ライフスタイル
2015/4/30 13:06

ゴールデンウィークは、”モテない勢”のためにある!

150428-1

モテたくなければ、モテようとすればいい

 

最近、このコラムを読んでくれている知人と会ったとき「どうすればモテなくなりますか?」との質問をいただきました。

その答えは簡単。「モテを意識している」と言えばいいんです。

 

例えば、皆さんが「素敵な人だな……」と想いを寄せる人がいるとして、その人から「モテを意識している」と明言されると、「あ、なんだか策略にはまったのかな?」とちょっと冷めませんか?

 

ナチュラルに「素敵」だと思っていた存在だったのに、それが偽装されていたものに感じてしまう。「天然物」だと思っていたら、「加工品」だった。つまり、「自然」じゃない。このように、「自然じゃない」と相手に思わせることができれば、途端にモテなくなります。

 

これは、自然が豊かで海や山から実りを頂いてきた日本ならではの、「自然がいい」という独特な考えなのではないかと筆者は思っています。

 

そう言えば、昭和時代のアイドルにも「自然」が求められていましたよね? デビューしたキッカケも、「弟が勝手に応募して」とか「友達についてオーディションに行ったら」だったり、「街を歩いていたらスカウトされて」というのがよく見られました。

 

あくまでも「たまたま」「偶然」「なりゆきで」といった「自然」アピール。そこには、ガツガツした感情は見受けられませんでした。

 

しかし、いまやアイドルのみなさんの志望動機にも「夢を叶えたくて」「自分を変えたくて」など、何かしらの大義、意図が現れている時代です。

 

そう考えると、「モテを意識していると言えばモテなくなる」は、もはや万能ではないのかもしれません。アイドルのような「夢」や「自己実現」という大義を設けることができれば、モテを意識することが許容されることもあり得ます。

 

「モテる」「モテない」は、時代の流れにも左右されるのです。

 

ゴールデンウィークは“モテない勢”のためにある!

さて、もうゴールデンウィークですね。実はこの期間、モテる・モテないを意識しなくてもいいシーズンなのです。“モテない勢”のためにある休日といってしまっても過言ではありません。

 

なぜか? それは、ここに並ぶ祝日が古風だということが原因だと思います。

 

例えば、いかに「モテ」を扇動する雑誌でも……

「昭和の日(4月29日)は、昭和ファッションで彼とデート!」

「憲法記念日(5月3日)におさらいしておきたい! 恋の十二箇条」

といった特集は打ち出してこないですよね?

 

さらに、「こどもの日」(菖蒲の節句・5月5日)。特にこういう節句は、「モテ」に毒されていない貴重な日です。心の平穏を得られます。

 

ちょっと、節句をおさらいしてみましょう。

1月7日、七草の節句。

9月9日、菊の節句。

この2つは、節句であることもそこまでメジャーではありませんね。

「彼のために七草がゆ!」と言われても、「は、はぁ……」でやり過ごせます。楽勝。

 

3月3日、桃の節句。

5月5日、菖蒲の節句。

どうでしょう? 「私のお内裏様になって!」というキャッチコピーを唱う女性誌や、そんな台詞を使う少女漫画があったとしても、「ちょっと何言ってんだろう?」と流せます。楽勝。

 

そして、もうひとつの節句です。

7月7日・七夕の節句。

この日、男女が年に一度会える…という、おあつらえ向きの物語もあるのに、実はあまり「モテ」に利用されてないですよね? そりゃ、「浴衣で七夕デート」とか、短冊に「〇〇君とずっと一緒に…」みたいなのはあるにはあるかもしれませんが、別に七夕にデートしなくても「モテない勢」が気後れするほどでもない。

 

クリスマスやバレンタイン、最近ではハロウィンなどにあるような、ガツガツとした勢いが感じられないのです。

どうもモテる側は、日本古来の在来種イベントよりも、外来種のイベントを利用したがる傾向があるようですね。

 

こう見ていると、モテない勢のための休日やイベントは結構あるじゃないか! ……と、胸をなで下ろしそうになりましたが、そう悠長にもしていられません。「お正月」と「お盆」、どちらも“お”が付けられる、古来の休日の2大巨頭が最近「モテ」に脅かされているのです。

 

1999年から2000年に変わるあたりから、「年越しイベント」が開催されはじめて、まずはお正月が陥落。

お盆も、それ自体は安泰ですが、問題はその近辺で開催される「夏祭り」です。

1990年、ジッタリン・ジンの「夏祭り」という歌を聴いた時、私は愕然としました。

「な、夏祭りには、モテるモテないの差が出てきてしまう……」

よくよく考えれば、祭りにはそういう男女の催しといった側面もあるから仕方ないんでしょうが、「モテるモテないの差が如実に表れるイベントですよ」というのを眼前に突きつけられた気分でした。

 

そんな風に、どんどん「モテ」に浸食されていくシーズンイベントたち。そのなかにあって、モテるモテないを意識しないで済むゴールデンウィークは、貴重な存在だということがお分かりいただけたでしょうか?

 

みなさん、ゴールデンウィークは存分に羽を伸ばして下さい。とはいえ自然体でいるとモテるかもしれないので要注意です。

あと、この時期、唯一気をつけなければならないのは、バーベキュー。周りの男女がバーベキューを画策している気配を感じたら、逃げて下さい。

「君子、バーベキューに近寄らず」といったところです。

 

バックナンバー

第1回「モテなかったらなにが悪い!」

第2回「モテないアナタは気遣いの達人なのかもしれない!」

第3回「モテない道とは、我を殺すことと見つけたり。」