スマートスピーカーの売りのひとつが家電製品をコントロールできること。しかし、現在家庭にある家電製品の多くは無線LANなどによる通信機能を備えていないので、スマートスピーカーから操作できません。そこで数社から販売されているのが「スマート赤外線リモコン」。これをスマートスピーカーと連携させることで、声で従来の赤外線リモコン対応家電製品をコントロールできるようになります。今回はラトックシステムから発売された「スマート家電コントローラ RS-WFIREX3」のレビューをお届けします。
RS-WFIREX3は、赤外線リモコン機能を備えたワイヤレスコントローラーです。スマートスピーカーと連携利用するために開発された製品ですが、スマートフォンだけでも利用可能。RS-WFIREX3を家庭内に設置していれば、外出先からでもテレビ、照明、エアコンなどの家電を遠隔操作できます。
現在はAmazon Alexaにのみ対応していますが、今後のファームウェアアップデートでGoogle Homeもサポートする予定です。
製品の内容物は非常にシンプル。製品本体以外には、USBケーブル、クイックスタートガイド、保証書しか入っていません。いまどき分厚いマニュアルが入っていないのには納得ですが、USB-ACアダプターぐらいは同梱してほしかったところです。
RS-WFIREX3のセットアップは、(1)スマートフォンにアプリ「スマート家電コントローラ」をインストール、(2) RS-WFIREX3を無線LANルーターに接続、(3)家電製品のリモコンを登録、Amazon Alexaにスキル「スマート家電コントローラ」を登録……という流れになります。
セットアップは非常にカンタン! ……と言いたいところですが、筆者が今回試したときにはちょっとトラブルが起きました。原因は不明ですが無線LANルーターへの接続が完了せず、アプリからRS-WFIREX3の初期化(ファクトリーリセット)を指示されたのです。さらに初期化もなぜかできなかったので、いったんUSBケーブルを抜いてしまいました。USBケーブルを挿し直したら初期化できましたが、完全にフリーズしてしまっていたようですね。
家電製品のリモコン登録は多少の試行錯誤が必要です。というのもメーカーや製品によりますが、必ずしも自分が所有している家電製品のリモコンのプリセットが登録されているとは限らないからです。ちなみに今回、東芝製テレビ、パナソニック製照明、ダイキン製エアコンを登録しましたが、製品名、シリーズ名がピッタリ合うものはありませんでした。とは言え型番が違うプリセットをいくつか試せば使えるものは見つかりますし、いざとなれば学習機能も利用可能です。
Amazon Alexaと連携するための設定はわかりやすいですね。もちろん事前に「Amazon Alexa」アプリをセットアップしている必要がありますが、Amazon Alexaの登録、変更はRS-WFIREX3のアプリから呼び出されます。Amazon AlexaアプリでRS-WFIREX3用のスキルを探す必要はなく、ほぼシームレスにセットアップが完了します。
さて肝心の音声指示の使い勝手ですが、RS-WFIREX3にはひとつ大事な決まりごとがあります。それは、Amazon Alexaに呼びかける際には「家電リモコンで」または「家電リモコンを使って」という前置きが必要ということ。つまり、テレビをつける場合には「アレクサ、家電リモコンでテレビを8チャンネルに切り替えて」などと命令が少し長くなります。
これはRS-WFIREX3が、Amazon標準のスマートホームスキルではなく、メーカー独自開発のカスタムスキルを使っているためです。そのぶんRS-WFIREX3は単純な電源オン/オフだけでなく、テレビのオン/オフ、チャンネルの切り替え、ボリュームの変更、エアコンのオン/オフ、冷房/暖房/除湿/自動のモード切り替えと温度設定、照明のオン/オフ、明るさの変更などきめ細かな音声指示が可能です。
なお、「アレクサ、家電リモコンを実行して」と話しかけると、対話形式で操作することが可能です。対話形式のぶん即座にコマンドを実行できませんが、音声コマンドを覚えていないうちは重宝する機能ですね。
「家電リモコンで」という前置きが少々億劫ですが、RS-WFIREX3はそのぶん細かな音声指示が可能。セットアップも他社製スマート赤外線リモコンより容易です。まだAmazon Alexaもスマート赤外線リモコンも発展途上の感は否めませんが、現時点でも家電コントロールを快適にしてくれることは間違いありません。どちらもファームウェアアップデートに対応しているので、より自然な会話でのコントロールは将来のアップデートに期待しましょう。