2017年のアイリスオーヤマの家電事業は売上高が660億円、前年比で136%の成長と、好調ぶりが目立っています。そんな会社の勢いを象徴するかのような、やる気満々の広報さんから「夏に向けた製品を揃えたので、ぜひ見に来てください」と連絡が来ました。筆者にとって、同社の個別説明会は恒例となりつつあり、いつもの飯田橋オフィスまで足を運ぶことに。果たして、今回はどんな製品を見せくれるのでしょうか。
タワーファンのメリットは縦長の風を作り、上下方向に自在に風を送れること
今年は例年より暖かい日が続き、4月なのに気温が25℃を超える日もあって、夏になったら一体どうなってしまうのだろう……と心配になる今日このごろ。というわけで、最初はタワーファンです。暑いけどエアコンをつけるまでもない初夏に活躍する製品です。実はタワー型はあまり市場が広がっておらず、扇風機が圧倒的に売れています。しかし、タワーファンには意外に知られていないメリットがあるので、これから扇風機を買おうと思っている人は一考の余地ありです。
4月13日発売の新製品は、前モデルより風量が20%アップ、風速が40%アップとパワフルになりました。上下のルーバーは最大約90°の角度で送風ができ、左右首振り機能も搭載。今回発売したのは2モデルで、リモコン付属のマイコン式「KTWF-C82T」はサイズが幅260×奥行き260×高さ793mm、質量3.6kgで参考価格は9980円(税別)。メカ式の「KTEF-D82T」のサイズは幅260×奥行き260×高さ803mm、質量3.6kgで参考価格は7480円(税別)。
一般的な扇風機は大きなファン(羽)が1つしかないので、上半身に風を当てると下半身や足元には風が当たりません。対してタワーファンは大人の腰の位置程度の高さから縦長の風を送り出し、ルーバーの向きを変えることで上下方向に自在に風を送り出すことができます。同社のタワーファンはルーバーが上下で分かれているので、下段は足元、上段は上半身と全身に風が送ることができるのが特徴。足元を冷やすと体感温度が下がるため真夏の暑いときに便利なほか、ソファに座る人間の上半身と足元に寝ているペットに同時に風を送るといった使い方もできます。
スリムなので、首振り機能を使ってもスペースを大きくとらずに邪魔にならないですし、冬の使わない時期にクローゼットにしまいこむ際にも省スペースですみます。ファンガードによってファンに直接触れないようになっており、小さな子どもがいる家庭にも安心ですね。
デシカント式衣類乾燥除湿機は軽々と持てて静音性も抜群
次に紹介されたのが衣類乾燥除湿機の新製品2モデル。コンプレッサー式(※1)とデシカント式(※2)の2機種なのですが、デシカント式の「KIJD-H20 衣類乾燥除湿機」(参考価格1万7800円・税別)がなかなかに秀逸でした。何が良いのかというと、とにかく軽い。本体重量は約4.4kg(タンクに水がない状態)で、簡単にひょいと持ち上げて部屋を移動できます。前モデルは取っ手が本体左右についていて両手で運びましたが、新製品では幅広のアーチ型の取っ手を上部に付けたことで、片手でラクに持てるようになりました。
※1:コンプレッサー式…コンプレッサー(圧縮機)で冷媒を循環させ、湿った空気を冷やして、湿気を水滴にする方式。高温時の除湿能力が高いですが、コンプレッサー内蔵のため、本体が大きくなりがち
※2:デシカント式…乾燥剤に水分を吸着させる方式。吸着した水分はヒーターで温められたのち、水滴に戻ってタンクにたまります。低温時の除湿能力が高く、コンパクトですが、ヒーターを利用するため、消費電力が高いです
脱衣所やお風呂の乾燥や衣類乾燥、クローゼットの中、リビングの湿気取りとさまざまな場所で使えそうです。さらに特筆すべきは、運転音が34dB(30dBだと深夜の郊外、ささやき声と同じくらい)と静かなこと。梅雨時期の寝苦しい夜に使うと、湿気だけが取り除かれて快適な夜を過ごせそうです。ただ、デシカント式は除湿にヒーターを使用しており室温が上昇するので注意しましょう。
コンプレッサー式の衣類乾燥除湿機はパワーと運転モードが魅力
コンプレッサー式の「KIJC-H65 衣類乾燥除湿機」の参考価格は2万2800円(税別)。約9.7kgとやや重いため、気軽に移動はできませんが、そのぶん、除湿パワーがデシカント式の2倍以上とパワーが強く、大量の洗濯物の室内干しに最適です。運転モードも多彩で、「衣類乾燥モード」では3時間の連続除湿後に部屋の湿度が60%以下なら運転をストップし、60%以上ならまだ乾いていないと判断して自動的に運転を1時間延長します。「自動モード」では湿度55%以上で除湿を開始し、55%以下なら送風に切り替えるというように、部屋を乾燥させすぎないように自動調整します。
デシカントモデルのルーバーが手動式なのに対して、コンプレッサーモデルはオートルーバー機能を搭載しており、スイング幅を90°の広角と上向き、下向きの3段階に設定できます。