後継機が発売されると、旧モデルは注目されなくなりがち。とはいえ、新旧の差が少ない製品も多く、旧モデルが実はお買い得というケースも少なくない。そこでここでは、ソニーのAPS-Cサイズミラーレス一眼、α6500、α6300、α6000の3世代のカメラを比較。それぞれの操作性や画質、連写性能などをチェックした。カメラ初心者的視点で吉森信哉さん、プロカメラマンの視点で永山昌克さんの評価を交え、3機種を評価する。
※記事内の価格は2018年3月現在の編集部調べによるものです
【連写性能を比較】連写速度は同じだが連続撮影枚数でα6500が圧倒
連写は3機種とも約11コマ/ 秒。ただし、α6300とα6000はRAW+JPEGだと連続21コマまでの対応で、α6500のみ連続100コマまで対応だ。
「今回実際に特急電車などを撮影したが、連続100コマのα6500は不足を感じることはなかった。ほかの2機種は連続21コマまでで、2秒弱しか高速連写できず、やや不満が残る。撮影開始のタイミングを上手く調整する必要がありますね」(吉森)
「α6300やα6000では、JPEGのみの連写を行うのがオススメ。AF追従も3機種とも優れていますが、不規則に動く被写体の場合は、測距点数の多いα6500やα6300が、ピントが合いやすいと思います」(永山)
【吉森信哉さんの連写性能の10段階評価】
●α6500・9/10
●α6300・6/10
●α6000・6/10
連写は、α6500の一択といっていいと思う。特に初心者の場合は、連写開始のタイミングを計るのは難しく、撮り続けられるほど有利だ。
【永山昌克さんの連写性能の10段階評価】
●α6500・9/10
●α6300・6/10
●α6000・5/10
連写は3機種とも十分速いが、連続撮影枚数でα6500が圧勝。連写中のAF追従については、α6300も測距点数が多くα6000よりもやや有利だ。
【価格比較】ダブルズームキットも選べるα6000がコスパに優れる
それぞれのボディの大手量販店での実売価格は、α6500が15万730円、α6300が10万4560円、α6000が6万4670円と大きな差がある。しかもα6500はレンズキットの設定がなく、別途レンズも必要だ。レンズキットは、α6300が10万8990円、α6000が7万5470円でα6000はダブルズームキット(8万7530円)も選べる。
「Eマウントレンズを持っているならα6500がおすすめですが、レンズも購入するとα6500は20万円程度必要。α6000ならダブルズームキットでも10万円を切るのが魅力です」(吉森)
「キットレンズを単体で買うと標準ズーム、望遠ズームともに3万円以上する。α6500は画質重視で高級レンズを狙うのもアリだと思いますが、そうなると予算的には25万円コース。コスパはα6000が圧倒的です」(永山)
【吉森信哉さんの連写性能の10段階評価】
●α6500・5 /10
●α6300・6/10
●α6000・9/10
α6000のコスパは圧倒的。4K動画を撮るにはα6300以降が必要だが、初めてEマウントのカメラを買う場合や静止画オンリーというならα6000ダブルズームキットが○。
【永山昌克さんの連写性能の10段階評価】
●α6500・6/10
●α6300・7/10
●α6000・9/10
できればα6500を選びたいが、キットレンズがないことも考慮するとやはり高価。ただ、4K動画機能も捨てがたく、α6300がバランス良く感じる。