『宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない』から学ぶ新・リーダー論①はじめに
累計2000万部突破の「宇宙兄弟」を題材にした次世代リーダーシップ論『宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない』が3月23日に刊行されます。その刊行を記念して、GetNavi webでは同書の一部を全8回の連載形式で先行公開! 本日は第1回「はじめに」を公開!
「宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない」刊行記念先行試し読み!
第1回「はじめに」
「今日から、あなたがチームのリーダーです」
職場や学校で、ある日突然そう言われたら、あなたはどうしますか?
「望むところだ!」と、気合いを入れる?
自信はなくても、「頑張ります」と、挑戦してみる?
「私には務めあげる自信がありません」と、辞退する?
リアクションは人それぞれに違うと思いますが、「自分はリーダーに向いているのだろうか。リーダーの素質はあるのだろうか」などと、悩む必要はありません。
大丈夫、あなたはリーダーになれます。
なぜ僕がそう言い切れるのか。
じつは、リーダーに必要とされる「リーダーシップ」は、あなたがすでに持っているものだからです。
現在、会社や組織の中でリーダー的な役職・ポジションについている人はもちろん、1度もリーダーを経験したことがないという人まで、すべての人たちに備わっているので、個々の能力や素質は関係ありません。あるとすれば、リーダーシップを「発揮するか、しないか」の違いだけ。
僕が、小山宙哉さんの描くマンガ『宇宙兄弟』を本書の題材に使わせてもらったのも、宇宙飛行士たちが日々行っている訓練は、まさにリーダーシップを活かした究極のチーム作りだと感じたからです。とくに主人公の南波六太(なんば むった)は、リーダーとして、とても魅力的なキャラクターと言えるでしょう。
「いやいや! どう見ても六太は、リーダータイプじゃないでしょ!」
『宇宙兄弟』ファンの中には、そう感じる人もいるかもしれません。
確かに、六太は一見するとリーダーとは無縁なタイプです。「何をやっても、デキのいい弟に先を越されてしまう兄」というコンプレックスに苦しみ、なかなか自分に自信を持てません。
でも、彼がいるとなぜか結果的に物事がうまくいっているというパターン、じつは多いですよね。六太がピンチのときは、彼に共感し協力する人間が自然と集まり、目的を達成しますし、逆に彼の言動がきっかけとなり、周囲の人たちが自らの夢を成し遂とげている場合もあります。これこそがまさに、「リーダーシップ」なのです。
こうしたアクションを本人はほとんど無自覚で行っているのが、六太のすごいところ。正直、羨ましいくらいです。このギャップが六太の魅力でもあるのですが、覚醒したらきっと、とてつもなく魅力的なリーダーになるでしょう。
というわけで、僕たちが『宇宙兄弟』から学べることは多々あります。
ここでは『宇宙兄弟』のエピソードと重ね合わせながら、「リーダーとは何か」を紹介していきますが、これからの時代、六太のような「リーダーっぽくない人」こそ、リーダーとしての活躍が期待できるはずだと考えています。
僕はファシリテーターとして、数多くの企業や団体、教育、スポーツなど、さまざまな分野でのチーム作りの支援・促進をしてきました。
メンバーがリーダーシップを発揮し、とてもよい状態で目標を達成したチームもあれば、残念ながら、志半ばで空中分解をしてしまったチームも存在します。
リーダーシップの見方が変われば、働き方が変わり、人生も変わります。
リーダーシップは、他者だけではなく自分に対しても発揮されるものなのです。
誰かにコントロールされる毎日と、自分でコントロールする毎日――。
あなたは、どちらを選びますか?
もし人生のハンドルを自分で握りたいと考えるのなら、この記事を最後まで読んでください。かならず真のリーダーになれるコツがつかめるはずです。
2018年3月23日発売予定
宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。
長尾彰[著]
1400円+税 /学研プラス
【内容】
弟・ヒビトと比べて、一見リーダーのようなタイプに見えない兄・ムッタ。しかし不思議と彼がいるチームはうまくいく。なぜなのか。チームづくりの専門家である著者が、大人気漫画『宇宙兄弟』を題材に、リーダーシップを磨き、チームで成果を出す方法を指南。
【著者】
組織開発ファシリテーター。企業、団体、教育、スポーツなど、幅広い分野で3000回を超えるチームづくりを行う。現在、ナガオ考務店の活動を中心に、非営利団体の経営やリーダーの育成に取り組む。
(c)小山宙哉/講談社