子どもたちにとって、スマホは憧れの存在です。
音楽も聴けるし、ゲームもできる。これ一台で何でもできるのですから、当然です。
スマホはここ数年で爆発的に普及しました。今や、高校生ともなればほとんどの生徒がスマホを持っているような状況です。
スマホは本当に有害?
ところで、一部の識者からは相変わらず「子どもにスマホを持たせるな!」「スマホは害でしかない!」という意見が聞こえてきます。そう言っているオッサン世代だって、「ファミコンは有害だ!」と言われながらも、ゲームに熱中して育った世代であるはずです。
上の世代で、新しいものに対して否定的な人が多いのは、いつの時代も変わりません。
ネットで子育てのサイトを見ていると、スマホ悪玉論の記事が結構目立ちます。
ここでは『スマホ時代の親たちへ』(藤川大祐・著/大空出版・刊)に紹介されている事例をもとに、あえて、子どもがスマホを持つメリットを紹介したいと思います。
子どもの知識を高めるスマホ
最大のメリットは、子どもたちがネットを通じて様々な専門家と直接つながることができるようになった点です。ブログのコメントなどに、丁寧に返信してくれるプロや芸能人はたくさんいます。プロと身近になり、深い関係を築くことだって可能です。
意欲さえあれば、もはや年齢なんて関係ありません。たとえば、こんなこともできます。
専門家に直接依頼して、講演などにきてもらう交渉をすることもできます。
『スマホ時代の親たちへ』より引用
また、スマホはこれまで専門学校や大学でなければ学べなかった知識を、簡単に得られるようになりました。
大学の講義がネットで無料配信されることもあり、専門家から教わる手段は豊富にあります。
『スマホ時代の親たちへ』より引用
大学に行かせるための教育費がないことで悩んでいる家庭があります。ところが、実はスマホでネット環境にアクセスすれば無料で見れる動画や、読める本などもたくさんあります。学びたいと思えばいくらでも学べる環境が、スマホの中には溢れているのです。
起業や情報発信も簡単
起業しなければできなかったような、出資を募って行う大きなプロジェクトも、スマホで簡単にできます。
イラストレーターや絵本作家、ライター、ミュージシャンなどになりたいと思う子どもにとっては、あらゆる面で有利です。ネットに動画をアップしたことをきっかけに、スカウトされた人は少なくないからです。
自分たちで本格的な活動をしようと思えば、ネット上で共感する人から出資を集める「クラウド・ファンディング」や、共感してくれる人にデザインや経理などの仕事を外注でできる「クラウド・ソーシング」といったサービスもあります。
『スマホ時代の親たちへ』より引用
さらに言えば、優れたアイディアがあればお金も技術もいりません。ネットで呼びかけることでプロジェクトを動かせるようになります。
特別な知識や技術を持っていない人でも、SNSなどを使い、さまざまな人々の協力を得て問題解決を行うことができるようになっているのです。
『スマホ時代の親たちへ』より引用
今や年齢、地域などの枠を超えて、才能が羽ばたいていける環境が生まれているといえます。ネットが生み出したポテンシャルを一層高めたツールが、スマホといえるでしょう。
便利なツールを使いこなそう
もちろん、スマホによって子どもが犯罪に巻き込まれることもありますし、ネット課金、スマホ依存症の問題などもあります。まだまだ社会全体で解決すべき課題は多いといえます。
しかし、これだけ便利なツールが誕生したのです。使い方には無限の可能性があります。子どもにプラスになるように、しっかりと親が使い方を指南することが大切です。
スマホで育った子どもたちは、我々の想像を超えたすごい未来を見せてくれる…そんな可能性がありそうです。
(文:元城健)
スマホ時代の親たちへ
著者:藤川大祐
出版社:大空出版
高校生の8割以上がスマホを持つ時代。
“今”の保護者たち必読の一冊です!
平成25年を境に、子どもたちのスマホ所持率がぐっと上がりました。それによって、どんな新たな問題が起きつつあるのでしょうか?保護者たちはそれらにどのように対処すべきなのでしょうか?今子育てに取り組む保護者たち全員に是非オススメしたい一冊です。