「ナゾナゾ」。誰もが一度はやったことがあるのではないでしょうか。たとえば、
「パンはパンでも、食べられないパンは?」
というナゾナゾがあります。答え、わかりますか?
答えは「フライパン」です。まあ、これはとても有名なナゾナゾですので、答えを知っている方も多いのではないでしょうか。
このように、ナゾナゾというのは、答えを聞くと「なーんだ」と思うものなのです。
ナゾナゾのルールとは?
ここに1冊の本があります。その名も『バカには絶対解けないナゾナゾ』です。この本によると、ナゾナゾにはルールがあるのだそう。
混沌としたナゾナゾ界にもひとつのルールがあります。それは、正解を聞いたらどんなヒトでも「ああ、そうか!」と納得できるような、単純な答えでなければならないということです。(中略)つまり、ナゾナゾというのは、「そのことば自体を万人が知っている答えであること」が大前提なのです
(『バカには絶対解けないナゾナゾ』より引用)。
なるほど。確かにナゾナゾの答えを聞くと「そんな簡単なものだったのか……」と思わずこぶしを握りしめ、「もう1問、もう1問出してくれ!」と思わず熱くなってしまいます(いや、そこまでじゃないかもしれませんが)。
しかし、この『バカには絶対解けないナゾナゾ』という本は、そんなナゾナゾのルールに一石を投じています。この本に載っているナゾナゾは、答えがとても知的なのです。
いくら考えても、答えとなる人名や地名などことばそのものを知らないと一生かかってもわからないし、答えを聞いても「ポカーン」とするしかない。でも、わかるヒトには確実にわかる—-。(中略)ある意味、本書はあなたのインテリジェンスの試金石、あるいはリトマス試験紙といっても過言ではありません。
(『バカには絶対解けないナゾナゾ』より引用)。
なんという挑戦的な文章でしょう。単なるナゾナゾを「インテリジェンスの試金石」と言っております。これはやってみるしかありません。いったい、どんなナゾナゾなのでしょうか?
知性が求められるナゾナゾにチャレンジ!
17世紀の中頃、ドイツ、フランス、ロシア3国の王様が、誰が一番友人を多く呼べるか競争した。勝ったのはフランスの王だった。なぜか?
(『バカには絶対解けないナゾナゾ』より引用)。
さあ、わかりますか? なんでフランスの王が勝ったのでしょう?
答えは
「ルイは友を呼ぶ」から。
17世紀中頃のフランス君主は「ルイ14世」でした。その「ルイ」と「類」をかけたナゾナゾなんです。これは、17世紀のヨーロッパのことを知らないと答えられません。逆に、知っている人にとっては簡単なナゾナゾでしょう。
このような問題が続々登場します。
島全体がものすごく甘い日本の島は?
(『バカには絶対解けないナゾナゾ』より引用)。
これはわかりやすいかも。「ものすごく甘い」んです。甘い。
答えは
奄美大島
甘味大島っていうことですね。みなさんもうすうすわかっているかとは思いますが、ナゾナゾは「ダジャレ」要素も含んでいるのです。
こんなナゾナゾもあります。
日本で絶滅した鳥を探し続けたフランスの作家は?
(『バカには絶対解けないナゾナゾ』より引用)。
さあ、どうでしょう? 外国文学に詳しくないとなかなかわからないのではないでしょうか。正解は……。
マルセル・ブルースト
マルセル・ブルーストの代表作「失われた時(トキ)を求めて」と引っ掛けた答えなんです。なかなか奥が深いですね。
ナゾナゾで勉強する日も近い?
どうでしたか? みなさんはここに挙げたナゾナゾの答えがわかりましたか? わからないとなんとな悔しく感じてしまいませんでしたか? そして、思わず誰かに同じ問題を出したくなってしまう。それがナゾナゾの魅力でもあるのではないでしょうか。
最近では、「マンガでわかる◯◯」といった本も多数出版されています。文字だらけの教科書や参考書より、マンガのほうが読みやすいし、頭にも入ってきやすいため、子どもの勉強意欲向上にも一役買っています。
今回紹介したこのようなナゾナゾも、知識を深めるのにはいいのではないでしょうか。そのうち「ナゾナゾでわかる◯◯」といった本が出てくるかもしれませんよ?
(文:三浦一紀)
【文献紹介】
バカには絶対解けないナゾナゾ
著者:白崎博史、石黒謙吾
出版社:朝日新聞出版
日本初、解けばみるみる知識がつく脳トレ系なぞなぞ全集。たとえば問題、「ドイツの文学者で高速通信の導入にもっとも熱心だったのは誰?」――アタマのいい人ほど面白がる、隠れバカほど怒り出すウイット満載の解答がズラリ! 文学、歴史、科学、国際問題など18ジャンルから出題。さて先程の答えは……気になる方はご購入ください。ヒントは高速通信=光で「もっと光を!」と言った人、わかりますよね?