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2016/4/17 23:29

5分読むだけで居酒屋でモテる!? 一生使える日本酒カンニングペーパー【タイプ別編】

日本酒の用語を理解したうえでオーダーできる人って、スマートでカッコイイですよね。でも、日本酒用語は「生酛」「山廃」などとっつきにくいものばかりで、今まで敬遠してきた人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、日本酒のタイプを表す用語を、代表的な銘柄とともにわかりやすく紹介。これをマスターしてさりげなく披露すれば、周囲の異性や居酒屋の店主などに一目置かれることは間違いなし。日本酒を覚えるのがますます楽しくなるはずです。

 

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アルコール度

(あるこーるど)

日本酒のアルコール度数は15~16度くらいが一般的。加水していない原酒(下記の「原酒」参照)はもっと高く、高いほど味が濃くなります。

 

生酛仕込み

(きもとじこみ)

酒母(酛)造りは、優良な酵母を育成するための重要な工程。生酛仕込みは伝統的な手法で、酵母を雑菌や微生物から守る乳酸菌を、自然界から取り込む方法です。濃淳な旨みと酸がある本格的な味わいの酒になります。

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↑福島県の「大七 純米 生酛」(1.8ℓ 2749円)。まろやかな旨みがあり、ぬる燗も抜群に旨いです

 

蔵元

(くらもと)

酒蔵の当主のこと。古くは経営だけで酒造りは杜氏(下記の「杜氏」参照)に任せていたが、最近は杜氏も兼ねる蔵元が増えています。

 

原酒

(げんしゅ)

日本酒はアルコール度数の調整のために、水を加える(加水する)ことが多いですが、加水をしないのが原酒。通常よりアルコール度が高く、濃い味わいが楽しめます。火入れ(下記の「火入れ」参照)をしない生酒(下記の「生酒」参照)であることが多く、両者を組み合わせた「生原酒」として出荷される場合が多いです。

 

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愛媛県の「伊予賀儀屋 無濾過 純米生原酒 赤ラベル」(1.8ℓ  2970円)。バランスが絶妙で、飲んだ後の余韻が心地良いお酒です

 

酸度

(さんど)

乳酸、コハク酸、リンゴ酸などの酸の含有量を%で表示したもの。通常は1.3〜1.5%です。酸度が高いと味が濃くなり、低いと淡麗に。酸が高いと加熱しても味が崩れにくく、燗酒向きになります。

 

熟成酒・古酒

(じゅくせいしゅ・こしゅ)

熟成させたお酒のこと。搾りたてのときはフレッシュで荒々しかった酒が、寝かせることによって味が熟成して、複雑な風味が出てきます。琥珀色に色づいている場合が多いです。

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↑埼玉県の「神亀 純米清酒」(1.8ℓ 3188円)。2年以上常温で熟成したお酒で、燗にぴったり。揚げ物など濃い味の料理ともよく合います

 

醸造アルコール

(じょうぞうアルコール)

サトウキビなどを原料にした蒸留酒で、純度が高く無味無臭。日本酒を造る過程で添加します。添加物が入っていると敬遠される方もいますが、実は増量目的のほかに、酒質がクリアになり、香りがよくなるなどのメリットがあります。

 

精米歩合

(せいまいぶあい)

精米した後に残った酒米をパーセンテージで表示したもの。精米歩合35%とは、65%を削って残りの35%を原料にしたという意味です。精米歩合を高くすると香り高くすっきりとした酒質になり、低いと濃厚な酒になります

 

杜氏

(とうじ)

酒造りの責任者のこと。卓越した技能を持った職人中の職人です。酒造りの季節になると杜氏が配下の蔵人を連れて酒蔵に赴き、日本酒の製造に従事します。南部杜氏、越後杜氏などの流派があり、それぞれ独自のノウハウを持っています。

 

BY

(ビーワイ)

酒造年度。7月1日から翌年の6月30日の1年間を指します。「27BY」とは、平成27酒造年度(平成27年7月1日~)の仕込みのものを指します。

 奈良県の「花巴 水もと純米 無濾過生原酒」(3024円・1.8ℓ) 。濃厚な酸味が特徴です。26BYなので、

↑奈良県の「花巴 水もと純米 無濾過生原酒」(1.8ℓ 3024円)。濃厚な酸味が特徴です。26BYなので、平成26年7月1日から1年以内に造られたお酒です

 

生酒

(なまざけ)

通常2回行う火入れをしないで、そのままで商品化したお酒のこと。瓶の中で酵母が生きており、フレッシュな味わいを楽しめます。生モノなので冷蔵保存が鉄則。早めに飲んだほうがおいしくいただけます。

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↑秋田県の「新政 No.6 S-type」(720mℓ 1700円・)。注目の若手、佐藤祐輔氏が醸す酒。生酒らしいフレッシュで爽やかな味わいが特徴です

 

生貯蔵酒

(なまちょぞうしゅ)

通常2回の火入れのうち、1回目の火入れをしないで生のままで貯蔵したお酒。瓶詰め前の火入れのみを行うことで、生の風味に近づけています。生の状態が長いため、より熟成が進んでフレッシュ感が強く残ります。

↑岩手県の「南部美人 本醸造 生貯蔵酒」(1080円・720mℓ)。清涼感がありますが、厚みも感じられるお酒です

↑岩手県の「南部美人 本醸造 生貯蔵酒」(720mℓ 1080円)。清涼感がありますが、厚みも感じられるお酒です

 

生詰

(なまづめ)

通常2回の火入れのうち、1回目の貯蔵前の火入れは行い、2回目の瓶詰め前の火入れは行わない酒。先に1回火入れをしているので、生貯蔵酒より落ち着いた印象になります。

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↑山形県の「十四代 本丸」(1.8ℓ 2160円)。生詰らしいほどよいフレッシュ感があり、香味・旨みのバランスが取れた逸品です

 

 

にごり酒

(にごりざけ)

もろみを搾るときに、粗い布で搾ることで、あえてオリを残した酒のこと。白いにごりが入り、もろみの濃厚な香りや味わいが楽しめます。女性からも人気の高い酒で、発泡していることも多いです。通常は冷やで飲むのが一般的ですが、近年はにごり酒を燗にするお店も見られます。

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↑山口県の「雁木 活性にごり 発泡純米生原酒」(720mℓ 1706円)。繊細な香りが楽しめます

 

日本酒度

(にほんしゅど)

日本酒の甘辛の度合いを「+(プラス)」と「-(マイナス)」の数字で表します。辛口になるほど+の値が増え、甘口になるほど-の値が増えます。一般的には+5以上は辛口、-5以上は甘口とされますが、アルコール度数、酸度によっても変わるのであくまでも目安です。

 

発泡清酒

(はっぽうせいしゅ)

炭酸ガスを含んだ日本酒。シャンパンと同じよう爽やかな飲み心地が味わえます。最近注目のトレンドです。

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↑京都府の「松竹梅 白壁蔵 澪」(750mℓ 1187円)。ほどよい酸味と甘みで大ヒット。食前酒に最適なほか、スイーツにも合います

 

火入れ

(ひいれ)

酒を腐らせる火落菌を殺し、酵素の働きを抑えるために行う加熱処理。貯蔵する前と瓶詰めする前の2回行います。通常、ラベルに「生」「生詰」「生貯蔵」と書いていなければ、2回の火入れを行ったものになります。

 

無濾過

(むろか)

活性炭の粉末を投入し、雑味や色を吸着させるのが「濾過」。これを行わないのが「無濾過」です。もろみの香味や日本酒らしいうまみが残るので、日本酒ファンの支持も高いです。濾過をすると、ある程度味が整うものですが、これを行わない無濾過の場合は職人の腕がダイレクトに出るので、技術を問われるジャンルでもあります。

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↑奈良県の「風の森 秋津穂 純米大吟醸 しぼり華」(1.8ℓ 3240円)。無濾過で無加水の生酒。鮮烈な口当たりと透明感のあるボディが特徴です

 

山廃仕込み

(やまはいじこみ)

明治時代末期に開発された、酒母を仕込む方法。昔ながらの生酛仕込みから山おろしという手間のかかる作業を廃止したので、この名がつきました。生酛(きもと)と同様に、酸がしっかりとした、骨太な酒になるのが特徴です。

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↑山廃仕込みの定番、石川県の「天狗舞 山廃仕込純米酒」(1.8ℓ 2943円)。ブリ大根やすき焼きなどの濃い味に相性良し。冷やから熱燗まで幅広い温度で楽しめます

 

上記に挙げた用語は「生原酒」「発泡にごり酒」など、2つ以上が複合している場合がほとんど。ただ、ひとつひとつの用語を理解していれば、味も想像できるようになってくるので、日本酒を楽しむレベルが一段階上がります。これらの用語はいちど覚えてしまえば一生使えるので、覚えておいてソンはありません。ざっと頭に入れておき、居酒屋でカンニングするのもオススメです!