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2018/1/24 19:30

2018年は電子決済がブームになる! ドコモが新サービス「d払い」をスタート

アプリやECサイトでの購入代金を、月々の携帯電話料金と一緒に支払えるケータイ払いサービス。ドコモは「dケータイ払い+」という名称で提供していますが、4月からバーコード/QRコードを利用した新たな支払い方法「d払い」が始まります。

↑発表会で「d払い」についてプレゼンテーションしたNTTドコモ スマートライフビジネス本部 執行役員 プラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏(右)とローソン 執行役員 マーケティング本部長 野辺一也氏(左)。ローソンはd払いに今夏以降対応予定
↑発表会で「d払い」についてプレゼンテーションしたNTTドコモ スマートライフビジネス本部 執行役員 プラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏(右)とローソン執行役員 マーケティング本部長 野辺一也氏(左)。ローソンはd払いに今夏以降対応予定

 

ドコモは、iモードケータイの時代である1999年に、iモードのコンテンツ料金をケータイ料金と一緒に支払える電話料金合算払いを開始しました。2005年には、iD、DCMX(現dカード)といったおサイフケータイを活用した決済サービスも開始。現在、電話料金合算払いは月間で1500万人が利用、dカードと合わせた取扱高規模は、2000年度の300億円から2016度には2.6兆円まで拡大し、iモード提供から19年で90倍にまで大きくなっています。

↑ドコモのキャッシュレス決済サービスは順調に拡大してきた
↑ドコモのキャッシュレス決済サービスは順調に拡大してきた

 

電話料金合算払いは、スマホのアプリ内課金など、ネットのデジタルコンテンツを中心に拡大しました。2005年には「ドコモケータイ払い」でネットショッピングでの支払いにも対応。2015年12月にはdポイントが貯まって使える現在のdケータイ払い+となり、2016年度の取扱高はiモード全盛期のピークを上回る4000億円にも上っているそうです。

 

↑電話料金合算払いは4000億円の取扱高に
↑電話料金合算払いは4000億円の取扱高に

 

こうしたサービスでドコモはキャッシュレス化を進めてきているわけですが、日本のキャッシュレス決済は2割に満たない状態で、海外の半分程度の水準に留まっています。中国では「Alipay」「Wechat Pay」などのバーコード決済が最近になって急速に普及し、韓国、中国ではキャッシュレス決済が5割を超えているのにです。ただ、日本でもインバウンドの増加で、バーコード決済を導入する店舗は急拡大しています。

 

今回、ドコモが始める新決済サービスは、電話料金合算払いとバーコードを組み合わせたスマホ決済サービスで、すでに電話料金合算払いを利用しているユーザーや、クレジットカードの登録や利用に抵抗を感じる人を対象にしたもの。d払いという新名称は、dポイントやドコモが他社とコラボしてサービスを展開する「+d」とケータイ払いを組み合わせています。お店で支払い方法を指定するときにも分かりやすいですね。

↑新しい決済サービスの名称は「d払い」
↑新しい決済サービスの名称は「d払い」

 

d払いの特徴は「かんたん」「べんり」「おトク」の3つ。店頭ではアプリを起動し、バーコードを見せるだけ。代金はケータイ料金と一緒に支払われることになります。さらに、dポイントが貯まるほか、持っているdポイントを利用して買い物もできます。利用にあたって、ドコモのスマホユーザーなら申し込みは不要です。また、ドコモユーザー以外でもクレジットカードを登録するなどしてd払いを利用することができます。

↑d払いはとにかく簡単なのが特徴
↑d払いはとにかく簡単なのが特徴

 

支払う方法は、コンビニなどのPOSレジの場合、お金を支払う際にユーザーがスマホで「d払いアプリ」を起動し、店員がバーコードスキャナでその画面のバーコード/QRコードを読み取るだけ。バーコード/QRコードは支払いの都度、異なるものが表示されます。

↑POSレジの場合。ユーザーがスマホで「d払いアプリ」を起動し、店員がバーコードスキャナでその画面のバーコードを読み取る
↑POSレジの場合。ユーザーがスマホで「d払いアプリ」を起動し、店員がバーコードスキャナでその画面のバーコードを読み取る

 

リクルートが提供している「モバイル決済 for AirREGI」などを導入している店舗の場合は、タブレットのカメラでアプリ画面のQRコードを読み取ります。

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↑POSレジのない店舗でも対応したタブレットなどを使って読み取りが可能

 

サービス開始当初、d払いが使える店舗は以下の10社。もちろん、順次拡大予定です。身近なお店でもd払いを利用できるように、加盟店拡大を進めていくとのことでした。なお、ネットで提供しているdケータイ払い+の名称もd払いに変わり、ドコモの電話料金合算払いはすべてd払いとなります。d払いで支払える上限金額は、dケータイ払い+と同様、1万円から最大10万円まで設定できます。子どもは最大1万円まで。もちろん、使わせない設定にもできます。

↑この10社から対応。対応店舗は順次拡大予定
↑この10社から対応。対応店舗は順次拡大予定

 

d払いは、電話料金合算払いを利用している1500万ユーザーが利用する可能性があるので、ドコモの前田氏は「この新決済方法を店舗が導入することで顧客獲得につながる」とアピール。iPadなど市販のタブレットでも利用できるので、「FeliCaのリーダー/ライターを導入するよりも簡単で安価にできる」(前田氏)というメリットもあります。

 

また、ローソンの野辺氏は、「非現金決済は、明らかにレジの通過スピードが違う。非現金で買い物をしてもらうことは、ローソンにとってお客さんの数が増えたり、購買喚起につながったりというメリットがある。また、日々、小銭を紙幣に変えて口座に入れるという業務がコンビニオーナーの負担になっている。24時間営業なので、現金が多いと防犯上のリスクも高い。非現金率を高めることはコンビニにとって大きな意味がある」と期待を寄せました。

 

バーコード決済というと、中国などでは露天のお店や個人間送金でも使われています。d払いでの具体的な対応予定は示されませんでしたが、「中小のお店とともにニーズはあると思うので、検討してはいる。キャッシュレス化推進の中で検討を進めていきたい」と前田氏は語りました。

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↑バーコード決済は店舗側にとってもメリットが多い

 

また、訪日外国人が日本でd払いを使う、あるいは日本人が海外でd払いを使う、ということも、現時点で予定はないということでした。ただ、2020年には東京オリンピックが開催され、多くの外国人が訪日します。今後、そうした人たちも利用できるサービスに成長することが期待されます。

 

ちなみに、おサイフケータイやApple PayなどでiDを利用している人が、無理にd払いのバーコード決済に変える必要は特にありません。おサイフケータイの方が素早く支払えますし、dポイントについては、iDの方が有利な部分もあります(d払いの場合は、リアル店舗で使うと200円につき1ポイント。iDは100円につき1ポイント)。

 

現時点では、クレジットカードを敬遠する人がキャッシュレスで支払いができること、ケータイ料金と一緒に支払えることがメリットです。ともあれ、いま注目のバーコード/QRコード決済は簡単・便利なサービスであることは間違いありません。