グルメ
2018/4/16 11:00

「イタリアン・ジャパニーズ」をご存じ? 醤油や豆腐や味噌や梅干がイタリアで日常化

昨今のイタリアの日本ブームは、もはやブームを通り越して日常化しつつあります。かつては憧れの日本料理も、醤油や豆腐はおろか、味噌、梅干し、豆腐などの基本的な食材もご近所のスーパー(特にBIO系やこだわり系)で買えるようになったいま、一般の家庭の食卓に登場するようになっております。しかもイタリア風に趣を変えて。

 

お蕎麦ジェノベーゼと味噌スープ(レシピ付き)

とあるイタリア人の友人宅にお邪魔していたランチタイム。「ランチはさっぱり目に、ソーバー(蕎麦)にしない?」と提案されたので、当然ながら「出汁は取れるの? 鰹節あるの?」とシンプルに聞き返したところ、「ないわよ」と答えが帰ってきました。……出汁のない醤油につけて食べようなどと、言い出さないことを祈りつつ「じゃあ、どうやって食べるの?」と聞くと、「これよ!」と高らかに冷蔵庫から取り出したのは、まごうことなきペスト・アッラ・ジェノベーゼ。いわゆるジェノベーゼソースです。素材は、ご存知バジリコと松の実、パルミッジャーノチーズにオリーブオイル……。

 

 

ところがどうでしょう? これが合う合う。実は、イタリアでも蕎麦=grano saraceno(サラセン小麦)を使ったパスタが売られています。“蕎麦”とは呼びませんが、味的には馴染みがないともいえません。今回は、健康食品店のSOBAを利用しましたが、さっぱり系のパスタが出来上がりました。イタリアのパスタに納豆や明太子をあえて食べるのと、似たようなものでしょうか。「なんとなく間違ってないとは言い切れないけど、結構おいしい」みたいな。蕎麦は、比較的糖質低めでGI値が低いそうなので、ダイエット中に蕎麦パスタもよろしいかもしれませんね! 合わせるソースは、お好み次第。自己責任でお願いします。

 

さて、もうひとつ。イタリア人が楽しんでいる日本食材を使ったイタリアンジャパニーズをご紹介しましょう。それは、ズッパ・ディ・ミーソ。ズッパはイタリア語でスープ。ミーソは味噌です。つまり、味噌スープ。ええ、そう、味噌汁です。しかし、“汁”の呼び名がイマイチしっくり来ないイタリアン味噌スープ。

 

 

味噌は、発酵食品としてイタリアでも人気が高まっています。でも、「出汁は?」とまた出汁を心配してしまいますが、今回も出汁は使ってません!はい!まず、鍋にネギ、ジャガイモ、にんじんなど、家にある野菜を適宜刻んで火にかけます。今回は、オシャレにこれまた流行の黒米なんかも加えちゃいます。

 

 

そして、黒米に火が通ったら…出来上がりです!味噌は?と思ったあなたは、日本人ですね?味噌は、このように登場致します。

 

 

直接かっ! ローフード的には、60度程度で溶かすのがよろしいそうですが、味噌を加えるタイミングは“煮えばな”。やはりこれは、味噌汁ではないと思った方が良さそうです。しかも、黒米の色が出て黒いし(笑)。ここに、先ほどの味噌なしスープを注いで、味噌を溶かせば、味噌ありスープとなります。

 

 

お味噌汁は、出汁をとるところからスタートするもの。と、ついつい「出汁ガー」になってしまいますが、野菜からでも出汁は取れるもので、それなりに美味しい味噌スープでした。まあ、ミネストローネ(具沢山スープ)にトマトソースの代わりに味噌を加えたみたいなものですね。

 

あまりに当たり前にそこにある蕎麦や味噌も海を渡って、イタリアンに。ブームに乗っかった“似非ジャパニーズレストラン”が横行する昨今、腰が失われたソーバーやおにぎりのようにかたく握ったスーシーなんてものを食べた外国人に「おお!これが日本食か!」なんて言われてガックリくるくらいなら、いっそのことオリジナルな使い方をしてもらった方が、ある意味日本食材へのリスペクトなんじゃないか、などとも思ったりします。豆腐(特に絹ごし)もフルーツソースをかけてデザートになってみたり、梅干しも塩の代わりにオリーブオイルと合えてドレッシングになったりしています。

 

逆輸入イタリアン・ジャパニーズ、機会があったらお試しください。

 

ボナペティート〜♪