最近、高校生の娘が、韓流ドラマにハマってしまった。お友達の間で話題になっているのだという。それは、マダム達が観ているせつない恋愛ドラマとは違う、歴史大作らしい。
なんと全108話!
娘たちがハマっているのは、韓国の宮廷ドラマ『帝王の娘スベクヒャン』だ。以前はBS番組で放映されていたものを、今はGyaO!で配信しているとのことで、娘はiPadを抱え、毎晩毎晩このドラマを観続けている。
1週間ほどして「やっと主人公が産まれた〜!」と叫んだ。8話目にしてやっとヒロイン・スベクヒャンが誕生したという。一体全部で何話あるのかと聞いたら、108話だと聞いて、びっくりした。日本の連ドラは最近10話前後で終わってしまうので、ものすごいボリュームである。
韓流に多い宮廷時代劇
確かに韓流ドラマには宮廷ものが少なくない。『宮廷女官チャングムの誓い』は、視聴率が韓国では50%を超えたというから、本国でも大人気のジャンルなのだろう。そして時代劇だからなのか、現代のロマンスドラマよりも長く、こちらも全54話である。
日本でいうと『大河ドラマ』のような存在なのだろうか。あれも1年をかけて毎週放送され、約50話ほどのボリュームである。とはいえ大河というと戦のシーンが多い印象があるけれど、宮廷ものなので、そこまで多くはない。どちらかというと宮廷内のドロドロとした人間関係が描かれているので、『源氏物語』が大河ドラマのボリュームになった感じかもしれない。源氏物語風になった昼メロとも考えられる。
娘に変化が
何話も観続けているうちに、娘が次第に韓国語の単語を覚えてきた。何度も繰り返し言われる言葉は自然と覚えてしまうという。今まで韓流ドラマを何話観ても「サランヘヨ(愛してる)」くらいしか覚えられなかった40代の私の記憶力とは大違いだ。
例えば私のことを「オムニ〜(ママ)」と呼びかけ、「お皿を洗って!」とお願いすると「ハンミダ(かしこまりました)」と答える。この他にも次々と言葉を覚えて、私のほうが把握できない。ドラマのおかげで友達の韓国人の女の子に「発音バッチリだよ!」と褒められたという。
ハマる人の次の行動
私自身、以前、韓流俳優のクォン・サンウさんにハマったことがある。『恋する神父』や『同い年の家庭教師』という映画のキャラクターがとても好きだったので、ファンミーティングにまで行ってしまったほどだ。韓流ファン12人がその経験を書いた『韓流はじめました!』(学研パブリッシング・編/学研プラス・刊)によると、ハマる人の行動は人それぞれらしい。
私のように俳優を追いかけるタイプもいれば、新大久保などの韓国料理に関心が向く人もいるし、娘のように韓国語に興味が向く人もいれば、宮廷ドラマの衣装や歴史的背景を調べたがる人もいる。同じようにドラマを楽しんでいても、その次の行動はひとそれぞれ違うのだから、興味深い。
行動で自分の本質が見える!?
ドラマを観ている時の興味のベクトルが向かう先にこそ、自分の特性が潜んでいるのではないだろうか。私は副業で「イケメン評論家」を名乗っているくらいにイケメンウォッチングが好きだ。だからドラマにハマったら、まずその俳優さんの姿を直接見に行きたくなる。娘は語学学習に興味があるので、ドラマに出てくる単語に意識がいくのだろう。
韓国料理に目が行く人は料理に、ドラマ衣装が気になる人はファッションに強い関心があるのかもしれないし、その先には自分自身の職業適性や趣味の世界につながっているように感じる。今までハマったドラマを思い出し、そのドラマのどこにこだわったのかを探してみると、本能的に好きな何かが見つかるかもしれない。
【著書紹介】
韓流はじめました!
著者:学研パブリッシング(編)
出版社:学研プラス
韓流にハマった漫画家の実体験がコミックになった。K-POP、ラブコメ、時代劇、そして新大久保、韓国ロケ地巡りまで、超絶おもしろ韓流体験満載。さらに実用情報も加え、楽しみながら韓流が分かる充実の一冊。巻頭は「チャン・グンソク」はじめました。