学生のころは、まさか社会に出てまで「勉強だ暗記だ」が存在するとは思っていなかった。が、これが意外とあるのだ。暗記が必要な機会が。キャリアアップのための資格試験を受けることもあれば、仕事で英語を覚えなくてはいけない場合もあるだろう。なんだかんだで暗記はどこでもついて回るのだ。で、そういう時に使ってもらいたいのが暗記帳。リング留めで横長の小さい暗記帳を通学の電車やバスの中でパラパラめくっていた人も多いのではないか。
本当に効くのか43歳筆者が3日間の実証実験を敢行!
古くさいとか言っちゃいけない。単語帳はわずかな時間に場所を選ばず勉強できるため、今でも学習時間の積み増しにはなかなか有効な手段なのだ。しかも最新の単語帳は、当然のようにスマホ連動して、繰り返し学習を便利にしてくれる高機能版である。
ぺんてる『SmaTan(スマ単)』は、持ち歩きしやすいA4の1/3サイズの縦長ノートだが、でも、ノート自体は持ち歩く必要は無い。ここに書き込んだ内容がそのまま、スマホで見られる単語帳として機能してくれるのだ。
…という説明書きまでは読んだのだが、さて、これが実際に使うとどれほど勉強に有効なのか。筆者の脳(43歳、記憶力はグングン減衰中)を使って、スマ単の実証実験を行った。その内容は以下の通りである。
①暗記の内容は、これまで自分の人生にまったくコミットしてこなかった、ビジネス英単語のワード60個の暗記。
②普段通りライターの仕事は行いながら、移動など空き時間にスマ単を使用して学習する。
③期日は3日間。最後にどれだけ憶えられているかセルフチェックを行う。
まずは、使う準備。スマ単ノートを開くと、紙面は1ページ辺り12行、見開きで合計24の枠に区切られている。で、左ページに英単語を書き、右ページ側の同じ行に対応する日本語訳を書いたら、無料のスマホ専用アプリ(iOS、Android対応)で撮影する。
この時、ノートの四隅に印刷されたマーカーを画面内の枠に合わせて撮れば、自分で書いた単語が1行ずつバラバラの単語帳に自動で変換されるのだ。(今回は単語60個なので、12行×5見開き分を単語帳に変換した)
使う時は、フォルダから単語帳を開いて一枚ずつ確認。覚えている単語は画面上のチェックマーク側にスワイプ、分からない単語は画面下の×マークにスワイプしていく。
この時、単語にタッチすることで日本語訳表示に切り替えることもできるので、分からない単語はその場できちんと内容も確認しておこう。
自分の学習進度をチェックすればモチベーションが高まる!
暗記トライ初日は、まったくチェックマーク(憶えられた単語)が増えず、×マーク単語の日本語表記を何度も繰り返し確認する羽目になった。ひと通り見終わったら、今度はカードを絞るオプションから「×マークの単語のみ再表示」を選び、苦手な単語と何度も対面する。正直、苦行だ。
学習時間は取材の移動時間1時間と、自宅で休憩中に飼い猫のリリーさんを撫でながら30分。
2日目、自分の中では敗着確定と思っていたが、やっていると多少なりとも脳に単語が残っている様子。少しずつ×マークが減ってきたので、よりハードに、表示オプションを「チェック3回以下の単語を再表示」にする。
たまに「チェック」と「×」の比率を円グラフで表示することで、自分の学習進度を目で見て把握できるのもありがたい。円グラフが良い方向に動くと、ぐっとモチベーションが高まるのだ。
学習時間は打ち合わせの待ち時間に20分と、外食の待ち時間15分。あとは自宅で猫を撫でながら1時間15分とトイレで少々。
最終日の3日目。完璧とはほど遠いが、いまできる限りのベストを尽くそう。これまでの学習進度を一度リセットし、すべての単語を表示して確認テストを実施した。43歳、昨夜食べたメニューすら思い出せない脳が3日間がんばった結果が、これである。
単語を書く手間があるのが逆にイイ!
目覚ましい成果!… …とはお世辞にも言えないが、まぁ、これがリアルなところであろう。自分では、意外と頑張ったよと褒めてもいい。
まずこのノートで良いなと思ったのは、最初に自分で手を動かして単語を書かないと、使えないことである。既存の英単語アプリのような、すでに収録されている単語を眺めているだけの記憶だと、どうしても脳に残りにくい。実際に文字を書くことで、記憶を定着させるきっかけを脳内に作ることができるようだ。
あとは、それを常に繰り返し読み続けることで、さらに記憶をしっかり定着させられるというわけだ。「わずかな勉強で効率よく学習」なんて基本的に脳の造りが優秀な一部の人の話。我々のようなザ・普通レベル脳は、じっくり時間をかけて、かつ「スマ単」のような効率を上げるツールで学習記憶を積み重ねるのが、いちばんのようだ。
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