをしながら聞くというシーンが目立っています。光と音は感性に訴える要素をもっている。これらを組み合わせることで、現代にマッチした生活スタイルを提案できると考えています」と開発の背景を説明。「これからの照明器具の役割は、ただ『明るい、省エネ』だけでなく、間接照明などの明かりの演出機能から、お客様のライフスタイル提案へ進化していきたいです」と意気込みを語りました。
高音質スピーカー搭載のほか、簡単な取り付けなど4つのメリットを持つ
製品の詳しい機能は、パナソニック エコソリューションズ社の居相(いあい)徹氏が解説。本機は「天井に馴染むようにコンパクト化しつつ、かつ音質、特に低域の強化にこだわった製品」とし、具体的には、①高音質のBluetoothスピーカーを搭載 ②空間になじみやすいスクエアフォルム ③「あかリモ」アプリに対応していることで、スマートフォンで操作可能 ④一般のシーリングライトと同様、工事なしで簡単に取付ができる--という4つの特徴があると解説してくれました。
注目すべきは、やはり音と光でしょう。搭載するスピーカーは空間全体に音が広がりやすい構造で、部屋のどこで聞いても同じように聞こえるといいます。居相氏は本機が「ソファに腰掛けてリラックスしたポジション、1.2mくらいの耳の高さでもっとも音が広がるようになっています」と説明。つまり、部屋のどこにいても、座ってさえいれば、臨場感のある音が楽しめるというわけですね。
点灯させる場所と6つの明かりが選べる
照明機能は、センター光と両サイドの導光パネルの組み合わせ。センターのみ、または片側の導光パネルのみ点灯と切り替えることで、多彩な光の演出が可能になっています。
「たとえば映画鑑賞をするときは、テレビ側のパネルのみを点灯することで、テレビの画面の見やすさ、映画館のような臨場感を両立することができます。また、センター光だけにすると、キャンプファイヤーを囲むような中心感が部屋に生まれるため、家族団らんに向いています」と、その使い方の例を紹介。同時に発売されるアッパーライトを組み合わせれば、より陰影のあるくつろぎ空間が演出できるそうです。
また、先述した本機を操作できる「あかリモ」アプリとは、同社の「LINK STYLE LED」シリーズで使える無料アプリ。個別の器具の点灯/消灯、調光調色といった操作はもちろんのこと、6つの明かりのシーンをボタン1つで、複数の器具を一括で切り替えられます。タイマー機能もあり、好きなシーンを好きな時間に点灯/消灯することができます。
なお、付属のリモコンは、番号だけが書いてあり、一般的な照明器具とはだいぶ見た目が異なります。1つのリモコンで最大15台まで操作でき、アプリで設定した6つのシーンをダイレクトに切り替え可能。スマートフォンのアプリを起動しなくても、ボタンを押すだけですぐに照明を変えられるメリットがあります。
天井から降り注ぎ、部屋全体を包み込むような音が快感!
実際にステージで展開されたデモを見て、体験コーナーで体験してみたところ、スッキリとしたデザインと、降り注ぐサウンドが心地いいライトだと思いました。
導光板を使って光を乱反射させることで、全方向へと広げている点が好印象。光が天井にも当たるため、落ちついた雰囲気が演出できます。また、壁や天井が明るいと、人は部屋全体を明るく感じるとのことで、その効果も十分に感じることができました。全体だけでなく片側だけ点灯させるなど、明かりで空間の雰囲気を演出できるのも便利です。
個人的にはすでにスピーカー搭載のLED電球を愛用しているので、天井から音が降り注ぐ快感は知っていますが、本機のスピーカーはさらに臨場感もあり、音の広がりがよく、部屋全体を包み込むようです。これならスピーカーの置き場所に悩まないだけでなく、どの位置からでも同じように楽しめるでしょう。
取り付け、取り外しがワンタッチで非常に簡単だったのもうれしい点。取り付けに特別な工具は不要なので、女性でも簡単に導入できるでしょう。現段階ではスマートスピーカーに対応していないそうですが、技術的には可能とのこと。いずれ、音声で簡単に操作ができたら便利ですね。その点も含めて、楽しみが広がりそうな製品です。