デスク周辺仕事が多く、肩はもちろん、首、腰、腕のこりに悩まされる人も多いと思います。そこで今回はヨガ本としては群を抜くヒット作「ずぼらヨガ」(23万部)「すごいストレッチ」(16万部)の著者・崎田ミナさんに、面倒くさがりの男子のための、デスクで簡単にできるヨガを伝授していただきました。
【崎田ミナさん プロフィール】
漫画家兼イラストレーター。23万部もののヒットとなった「ずぼらヨガ」、本だけでなく派生商品にもいたった「すごいストレッチ」を刊行。現在は次なる書籍を執筆中!
「仕事をしている自分はカッコ良い」の思考で精神がボロボロに……
――崎田さんは漫画家になる前から、エディトリアルデザイナー、雑誌編集者、印刷所勤務など、何かとデスクワークが多かったようですね。
崎田ミナさん(以下:崎田) もともと漫画家を目指していたのですが、すぐに漫画家になれるわけではないので、まず新卒で小さな出版社にデザイナーとして入社しました。その後フリーランスを経て、群馬の印刷会社に就職。今度はフリーペーパーの編集長を任されたのですが、任されると言っても私1人だけの編集部で(笑)。そのときにかなり仕事をやり過ぎて、パニック障害になってしまったんです。
このころは、どうも仕事中毒、ワーカホリック的なところがあって、いま思うと気持ちのどこかに「こんなに仕事をしている自分はカッコ良い」みたいなのがあったんだと思います。それで身体を壊してからは再度フリーランスに戻って、漫画やイラストの仕事をやっていたのですが、今度は起き上がれないほど精神的に参ってしまって。それで「このままではマズい」と、ヨガをし始め、この体験をイラストにしたものをネット連載させていただき、本になったのが「ずぼらヨガ」と「すごいストレッチ」です。
――読者は、かつての崎田さんと同じような仕事中毒のような方が多いのでしょうか?
崎田 いや、読者の方はたぶんバラバラですね。若い方もいれば年配の方も。男女比もバラバラだと思います。でも、これは想像ですけど、特に30代の男性って、仕事と私生活の線引きがなくなるほど働く方が多いんじゃないかと思います。まだ無理がきく年代ですし。私の経験で言うと、仕事でいつか身体を壊すのはバカバカしいですし、そうならないために、30代にこそ身体のメインテナンスはきっちりしておいて欲しいと思っています。
【デスクヨガ①】片鼻だけで呼吸する「片鼻呼吸法」で脳スッキリ!
――今回はそんな崎田さんにGetNavi web読者に向けて、デスクでも簡単に出来るリセット術をご紹介いただきたいと思っています。
崎田 はい。まず、動きが少なくてできるものとして、頭がスッキリする「片鼻呼吸法」ですね。これは私が最初にヨガで習って、今日も久しぶりにやってきたんですけど、当初はすごく衝撃でした。
これは、左右の鼻の穴の呼吸を意図的にコントロールする方法。人間って片方の鼻で呼吸していることが多いらしいんです(個人差あり)。左右の鼻呼吸を交互に行うことで自律神経が調整され、イライラの抑制にもつながると言われています。
これはヨガの先生に教わったのですが、左の鼻の場合は右脳を刺激しリラックスさせる働きが、右の鼻の場合は左脳を刺激しやる気モードを促す働きがあるそうです。こう聞くとなんだか面白いですよね。
ヨガには、ほかにも呼吸法がありますが、単に「腹式呼吸をしましょう」と言われてもやり方を知らない人はつまんないじゃないですか(笑)。それよりは「片鼻でやってみる」とかのほうが面白いですし、デスクでも簡単に出来るのでおすすめですね。本当に頭がスッキリして気持ち良いですよ。紹介した後、ツイッターでも「何これ!」って感じの感想が結構あるので、ぜひお試しください。
【デスクヨガ②】「のどストレッチ」で、日々の緊張をほぐす!
――ストレス解消法になるようなストレッチはありますか?
崎田 のどストレッチですね。私はよくストレスで胃が痛くなるんですけど、それをヨガの先生に聞いたところ「ストレスだったらこれですよ!」と教えてくださったものです。
のどって気管はもちろんですけど、ストレスで硬くなりやすい胸鎖乳突筋という太い筋肉なども近くにあり「息苦しさ」にすぐつながるところなので普段からほぐしておいた方がいい場所です。「首がこる」という人は普段から緊張しっぱなしな人も多いと思うので、ぜひ、こののどストレッチをやって欲しいですね。
鎖骨のあたりを手で押さえて、頭を上にあげて、20秒ほど深呼吸。そして、左右斜めに各20秒ごとやってください。首の後傾が辛い人は、壁とかに頭だけよっかかって伸ばすのでも良いですよ。