私は日本酒が好きなので、お猪口や、ぐい呑みをいくつか集めています。骨董品店やフリーマーケットで気に入ったものをみつけて、買いあさってしまうこともしばしば。そんなとき、近所のスーパーで見つけた陶芸教室の貼り紙が気になってしまいました。
そうだ、自分で作った器を使ってお酒を飲んだら、どんなにおいしいだろう! 妄想がどんどん膨らんできます。
初心者でもチャレンジできる陶芸
とはいえ、私は生まれつき不器用ですから、陶芸なんて一回もやったことがありません。私でもチャレンジできるのでしょうか。少し不安な気持ちで手にしたのが、陶芸の入門書『基礎からわかる はじめての陶芸』(学研パブリッシング・編/学研プラス・刊)です。
本書には、誰でもマスターできる陶芸のいろはやテクニックが満載です。“ぐい呑み”の作り方ももちろん載っています。なにやら、初心者でも気軽に作れるそうなので、最初の一作におすすめの器のようです。
ロクロなしでもできる、手びねりのススメ
陶芸はぐるぐる回るロクロという器械に粘土をのせて、作るイメージがあります。テレビの旅番組で芸能人が回すのに失敗して、いびつな器を作っている、あれです。なんだか扱うのが難しそう。
けれども、ご安心あれ! ロクロなしでも作品は作れるのです。
その手法が“手びねり”という技法です。指先や手のひらを使って粘土の形を整えるため、形は少しいびつになるかもしれませんが、それはむしろ“味”というもの。ぎこちなさがあふれる器も手作りの陶芸ならではの魅力といえるでしょう。
玉作りをマスターしてから成型へ!
手びねりの器づくりは、まず、粘土を玉形に丸める作業からはじまります。これを“玉作り”といいます。粘土を両手でキャッチボールをするように丸めて、きれいな球形に丸めていくのですが、なんだか子どものころの粘土遊びのようで、楽しくなります。
続いて、玉作りを終えた粘土を器状に成型します。このときのポイントは、厚みをなるべく均一にすること。そして、指の腹やなめし皮などを使って、丁寧に縁をならしていきます。器の縁は舌が触れる部分なので、なめらかに仕上げたいですね。
最後に高台をきれいに削って、完成です。なんだ、意外に簡単にできそうです!
自分が気に入る器を作ろう
本書を読んで、苦手かもと感じていた陶芸が身近に感じられました。無理にきれいに作ろうとしなくてもいいのです。そして、他人が見て美しいと思う器より、自分がいかに気に入る器を作るかが重要といえます。そんな器なら愛着もわきますし、使って楽しめるのではないでしょうか。
私が求めているのはもちろん、晩酌がおいしくなる器です。極上の一杯のために、さっそく陶芸教室の門をたたいてみることにします!
【著書紹介】
基礎からわかる はじめての陶芸
著者:学研パブリッシング(編)
出版社:学研プラス
手びねりやロクロでの成形から、釉薬の使い方や絵付け、焼成まで、陶芸のイロハを豊富な写真やイラストで解説した入門書。初心者が陥りやすい失敗例や上手な解決方法といったノウハウの他に、窯元や釉薬など役立つデータも満載する。陶芸ビギナー必携の一冊。
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