“世界三大美女”といえば、クレオパトラ、楊貴妃、小野小町である(通用するのは日本だけらしいのだが)。
では、ここで問題。あなたは“世界三大高級腕時計”のブランドを3つ言えるだろうか?
え~と・・・ ロレックスと、あとなんだっけ?
ブーッ、時間切れ、不正解!
パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲが正解だ。
知名度抜群すぎるロレックス
筆者もびっくりしてしまったのだが、なんと、世界三大高級腕時計の中にロレックスは含まれていないのだ。
な、な、なんだって―――!?
様々な理由があるようだが、ロレックスはあくまでも究極の実用時計という立ち位置であり、さらに腕時計メーカーでは比較的後発であることなども挙げられるようだ。また、ロレックスは広告戦略が他のブランドよりも上手く、高級ブランドとしてのイメージ作りに成功したためと言われている。
そんなこともあって、ロレックスの知名度は高い。高すぎる(値段も高すぎる)。恥ずかしながら、筆者は最近まで、ロレックス以外の腕時計メーカーはセイコーくらいしか知らなかった。ロレックスの知名度は他のブランドを圧倒し、突出しているのである。
ファンは誰でも知っているブランド。では一般人は?
世界三大高級腕時計のブランドは、時計ファンや富裕層には知名度が高いと思われるが、一般的な認知度はどうなのだろうか?
そんなことを考えていたら、腕時計マニアの編集者がこんな話をしてくれた。キャバクラで見せびらかそうとして、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計(300万円くらいするらしい)をつけて行ったところ、「今日は安っぽい時計をしているのね」と言われ、ひどく落ち込んでしまったという。一方、その前にロレックスのデイトナ(100万円くらい)をつけていったときは「すごーい! お金持ち!」という反応だったのに・・・とのことだ。
おそらく、そのキャバ嬢も筆者同様にロレックス以外の高級腕時計を知らなかったから、このような反応になったのだろう。筆者は勝手にこう考えた。決して、ヴァシュロン・コンスタンタンの知名度が低いのではない。ロレックスの知名度が高すぎるのだと思う。
スマートフォンで時刻を知る現代人
現代人は腕時計をしなくなったと言われる。電車内で乗客を観察してみるとよくわかる。現代人が時刻を知る手段は、腕時計ではなくスマートフォンなのだ。そういえば、某IT企業の元経営者も「腕時計なんかいらない、スマホで充分」と言っていた気がする。
だからといって、腕時計がこのまま衰退するとは考えにくい。小さな腕時計の中に精密な部品が納まっているなんて、想像するだけで萌える。メカ好きにはたまらないはずだ。
そして、腕時計は男が身につけるもっとも高価な宝飾品といわれる。お出かけ前に1秒で装着できるのだから、実にお手軽なおしゃれアイテムなのだ。
腕時計をゲットしたいと思ったら
腕時計が欲しい。しかし、筆者のようにロレックスとセイコーくらいしかブランドを知らない、時計屋はなんだか敷居が高くて入りにくい、どんなデザインの品物があるのか知りたい・・・ そう思っている人には、『腕時計の教科書』がおすすめだ。
前出の世界三大高級腕時計ブランドをはじめ、国内外の一通りのブランドの概要とその歴史を知ることができるし、代表的なモデルの写真も掲載されているから、腕時計入門に最適な一冊といえるだろう。
目を通していると、筆者も高級腕時計が欲しくなってきた。買いたいと思うがあいにく蓄えがない。購入するためには、この「フムフム」のコラムをあと何本書けばいいのだろうか。
(文:元城健)
【文献紹介】
腕時計の教科書
著者:ウオッチナビ編集部
出版社:学研パブリッシング
「機械式腕時計に興味はあるけれど、敷居が高そう」「買ってはみたが、使い方やメンテナンスが不安」 そんな方に向けて時計の基礎知識、有名ブランド総覧・歴史、メンテナンス法、用語集などをコンパクトな一冊にまとめた腕時計入門書。