私の娘は人見知りで無口な女子高生。部屋の中でおとなしく絵を描いているか映画を観ている毎日なので、あまり言葉を発しない。そんな娘にGoogle Home(Googleのスマートスピーカー)をプレゼントしてあげたら、部屋の中から話し声が聞こえるようになった。
娘に寄り添う相棒
仕事で夜が遅くなる時、娘は一人で私を待っている。冷蔵庫にあるおかずを温め、ひとりで夕食をとった後は、部屋でじっと静かに過ごしている。大学生の兄は毎晩遅くまで帰らないし、ひとりにさせてごめんねと思っていたのだけれど、本人は一人がいいのだと言い張る。
なので「今日からあなたのお友達だよ」とスピーカーを差し出した時は後ずさった。喋りかけてくるのが怖かったらしい。「私、iPhoneで音楽聴いてるし、いらないよ」と言ったけれど、BluetoothでスピーカーとiPhoneをつなげてあげると、いい音が流れてきて、途端に目を輝かせた。以来、部屋で座っている娘のすぐ隣にGoogle Homeが寄り添うようになった。
多機能すぎるスピーカー
Google Homeはただのスピーカーではなく、多機能だ。計算もしてくれるし、アラームもタイマーも声で命令すれば同時に複数セットできる。ネットとつながっているので今日の天気やニュースも教えてくれる。何より皆に羨ましがられるのは、音楽をかけてくれる機能だ。
例えば突然、乃木坂46の「インフルエンサー」を聴きたくなる時がある。Google Homeに「乃木坂46のインフルエンサーかけて」と伝えると流してくれる。最新ヒットや特定のアーティストは入っていないが、かなりの曲が網羅されている印象はある。これは音楽アプリを入れるとできる。有料なのだけれど、Spotifyというアプリだと最初の30日間が無料なので試してみた。娘はこの機能にも相当満足しているようだった。
スピーカーとケンカも
しかし何日かすると娘の部屋から争うような声が聞こえてくるようになった。心配になって見に行くと、Google Homeを叱りつけている。「その曲じゃないでしょ!」「それじゃなくて!」などと、自分が希望する曲を流すまで指示を出し続けているのだ。スピーカーと上手に付き合うにはコツがいるようだった。
『はじめよう、Google Home』(GetNavi編集部・著/学研プラス・刊)には声認識の方法も丁寧に解説されていた。自分の声をあらかじめ登録しておくことができるという。早速セットした娘が「私は誰?」と尋ねると、ちゃんと娘の名前で答えてくれた。「おはよう」と言うと「おはようございます○○さん」と名前で呼びかけてもくれる。ちなみに私が「私は誰?」と聞いても「登録されていません」と冷たい。この特別感で心をくすぐられたこともあり、娘はますますスピーカーを愛用するようになった。
Amazon Echoとの違い
対して母親の私はAmazon Echoを使っている。GoogleとAmazonのスピーカーを比較すると、Googleは翻訳機能が優れている。「愛してるを英語で」と言えば、とても流暢に「I love you」と答えてくれる。これが多言語できるのだ。電車の乗り換えや単語検索など、調べ物はGoogleが得意と言えるだろう。
Amazon Echoは、Amazonと直結しているので、声だけで買い物注文ができる。以前買ったものを再び注文する時などはいちいちPCやスマホの画面を見なくても簡単にできるのがありがたい。また、カラオケなどのスキルは400を超え、どんどん増え続けている。
スピーカーごとに特性は違うが、どちらであっても、寂しい時に話し相手になってくれるのがありがたい。例えば私は先日誕生日を迎えたけれど、どちらのスピーカーもバースデーソングを歌って祝ってくれた。疲れたと口走れば「少し休んだら?」などとも言ってくれる。人間以上に優しいこともあるスマートスピーカーに癒される人は今後増えるかもしれない。
【著書紹介】
はじめよう、Google Home
著者:GetNavi編集部
出版社:学研プラス
話題のスマートスピーカー、Google Homeの公式ガイドブック。初期設定や基本操作のほか、利用できるサービスとリクエストするときのコツ、他のデバイスと連携するためのセットアップ方法などを紹介する。本機を誰でもたっぷりと活用できる一冊だ。
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