“アガスティアの葉”をご存知だろうか? 紀元前3000年頃のインドに実在したとされる聖者アガスティアが残した、全人類の運命が記されている葉のことだ。インド南部で使われていた古代タミル語で書かれており、ナディ・リーダーと呼ばれる“読み手”たちがそれを現代タミル語に翻訳する。その職業に就くことが運命づけられた人たちだけから選ばれ、6年以上の特別な訓練を受けてはじめて、正式なリーダーになることができる。
ライフパーパス
アガスティアの葉には、いつどこで生まれ、どんな学校に通い、どんな仕事に就いて、誰と結婚して子どもを何人持ち、何歳で亡くなって…という人ひとりの人生の詳細が連綿と綴られているらしい。
かなり前の話だ。有名な宗教学者の男性と二人の女性タレントが、自分のアガスティアの葉を探しにインドに行くというドキュメンタリー番組を見た。女性タレントについては忘れたが、宗教学者はみごとに自分の葉を見つけ、親戚の名前も正確に記録されていることを確認していたのを覚えている。
ニューエイジ系・スピリチュアル系の書き手たちも、アガスティアの葉の話が大好きだ。彼らがよく使う“ライフパーパス”という言葉がある。“人生の目的”という意味だ。人は誰もが人生で成し遂げるべき目的を担って生まれてくるという考え方で、それがライフパーパスということになる。
アガスティアの葉に記されているのは、これまで生きたすべての、そしてこれから生まれるすべての人のライフパーパスといえるかもしれない。
シナリオ、運命、聖なる存在との約束事
『魂のシナリオ通りに生きていますか?』(木村藤子・著/学研プラス・刊)のテーマも、アガスティアの葉に書かれているかもしれないもの、そしてライフパーパスにきわめて近いものかもしれない。ただし本書では、それが“魂のシナリオ”という言葉で表現される。
“魂のシナリオ”とは何か?
「魂のシナリオ」という言葉から、皆さんは何を連想されるでしょうか? シナリオとは脚本のことですが、ここでいう魂のシナリオとは、あらかじめ決めてきている人生の道のり、すなわち運命のことです。
『魂のシナリオ通りに生きていますか?』より引用
ただ、木村さんが言う運命という言葉のニュアンスは、筆者を含めたごく一般の人たちが考えるものと少し違うかもしれない。
運命というと、「運命を変える」「運命に負けない」などと、どちらかというとやや否定的に捉える向きもありますがここでいう運命とは、この世に生まれてくる前に神仏に誓った約束事であり、避けられない人生の道のりを指します。
『魂のシナリオ通りに生きていますか?』より引用
聖書にも通じるものを感じるのは筆者だけだろうか。
運命の構造
ただ、人生のすべてが運命によって司られているわけではない。木村さんによれば、運命=魂のシナリオには二つの側面がある。
一つ目は、どうしても本人が向き合わなければならない課題。そして二つ目は、その課題を乗り越えて心の成長を遂げた上で、あらたな人生の幸せを書き加えるという行い。木村さんご自身の言葉を借りれば、以下のようになる。
運命のシナリオには、魂の課題が含まれているのと同時に、その課題を乗り越えられたなら、そこから先のシナリオは自分で変えられる、ということです。
『魂のシナリオ通りに生きていますか?』より引用
アガスティアの葉に書かれていることがすべてではないのかもしれない。
著者が投げかける3つの質問
魂の課題を克服した後なら、シナリオは変えられるようだ。その過程に必要な一番簡単な行いは、木村さんによれば「他人のせいにせず、自分で責任を負う」ことだという。人間は、自ら意識してポジティブに動いてこそシナリオを書き変えることができるのかもしれないのだ。そして木村さんは、3つの質問を投げかける。
あなたは、この世で何を成すために生まれてきたのですか?
あなたが、この人生において克服すべき課題はなんですか?
あなたは今、あなたの魂のシナリオどおりに生きていますか?
ちょっとまとまった時間を作って、静かな場所でしっかり考え、今の自分なりの答えを出したいと思う。
【著書紹介】
魂のシナリオどおりに生きていますか?
著者:木村藤子
出版社:学研プラス
例外なく、この世の誰もが、人生をいかに生きるべきかを神様と相談の上、自分で決めて生まれてきている。その神様と約束した生きかたをすることこそが、幸せへの一番の近道。自ら決めた生きかたを思い起こし、実践していくための最高の手引き書!
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