今、レンズ交換式のデジタルカメラは、フィルムカメラと同様の機構を利用したデジタル一眼レフと、ミラーをなくした小型のミラーレス一眼の2種類が存在する。
僕は、メインはニコンのD750というデジタル一眼レフを、ミラーレス一眼は、オリンパスのOM-D E-M10 Mark IIを使っている。
僕なりのデジタル一眼レフとミラーレス一眼の使い分け
僕なりの使い分けは、インタビューカットやポートレート、ちゃんとしたブツ撮りなど、ストロボを多用する撮影にはD750を、街歩きや食レポなどのロケ、家で手軽にブツ撮りをするときにはE-M10 Mark IIをという感じになっている。
本音で言えば、D750ですべて撮影できればいいのだが、歩き回ってササッと撮影したい場合は、小型軽量のカメラのほうが都合がいいので、2つのシステムを使い分けている。
2つのシステムを使うということは、機材を揃えるのにもお金がたくさんかかってしまうので、できれば一本化したいところ。お金がいっぱいあれば、両方のシステムを充実させたいところだが、なかなかそうもいかないのが歯がゆい。
風景写真家による両者の使い分けポイント
『CAPA 2018年2月号』の第1特集は「一眼レフvs.ミラーレス大決戦!!」というもの。両方を使っている僕としてはかなり興味深い。
特集は、さまざまなジャンルの写真家が、デジタル一眼レフとミラーレス一眼をどのくらいの割合で使い分けているのかを掲載している。
風景では両方を使い分けている写真家が多く、モータースポーツ系はデジタル一眼レフが多いという印象。ドキュメンタリーの分野では、100%デジタル一眼レフという写真家と、100%ミラーレス一眼という写真家がいるのが興味深い。
デジタル一眼レフとミラーレス一眼を同じくらい使っている風景写真家の相原正明氏は、ミラーレス一眼のメリットについてこう語っている。
オーストラリアの砂漠での撮影は、その色の変化をどう捉えるかが勝負。だから、その場で色がファインダーを見ながら確認撮影できるミラーレスが断然有利。刻々と変化する色に合わせて、WB、彩度、シャドー、ハイライトを調整していき、クォリティーの高いJPEGデータを作り上げることができる。
『CAPA 2018年2月号』より引用
EVF(液晶ビューファインダー)は、光学ファインダーと違い、撮影後のイメージがそのまま表示される。いわば、仕上がりの状態が撮影前に確認できるので、微調整をして追い込む撮影に向いているということだ。
一方、デジタル一眼レフのメリットについては以下のように語っている。
かたや一眼レフは色こそファインダー内で見ることは不可能だが、光学式ファインダーにより、夕暮れから夜間では、画面の四隅がとても見やすい。(中略)また動物などの動体に関しては、その視認性は、ミラーレスのEVFよりも2枚も3枚も上手だ。
『CAPA 2018年2月号』より引用
そのほか、ミラーレス一眼は完全に無音で撮影できる点もメリットに挙げている。
そして答えはひとつになる
画質に関しては、現在のデジタルカメラは総じて高画質なので、あまり問題ではない。一番のポイントは、両者のメリット・デメリットを把握して、状況に応じて使い分けることができるかということなのだ。
僕にもいろいろこだわりがあって、やはり光学ファインダーが好きなので、メインはデジタル一眼レフを使い続けることは間違いない。
ただし、ミラーレス一眼の機動力はとても有用であることも実感しているので、やはり二刀流で使い分けていくことになるだろう。
もし、デジタル一眼レフとミラーレス一眼、どちらを選ぼうか悩んでいるのなら、『CAPA 2018年2月号』の特集を一読してほしい。
プロの使い方、使い分けを参考にすることで、自分の撮影スタイルにどちらが合っているかがわかるかもしれない。
そして、ひとつの答えにたどり着くだろう。
「両方欲しい」と。
【著書紹介】
CAPA 2018年2月号
著者:CAPA編集部(編)
出版社:学研プラス
【巻頭特集1】今、最注目のテーマを徹底検証「一眼レフvsミラーレス 大決戦!!」
【特集2】スナップ写真で紡いでいく、街と人と自分の写真物語 人と街を撮るスナップ写真
【特集3】月の光で情緒豊かな風景を撮ろう! 月の風景を撮る・月光の演出で撮る