11月26日にBlu-ray&DVDが発売された『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ 哀しみのアルテイシア』。本作の監督である今西隆志氏が、シャア・アズナブル、そしてジオン公国の魅力について『GetNavi』(学研プラス刊)で語った。
シャアとは鬼子
「僕はアーティストじゃないからね。総監督の安彦良和さんの考えるシャア・アズナブルをしっかりと形にするための〝交通整理”役に徹しているんです」
と、語る今西監督。
それでは、安彦氏が考えるシャアとはどんな存在なのかとたずねると「鬼子。つまりダークヒーロー」と断言する。
「でも、安彦さんは『シャアはカリスマ性のある人間じゃない!』と言うんです。僕としてはまるで〝有名税”のようにいろいろな人からいい意味でいじられるシャアが、魅力的に映るんですけどね」
そんな安彦氏の考えるシャアのイメージをスタッフに浸透させるために、今西監督は力を尽くした。こうして作り上げられた「シャアの知られざる過去」は、リアルタイムで〝ファースト”を見た世代から絶大な支持を集めている。
ジオン公国の危険な魅力
「THE ORIGIN」ではシャアの人生と切り離すことのできないジオン公国の成り立ちも描かれている。人のエゴの渦巻く政治劇も見どころのひとつである。しかし、なぜ私たちはジオン公国に魅了されるのか?
「地球連邦には、お役所的にイメージがあるよね。画一的、怠惰、腐敗というような言葉が似合う。実に保守的で、こう言っちゃなんだけどつまらないんです。一方、ジオン公国は建国したばかりで、成長過程にある集団。例えそれが、間違った方向に向かっていたとしても、刺激的に映る。人って、ちょっと危なっかしいモノに魅力を感じるんだよね」
「詳しくはわからないけどさ、みんな会社とか、仕事でいろいろあるでしょ? 上司にグダグダ言われたら『なにくそ』って思うだろうしさ(笑)。ジオン公国もそれと状況が似ていて、共感するのかも」
「『THE ORIGIN』とは、あくまで〝安彦さんが考える”ガンダムとシャアの物語」であり「この作品を見て『シャアはこういう奴』『ジオンはこんな国』と定義づけないでほしい」と語る今西監督。
「ファースト」と「THE ORIGIN」。両作品を見比べ、シャアについてジオン公国について、そして『ガンダム』についていろいろと想像してみてはどうだろう。
(フムフム編集部)
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【文献紹介】
Get Navi 12月号
著者:GetNavi編集部
出版社:学研プラス
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