3月になり気温も上昇しはじめてきました。この時期のお洗濯の悩みといえば、ずばり「花粉」。外は晴れて暖かいのに、洗濯物を干すと花粉が付いてしまう……それで仕方なく部屋干しをしている方も多いのではないでしょうか。でも、部屋干しに付き物なのが、嫌な「生乾き臭」ですよね。
そこで今回の「オトコの洗濯術」では、花粉の季節に役立つ“上手な部屋干しの仕方”をレクチャーします。
あのニオイの原因は“雑菌”
部屋干しにつきまとう嫌な“生乾き臭”。このニオイの原因は、衣服についた雑菌です。濡れた雑巾を放置していると臭いが発生するのと同じように、衣服が長時間濡れていると雑菌が繁殖してニオイを出してしまいます。では、なぜ外に干すと臭わないのに、部屋干しすると臭ってしまうのでしょうか?
屋外では風や空気の流れにより水分が蒸発しやすく、生地が速く乾くため雑菌の繁殖できる時間が短くなります。また、日光が持つ消毒作用により、生地表面の雑菌の発生を抑える効果も期待できます。このため、屋外に干した場合はニオイが発生しにくいのです。
このことより、部屋干しで生乾きの臭いを抑えるためにはなるべく速く洗濯物を乾かすこと、雑菌の繁殖を防ぐことが有効ということがわかります。そこで覚えておきたいのが、こちらの「部屋干し3原則」。
さっそく、この部屋干し3原則を細かく解説していましょう。
その1.雑菌は洗濯で落とす
生乾き臭を防ぐ第1歩は、「衣類についた雑菌をしっかり落とす」こと。1度着用した衣類は、汗や皮脂などが付着し、それらをエサにして雑菌が繁殖してしまっています。
ここで重要になるのは洗剤の選び方です。1番簡単なのは、「部屋干し用」「除菌」などと表示された洗剤を選ぶこと。これらの洗剤には、雑菌を有効数減少させる効果があり、洗い上がりの生乾き臭が発生しにくくなります。また、部屋干し用と書かれていなくても、漂白剤が配合されたタイプは、除菌効果が期待できるので生乾き臭防止に有効です。
左上から、花王「アタック Neo 抗菌EX Wパワー」(漂白剤配合)、花王「ニュービーズ」(漂白剤配合)、P&G「アリエール リビングドライジェルボール3D」、ライオン「消臭 ブルーダイヤ」(漂白剤配合)、ライオン「部屋干しトップ 除菌EX」(漂白剤配合)
また、除菌成分が含まれていない洗剤でも、漂白剤を足すことで除菌効果を上げることができます。漂白剤は色柄物でも使える「酸素系」を選びましょう。酸素系漂白剤には液体タイプと粉末タイプがありますが、どちらでも除菌効果が期待できます。
左から、ライオン「ブライトW」(液体)、花王「ワイドハイター EXパワー」(液体)、シャボン玉石けん「酸素系漂白剤」(粉末)
その2.柔軟剤で雑菌の繁殖を防ぐ
洗濯でしっかり菌を落とせば生乾き臭は発生しにくくなりますが、さらに効果を高めたいなら柔軟剤で「抗菌」効果をプラスするのがオススメ。「抗菌」とは菌の繁殖を抑制する効果を示すもので、干しているあいだの雑菌の繁殖を抑えてより強力に生乾き臭を抑えられます。柔軟剤は、洗濯時の最後のすすぎの際に入れましょう。洗濯機の柔軟剤投入口に入れておけば、最適なタイミングで投入してくれます。
最近では市販されている柔軟剤のほとんどに抗菌剤が含まれているので、好みの香りで選んでOK。男性にオススメなのは、シトラス調の甘くない香りが長続きする花王「ハミングファイン DEO EX」(スパークリングシトラスの香り)と、P&G「レノア本格消臭 スポーツ」(フレッシュシトラスブルーの香り)。どちらも生乾き臭を防ぐだけでなく、汗やたばこの煙のニオイまで防いでくれるので、部屋干ししないときでも日常使いしたい柔軟剤です。
左から、花王「ハミングファイン DEO EX」(スパークリングシトラスの香り)と、P&G「レノア本格消臭 スポーツ」(フレッシュシトラスブルーの香り)
その3.風をあててすばやく乾かす
雑菌は水分のある環境で繁殖するので、洗濯機から取り出したらなるべく速く乾かすことが生乾き臭を防ぐコツ。そのためには、洗濯物のまわりに空気の流れを作ることが重要です。部屋干しの際に、窓を開けたり換気扇を使って空気の流れを作るのも有効ですが、この時期は花粉が部屋に侵入してしまうので避けましょう。
洗濯物を干したら部屋を閉め切り、除湿機をつけて衣類全体に乾いた風をあてるようにします。このとき、洗濯物同士が密着しないよう、なるべく隙間を作ることを心がけましょう。
除湿機は「衣類乾燥モード」などを選び、吹き出す風が洗濯物にあたるように設置します。タイマーを活用すれば、就寝前や出かけるときなどに便利です。
わたしの場合は、洗濯物が多い場合は除湿機だけでは風が衣類全体に届かないこともあるので、首振り機能を備えたサーキュレーターも併用しています。これで全体にまんべんなく風があたり、乾くまでのスピードをアップすることができます。花粉の時期だけでなく、雨の日や梅雨の時期、夜遅くの洗濯など、時間や天気を気にせずいつでも部屋干しできるので、部屋干しすることが多い方はセットで購入するのをオススメします。
このほか、布団やシーツ、タオルケットといったどうしても外にしか干せない大型のものは、干す前に静電気防止スプレーを使うのがオススメ。花王「リセッシュ 除菌EX プラス プロテクトガード」は、除菌・消臭だけでなく、静電気によって花粉やホコリが付着するのを防ぐ効果があるので、生地に花粉が付着しにくくなり、取りこむ前にサッと払うだけで花粉を簡単に落とせます。布団や枕などは、取りこんだあとに掃除機をかけるとよりベターです。
花王「リセッシュ 除菌EX プラス プロテクトガード」
【おさらい】
その1.ニオイの元となる雑菌を洗濯で落とす
その2.柔軟剤で雑菌の繁殖を防ぐ
その3.風をあててすばやく乾かす
生乾き臭を防ぐ部屋干し3原則をしっかりマスターすれば、花粉を気にせず衣類を清潔に保つことができます。洗剤や柔軟剤を活用して、花粉の時期を快適に過ごして下さい。